ストレートネックとスポーツパフォーマンスへの影響について

2025年10月15日

茨木市のまつお鍼灸整骨院では、ストレートネックでお悩みの方へ向けて、役立つ情報を提供しています。患者さんからよくいただく質問や疑問に対する回答を、私自身が勉強してきたことや、実際の施術経験に基づいて、記事にまとめています。

ストレートネックは、スマホやパソコンの使用などによって頚椎の前弯のカーブが失われ、首の骨がまっすぐになった状態のことを言います。

ストレートネックはスポーツ選手にも多く見られ、単なる首や肩の不調にとどまらず、スポーツパフォーマンスの低下にもつながることがあると分かっています。

本来の頚椎カーブは、頭部の重さ(約5〜6kg)を分散する役割を果たしています。しかしストレートネックになると、頭部が前方に突き出てしまい、首・肩・背中の筋肉が過剰に緊張します。その結果、呼吸が浅くなり、自律神経の乱れや疲労感の増加につながります。

スポーツパフォーマンスへの具体的な影響

ストレートネックは単なる「姿勢の問題」ではなく、スポーツパフォーマンス全体にも影響を与える要因です。

特にアスリートや運動習慣のある方にとっては、わずかな首の角度のズレが全身の動き・バランス・呼吸・出力効率を左右する大きな要素となります。以下では、その具体的な影響をさらに詳しく解説します。

1. バランス感覚の低下

ストレートネックによって頭部が前方に傾くと、体全体の重心バランスが崩れます。人間の頭は約5〜6kgあり、これが数cm前方に出るだけで首や背中、下半身の筋肉に数十kgもの負担がかかります。

結果として、股関節や膝、足首にかかる衝撃が偏り、ジャンプやダッシュ、方向転換などの動作で安定性が損なわれます。

特に陸上や球技では、踏み込み時に片側へ体重が流れるなど、微妙なズレがフォームの乱れやタイムロスにつながります。

2. 呼吸機能の低下

首の前傾姿勢は胸郭を圧迫し、肋骨や横隔膜の動きを妨げます。これにより呼吸が浅くなり、酸素摂取量が減少します。

体内の酸素供給が不十分になると、筋肉の持久力が低下し、乳酸が蓄積して疲労感が強くなります。

マラソン、サッカー、バスケットボールなど持久力を要する競技では特にパフォーマンスへの影響が大きく、息が上がりやすくなったり、集中力が続かなくなったりすることもあります。

また、酸素不足による自律神経の乱れが、肩こりや頭痛の原因にもなります。

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3. 筋力発揮の効率低下

正しい姿勢では、力の流れが「体幹 → 四肢」へとスムーズに伝達されます。しかし、ストレートネックの状態ではこの力の伝達経路が歪み、体幹の安定性が失われます。

その結果、スプリントや投球、スイング動作において「力が抜ける」「スピードが出ない」と感じるケースが増えます。これは筋力そのものの問題ではなく、姿勢の崩れによる“力のロス”です。

特に体幹トレーニングをしても結果が出にくい人は、首や背骨のアライメントが乱れている可能性が高いです。特に首の前傾姿勢は背中や腰の筋肉に過剰な緊張を生み、体幹の安定性を下げてしまいます。

結果として「上半身の力が下半身に伝わらない」「踏ん張れない」「スイングの切り返しで力が抜ける」といった現象が起こります。

フォームの修正や筋力アップを目指す前に、まず姿勢と頚椎のアライメントを整えることがパフォーマンス向上の近道です。

4. ケガのリスク増加

ストレートネックによる姿勢の崩れは、動作時の力の分散を妨げ、関節や筋肉の一部に過度な負担をかけます。野球やテニスなどのスイング系スポーツでは肩や肘の故障、ランニングやサッカーでは腰痛・膝痛・シンスプリントなどの下肢障害を起こしやすくなります。

また、首周囲の神経圧迫による感覚異常や手のしびれも発生しやすく、競技パフォーマンスを低下させる要因となります。

姿勢の崩れは一見些細でも、長期的には“慢性的なコンディション不良”を生み出す危険性があるのです。

5. ストレートネック改善がもたらすスポーツメリット

首のカーブが整うことで、視線の安定・呼吸の深さ・体幹の安定性が劇的に改善します。結果として、動作全体の流れがスムーズになり、動き出しのスピードや持久力の持続時間も向上します。

実際、アスリートの中には「首を整えたことで記録が伸びた」「肩の可動域が広がってスイングが軽くなった」といった変化を感じる方も少なくありません。

ストレートネックを軽視せず、日常の姿勢・トレーニングフォーム・コンディショニングの中で首の位置を意識することが、パフォーマンス向上とケガ予防の両面において非常に重要です。

セルフチェック:ストレートネックが疑われるサイン

これらのサインが複数当てはまる場合、ストレートネックの可能性が高いと考えられます。

特に「耳が肩より前に出ている」「首の後ろの隙間が少ない」といった特徴は、頭の重心が前方にずれている典型的な状態です。

この姿勢では首の筋肉が常に頭を支え続けるため、肩こり・頭痛・めまいなどの不調が出やすくなります。

また、呼吸が浅くなることで酸素の供給が減り、集中力やスタミナにも影響を及ぼすため、スポーツをする人は注意が必要です。

まとめ

ストレートネックは「ただの首の不調」ではなく、スポーツパフォーマンス全般に影響を与える大きな要因です。

バランス感覚、呼吸機能、筋力伝達効率、そしてケガのリスクまで関係しており、競技力を高めたいアスリートにとって大きな問題といえます。

日常姿勢の改善、柔軟性と体幹の強化を意識し、首のコンディションを整えることがスポーツパフォーマンス向上の第一歩です。

 

投稿者:松尾洋信

資格:柔道整復師 鍼灸師 カイロプラクター

経歴:明治東洋医学院専門学校 行岡整復専門学校

茨木市出身。施術家歴25年。学生時代はずっと野球をやっていました。大学卒業後に治療家を目指し専門学校へ入学、柔道整復師・鍼灸師の国家資格を取得。

その後、整骨院や鍼灸院・整形外科・社会人野球のトレーナー活動などを経て2010年に開業。その後、多くのセミナーに参加してレントゲンに基づいた独自の骨格矯正で首の痛みや頭痛・ストレートネック・頚椎ヘルニアなどの施術を専門としています。

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参考文献
日本整形外科学会

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