整形外科で頚椎症と言われました。頚椎症とストレートネック・頚椎ヘルニアは何が違うのか?

2024年03月24日

まつお鍼灸整骨院では、首の痛みで悩む方々へ向けて、役立つ情報を提供しています。患者さんからよくいただく質問や疑問に対する回答を、私自身が勉強してきたことや、実際の施術経験に基づいて、記事にまとめています。

 

首が痛くて整形外科に行ってみてもらったら『頚椎症ですね』って言われたことのある人も多いと思います。頚椎症って何?ストレートネックと頚椎ヘルニアと何が違うのか?

 

今回は頚椎症とストレートネック・頚椎ヘルニアの違いについてお話します。

 

頚椎症とは?

頚椎症とは、加齢によって椎間板などの頚椎構造に変性が生じ、頚椎を通る神経が圧迫されることでさまざまな症状が引き起こされる疾患です。

頚椎症は、障害を受ける神経の部位によって、脊髄症(せきずいしょう)と神経根症に分けられます。どちらも50歳以上の男性に多く、男性は女性の約2倍とされています。

さまざまな神経症状が引き起こされますが、軽度なものから日常生活が困難なほどのしびれや痛みが現れるものもあります。

また、必ずしも症状の程度と画像上での頚椎の変性の程度が一致しないのも大きな特徴です。

頚椎症は、中高年以降の方には一般的な病気ですが、なかには他の神経疾患が隠されていることもあるため注意が必要です。

 

頚は、頚椎と呼ばれる7つの骨により構成されています。頚椎の加齢による椎間板の変性(老化現象)や靭帯が厚く硬くなることなどにより、頚部の痛みなどの症状が発現したものを総称して、頚椎症と呼んでいます。

 

神経根や脊髄が圧迫され、頚や肩甲骨付近の痛みや、頚肩から腕や手にかけて痛みやしびれを生じることもあります。障害される部位により、頚椎症性脊髄症、頚椎症性神経根症と呼ばれます。また両者を合併することもあります

 

こんな場合は頚椎症の可能性があるかも?

✅首の痛みと硬直

頚椎症の最も一般的な症状は首の痛みです。痛みは首の後ろに局所化することも、肩や腕に放散することもあります。また、首の動きが制限され、硬直感を伴うことがあります。

✅頭痛

首の痛みが頭に向かって放散し、特に後頭部に頭痛が生じることがあります。

✅筋力の低下

頚椎の神経根が圧迫されると、腕や手の筋力が低下することがあります。

✅痺れや感覚の低下

頸椎の圧迫された神経根によって腕や手、指に痺れや感覚の低下が生じることがあります。

 

頚椎症とストレートネック、頚椎ヘルニアは違うのか?

頚椎症、ストレートネック、頚椎ヘルニア、それぞれの特徴を説明していきます。

頚椎症

頚椎症は、首の骨(頚椎)の変性や老化によって引き起こされる疾患で、多くの場合、加齢に伴い発生します。椎間板の脱水や縮小、椎骨の突出、関節の変形などが特徴で、以下のような症状が現れることがあります:

長期にわたる首の痛み

首の運動範囲の制限

腕への放散痛

手足の痺れや筋力低下

ストレートネック

ストレートネックは、通常は前方にゆるやかなカーブを描く頚椎が真っすぐになっている状態のことを言います。多くは長時間のデスクワークやスマートフォンの使用など、不適切な姿勢が原因で起こります。

頚椎ヘルニア

頚椎ヘルニアは、首の椎間板が変性し、髄核が飛び出して神経根や脊髄を圧迫することで起こります。この状態は、外傷や椎間板の突然の損傷などによっても引き起こされることがあります。

どれも首の痛みがでるのが特徴で似ている部分もありますが、頚椎症は主に変性によるもの、ストレートネックは姿勢の問題が主な原因、そして頚椎ヘルニアは椎間板の異常による神経の圧迫が特徴です。

頚椎症の特徴について

頚椎症は、肩こりや首コリの症状がいっそうひどくなってしまった状態と言っていいでしょう。『頚肩腕症候群』などと呼ばれることもありますが、肩こり・首こりの症状が悪化してしまい、頚椎に何らかの問題が生じている状態だと考えていいです。

頚椎症をおこしている人は、大多数がストレートネックです。長時間のパソコン作業など、前かがみやうつむきの姿勢を続けているうちに、頚椎のカーブが失われてしまったわけです。

 

すると頭の重みをはじめ、頚椎に大きな負担がかかってしまいます。そして、次第に頚椎の椎間板が疲弊して、弾力を失い、変性を起こしてしまいます。

それが神経や筋肉を圧迫してしまって、ひどい肩こりや痛みを読んでいるのです。

 

頚椎症では、レントゲンやMRIではわからないほどの小さなヘルニアがあることもあります。椎間板がつぶれた結果、髄核が外へはみ出してしまうのです。そういったヘルニアが神経根に触れると、手や腕がしびれるなどの症状がでてきます。

 

頚椎症による腕のしびれがある場合『スパーリングテスト』と言われる検査法をおこない、確認をします。

上を向いて痛みやしびれのある側へ頭を傾けます。それによって手や腕の痛みやしびれが強くなるようでしたら、それは頚椎の問題から起こるものと考えてよいでしょう。

 

上を向いて首を症状の出る方へ傾けたとき、上腕がしびれる場合は頚椎4番

親指や人差し指がしびれる場合は頚椎5番

中指がしびれる場合は頚椎6番

に問題がある可能性があります。

頚椎を出た神経は腕から手の方へと走っていますのでしびれている場所によってどこの頚椎に問題があるのかが推測できます。

また肩甲骨の内側がこっていて腕にしびれがでる人もいてます。肩甲骨の内側には菱形筋という筋肉があるのですが、多くの場合は頚椎からの問題であることが多いです。

 

対策のポイント

頚椎のバランスは、生活習慣をはじめ、ちょっとしたことで変わってくるものです。

普段の姿勢を少し気を付けたり、簡単なストレッチ、枕などを変えるだけでも変わってくることもあります。

頚椎症に限らず、首の悪い人は腰や骨盤の状態も悪い人が多いです。ですので首の悪い人は腰痛もあるといった人がほとんどです。

上(首)が悪いと下(腰や骨盤)で補正して身体を支えることになりますからね。

大事なのは長時間同じ姿勢でいないこと、こまめに身体を動かす習慣をつけましょう。

 

投稿者:松尾洋信

資格:柔道整復師 鍼灸師 カイロプラクター

経歴:明治東洋医学院専門学校 行岡整復専門学校

茨木市出身。施術家歴25年。学生時代はずっと野球をやっていました。大学卒業後に治療家を目指し専門学校へ入学、柔道整復師・鍼灸師の国家資格を取得。

その後、整骨院や鍼灸院・整形外科・社会人野球のトレーナー活動などを経て2010年に開業。その後、多くのセミナーに参加してレントゲンに基づいた独自の骨格矯正で首の痛みや頭痛・ストレートネック・頚椎ヘルニアなどの施術を専門としています。

身体のことでお悩みのことがありましたらお気軽にご相談ください。

 

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参考文献
日本整形外科学会