肩が痛くて挙がらない五十肩と四十肩・肩関節周囲炎は同じ?日常生活での注意点は?

2024年03月29日

まつお鍼灸整骨院では、五十肩でお悩みの方々へ向けて、役立つ情報を提供しています。患者さんからよくいただく質問や疑問に対する回答を、私自身が勉強してきたことや、実際の治療経験に基づいて、記事にまとめています。

 

肩が痛くて動かしにくくなる症状を、五十肩や四十肩と呼ぶことがありますが、これらは同じものなのでしょうか?

 

また、肩関節周囲炎という言葉はどのような意味なのでしょうか?この記事では、五十肩と四十肩、肩関節周囲炎の違いや関係について、詳しく解説します。

 

五十肩とは?

五十肩とは、肩関節の周囲にある組織が炎症を起こし、肩が痛くて動かしにくくなる疾患です。正式には肩関節周囲炎と呼ばれます。

中年以降に多く見られ、特に50歳代に発症することが多いため、五十肩と呼ばれています。原因は、肩関節を構成する骨、軟骨、靱帯や腱などが炎症を起こして、関節包や滑液包などが癒着することによると考えられています。

 

五十肩は、自然に治ることもありますが、放置すると日常生活が不自由になるばかりでなく、関節が動かなくなることもあります。早期に正しい施術を受けることが大切です。

 

五十肩の症状について

五十肩の症状は、以下のようなものがあります。

✅運動痛:肩を動かすときに痛みがあります。髪を整えたり、服を着替えたりすることが不自由になることがあります。

✅夜間痛:夜中に肩がズキズキ痛んで、眠れないほどになることもあります。

✅運動制限:肩の動きが悪くなります。肩を上に上げたり、後ろに回したりすることができなくなります。

 

五十肩は次のように分類されます。

✅急性期:

肩の関節にある腱板が炎症を起こして関節包に広がります。関節包の炎症を放置すると次第に癒着が起こります。

この段階では、肩に強い痛みがあります。髪を整えたり、服を着替えたりすることが不自由になることがあります。夜中に肩がズキズキ痛んで、眠れないほどになることもあります。

✅慢性期:

関節包の癒着により、肩の動きが悪くなります。肩を上に上げたり、後ろに回したりすることができなくなります。

この段階では、痛みは少ないものの、肩の可動域が制限されます。日常生活に不便を感じることがあります。

✅回復期:

関節包の癒着が徐々に解けて、肩の動きが回復していきます。この段階では、痛みや可動域の制限が徐々に改善されます。

しかし、完全に元通りになるまでには、数ヶ月かかることがあります。

 

五十肩と四十肩・肩関節周囲炎の違いは?

実は、五十肩と四十肩・肩関節周囲炎は、言い方は違いますが全く同じものです。発症した年齢が50代であれば五十肩、40代であれば四十肩と呼ばれているだけのことです。

その名前が示すように、中年期によく見られる症状ですが、特に40歳や50歳になったからと発症するわけではありません。30代や60代になっても、同じような症状になる可能性があります。

 

五十肩の日常生活の注意点について

五十肩の日常生活で注意すべき点について説明していきます。

・肩を温め

急性期は患部を冷やしたほうが良いですが、慢性期になると、肩を温めると血行がよくなり、痛みが和らぐことがあります。入浴したときに温かいお湯を肩にかけたり、カイロなどで温めたりしましょう。

・肩に負担をかけない

肩に重いものをかけたり、無理な動きをしたりすると痛みが増すことがあります。カバンを肩にかけたり荷物を持ったりするときには、悪い方の肩を使わないようにしましょう。

買い物をするときも、かごを持つよりもカートを押す方が良いでしょう。物を上に持ち上げるときには、踏み台に乗るなどして肩が上がり過ぎないようにしましょう。

・寝るときの姿勢

寝るときには、体と脇の間にタオルや枕などをはさんで、腕を開いて肩を浮かせた姿勢をとると楽なケースが多いです。横向きに寝るときには、痛い方の肩を天井に向けるようにしましょう。

抱き枕などを抱えると腕が安定します。仰向けに寝るときには、痛い方の肩甲骨の下に平たく折りたたんだバスタオルを入れ、腕全体の下にもタオルを入れ、少し高さを作って安定させましょう。

 

五十肩の予防法について

五十肩の予防法としては、以下のようなことが効果的です。

・同じ姿勢の作業を長時間続けない

デスクワークや家事などで同じ姿勢を長く続けると、肩の筋肉や関節がこわばってしまいます。こまめに休憩をとって、肩を回したりほぐしたりしましょう。

 

・姿勢に気を付ける

ハイヒールや肩掛けバッグなどで姿勢が崩れると、肩に負担がかかります。背筋を伸ばして、肩甲骨を寄せるようにしましょう。猫背や反り腰などの姿勢矯正にも努めましょう。

 

・肩のストレッチをする

肩の可動域を広げるために、肩のストレッチを心がけましょう。例えば、両手を上に伸ばしてバンザイをしたり、両手を後ろで組んで上げ下げしたり、肩を前後に回したりするなどの運動がおすすめです。

五十肩は、症状によって回復するのに個人差がありますが早期に施術を始めることが重要です。五十肩でお悩みの方はお気軽にご相談くださいね。

 

投稿者:松尾洋信

資格:柔道整復師 鍼灸師 カイロプラクター

経歴:明治東洋医学院専門学校 行岡整復専門学校 茨木市出身。施術家歴25年。学生時代はずっと野球をやっていました。大学卒業後に治療家を目指し専門学校へ入学、柔道整復師・鍼灸師の国家資格を取得。
その後、整骨院や鍼灸院・整形外科・社会人野球のトレーナー活動などを経て2010年に開業。その後、多くのセミナーに参加してレントゲンに基づいた独自の骨格矯正で首の痛みや頭痛・ストレートネック・頚椎ヘルニアなどの施術を専門としています。
身体のことでお悩みのことがありましたらお気軽にご相談ください。

 

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参考文献
日本整形外科学会