スマホ首より深刻?頚椎後弯が若い年代に増えている理由について
2025年11月30日

茨木市のまつお鍼灸整骨院では、首の痛みでお悩みの方へ向けて、役立つ情報を提供しています。患者さんからよくいただく質問や疑問に対する回答を、私自身が勉強してきたことや、実際の施術経験に基づいて、記事にまとめています。
最近、首こりや頭痛、めまい、倦怠感といった不調を訴える10〜30代の患者さんが急増しています。その多くに共通しているのが、いわゆる「スマホ首」では収まらない、もっと深刻な問題が頚椎後弯です。
正常な頚椎は前にゆるやかなカーブを描いていますが、これが逆方向になる状態を後弯と呼びます。単なる姿勢の悪さではなく、首の構造が大きく崩れているため、身体全体にさまざまな不調を引き起こします。
従来、頚椎後弯は高齢者に多いとされていました。しかし近年では、スマホ・PCの普及、オンライン授業、ゲーム時間の増加などにより、若い世代で急激に増えています。
「最近ずっと首が重い」「頭痛薬を飲んでもスッキリしない」「めまいが増えた」といった症状の裏側に、頚椎後弯が潜んでいることは少なくありません。
頚椎後弯とは?正常な首との違い
本来の頚椎は、前弯のカーブがあります。このカーブがあることで、頭の重さ(約5〜7kg)をバランスよく支え、衝撃を吸収しています。しかし、スマホを見る姿勢や丸まった姿勢が続くことで、このカーブが失われ、反対方向に曲がってしまう状態が頚椎後弯です。
頚椎のカーブが崩れると、頭の重さを首周りの筋肉が全て受け止めることになり、負担が一気に増えます。その結果、首こり、肩こりだけでなく、頭痛・めまい・吐き気など多彩な症状が出てしまうのです。
若い年代で頚椎後弯の人が増えている理由
1. スマホを見る姿勢
スマホを見るとき、多くの人は頭を前に突き出し、首を下に傾けます。この姿勢は、わずか15度の角度で12kg分、30度で18kg分、60度ではなんと27kg以上の負担が首にかかると言われています。これが毎日数時間続くと、頚椎は本来の前弯を保てなくなり、後弯方向に変形しやすくなります。
2. 座り時間の増加
オンライン授業、テレワーク、ゲーム、動画視聴…座り姿勢が崩れると、背中が丸まり骨盤が後傾し、その上にある頚椎も連鎖的に丸くなります。これが慢性的に続くと後弯の固定化が起きます。
3. 運動不足による筋力低下
頚椎を支えるのは骨ではなく、「首・背中・肩・胸」の筋肉バランスです。しかし若者の運動不足は年々深刻化しており、姿勢を保つ筋力が不足しています。筋力が弱いと、頭の重さに耐えきれず、首が前に崩れ、後弯が進行しやすくなります。
4. 勉強姿勢
受験勉強・塾・学校・自宅学習…中高生は勉強時間がもっとも長い年代です。机に覆いかぶさるような姿勢が習慣化し、頚椎後弯を招きます。実際、首のレントゲンを撮ると「10代で後弯が始まっている」ケースも珍しくありません。
頚椎後弯が引き起こす症状
1. 頭痛(特に後頭部〜こめかみ)
頚椎後弯になると、首周囲の筋肉(後頭下筋群)が強い緊張を起こします。この筋肉は頭痛と密接に関わるため、緊張型頭痛や片頭痛が悪化しやすくなります。薬を飲んでも改善しない“慢性頭痛”の多くが、姿勢の問題を抱えています。
2. めまい・ふらつき
首の筋肉には、身体のバランスを感知する感覚器が存在します。後弯によってこれらが狂うと、脳が姿勢情報を正しく受け取れず、めまいやふらつきが起こります。「整形外科で異常なしと言われためまい」の原因が首であることは非常に多いです。
3. 自律神経の乱れ
頚椎には自律神経の中枢に関わる神経が多く存在します。後弯により首がこわばると、血流が低下し、神経の働きが乱れやすくなります。その結果、動悸・息苦しさ・倦怠感・不安感・集中力低下など、いわゆる自律神経失調症の症状が出やすくなります。
4. 肩こり・背中の張り
頭の重心が前にずれることで、僧帽筋・肩甲挙筋・広背筋に大きな負荷がかかります。特に「肩甲骨の間がずっと痛い」「肩を回してもスッキリしない」という人は、後弯の影響で背中の筋肉が常に緊張している可能性があります。
5. 呼吸が浅くなる
頚椎後弯で背中が丸くなると、胸郭が広がりにくくなり、呼吸が浅くなります。酸素供給が不足すると、疲れやすさ、集中力の低下、持久力低下などにつながり、スポーツパフォーマンスにも影響が出ます。
頚椎後弯を放置するとどうなる?
後弯は自然に治ることはありません。むしろ姿勢の癖が固定化し、年齢とともに変形が進行する可能性があります。
- 慢性的な肩こり
- 頭痛
- 手のしびれ
- ストレートネックへの移行
- 頚椎症、椎間板症
- 自律神経の不調
- うつ症状の増悪
これらの症状が重なると、日常生活だけでなく仕事・勉強にも大きな支障が出てしまいます。
意識するポイント
1. スマホの位置を上げる
腕の位置を上げ、顔を下げずに見ることで後弯の予防になります。
2. 胸郭のストレッチ
胸まわりが硬いと背中が丸まり、後弯を悪化させます。胸を開くストレッチは必須です。
3. 骨盤を立てる座り方
頚椎は骨盤の上に乗っているため、骨盤が丸まると後弯が進行します。椅子に深く座り、骨盤を起こしましょう。
4. 専門的な施術
頚椎後弯は「首だけの問題」ではありません。背骨全体・骨盤・姿勢バランスを整えることで、根本的な改善が可能です。若い方ほど戻りやすいため、早期にケアすべき症状です。
まとめ
スマホ首以上に深刻な「頚椎後弯」は、若い年代に急増しています。頭痛・めまい・自律神経の不調など、原因不明の不調の背景にこの首の歪みが潜んでいるケースは非常に多いです。
日常の姿勢を見直しつつ、必要であれば早期に専門家へ相談することで、頚椎本来のカーブを取り戻し、全身の不調改善につながります。
投稿者:松尾洋信
資格:柔道整復師 鍼灸師 カイロプラクター
経歴:明治東洋医学院専門学校 行岡整復専門学校

茨木市出身。施術家歴25年。学生時代はずっと野球をやっていました。大学卒業後に治療家を目指し専門学校へ入学、柔道整復師・鍼灸師の国家資格を取得。
その後、整骨院や鍼灸院・整形外科・社会人野球のトレーナー活動などを経て2010年に開業。その後、多くのセミナーに参加してレントゲンに基づいた独自の骨格矯正で首の痛みや頭痛・ストレートネック・頚椎ヘルニアなどの施術を専門としています。
身体のことでお悩みのことがありましたらお気軽にご相談ください。







