肩を動かすとゴリゴリ音がするのは危険?原因と放置していいケース・対処法を解説
2025年06月7日

茨木市のまつお鍼灸整骨院では、肩の痛みでお悩みの方へ向けて、役立つ情報を提供しています。患者さんからよくいただく質問や疑問に対する回答を、私自身が勉強してきたことや、実際の施術経験に基づいて、記事にまとめています。
「肩を回すとゴリゴリ音が鳴る…」
「動かすたびに肩が鳴って気になるけど、痛みはないから放置している」
そんな経験はありませんか?
肩を動かすときに鳴る“ゴリゴリ”“ポキポキ”といった音は、「関節雑音」と呼ばれます。痛みが伴わない場合は放置しがちですが、体からの“初期の異常サイン”であることも多く、原因によっては注意が必要です。
この記事では、肩関節からゴリゴリと音がする原因と、症状別の対処法について詳しく解説します。
肩のゴリゴリ音の原因|考えられる5つの要因
肩関節から鳴る「ゴリゴリ」「コリコリ」という音は、「関節雑音」と呼ばれます。単に音が鳴っているだけで済む場合もありますが、構造的な問題が潜んでいることもあります。
① 筋肉や腱のこすれ・引っかかり(摩擦音)
肩関節は非常に可動域が広く、筋肉や腱が複雑に交差しています。特に以下の筋肉が骨や他の軟部組織と擦れることで音が鳴ることがあります。
- 棘上筋
- 肩甲下筋
- 上腕二頭筋長頭腱
これらが
- 肩峰=肩の骨の出っ張り
- 烏口突起や関節包との摩擦
- 肩甲骨と上腕骨の間の空間の狭小化
これらとこすれることで、「ゴリッ」とした感覚が生じます。肩を上げたり回す動作で顕著に感じることが多いです。
② 関節の動きのズレ
正常な肩の動きには、肩甲骨と上腕骨の連動が必要です。しかし以下のような姿勢や動作習慣があると、関節の滑らかな動きが失われて音が出やすくなります。
猫背や巻き肩で肩甲骨の動きが悪い
上腕骨頭(肩の骨の中心)が前方や上方にズレている
偏った筋肉の緊張により、関節軌道が乱れる
たとえば、長時間のスマホやPC操作で肩が前方に巻き込まれると、関節がスムーズに動かず「引っかかり」や「きしみ」を生みやすくなります。
③ 筋膜・腱・靱帯など軟部組織の癒着
過去の外傷、運動不足、同じ姿勢の継続などにより、筋膜や腱・靱帯が癒着すると、組織が滑らかに動かず、動作時に「ゴリゴリ」とした摩擦感が出ます。
- 筋膜の滑走性の低下
- 上腕二頭筋腱や棘下筋腱の滑走障害
- 肩甲骨と肋骨の間の筋・筋膜の癒着
特に肩甲骨が「ゴリゴリ」「バキバキ」と鳴る人は、肩甲骨周囲の筋膜の動きが悪くなっているサインかもしれません。
④ 関節唇や関節包の損傷(不安定性のサイン)
関節唇とは、肩関節の安定性を高める軟骨状の組織で、激しい運動や加齢により摩耗・断裂することがあります。
- 野球やテニスなどのスポーツをしている人
- 脱臼や肩の外傷歴がある人
- 加齢による退行変性
関節唇や関節包が損傷すると、関節内で「引っかかる」「外れる」ような音が鳴ったり、不安定感を伴う場合があります。放置すると腱板損傷や慢性炎症に発展することもあります。
⑤ 変形性肩関節症|骨の変形や軟骨の摩耗による摩擦音
中高年以降で多くみられる原因の一つが、肩関節の関節軟骨がすり減り、骨同士が直接こすれ合う状態です。
- 関節軟骨が摩耗→骨棘形成
- 肩の可動域が制限される
「ゴリゴリ」「ギシギシ」といった重い音
- 動作痛や夜間痛を伴うことも
変形性関節症の場合は痛みとともに進行するため、早期の治療が重要になります。
放っておいても大丈夫?
以下のような状態であれば、必ずしもすぐに治療する必要はありません。
- 音だけで痛みやしびれがない
- 日常生活や運動に支障がない
- 疲労時や冷えたときのみ音が出る
- ストレッチや入浴で改善する
これらは、一時的な筋肉の硬さや姿勢のクセが原因のことが多く、セルフケアや運動習慣の改善で解消することもあります。
【要注意!早めに受診すべきケース】
一方で、以下のような症状がある場合は、関節の構造的な問題や炎症が起きている可能性があり、早めの対応が必要です。
✔音と同時に痛みや不快感がある
腱板炎、インピンジメント症候群などの可能性
✔動かすとひっかかり感や引っかかる音がする
関節唇損傷や肩峰下滑液包炎が疑われます
✔夜間や就寝中も肩が重だるい・痛む
五十肩や腱板断裂の初期症状かもしれません
✔腕がスムーズに上がらない・しびれを感じる
頚椎の神経圧迫や胸郭出口症候群の可能性も
放置しないほうがいい理由
「痛みがないから」「そのうち良くなるだろう」と放っておくと、関節の可動域制限が進み、慢性的な炎症に移行することがあります。特に中高年以降では、腱や軟部組織の変性が進行しやすく、治療が長引くこともあります。
ゴリゴリ音への対処法

肩のゴリゴリ音を減らすには、ただ肩を回すだけでは不十分です。多くの場合、肩そのものより「肩甲骨」「姿勢」「インナーマッスル」の問題が背景にあります。ここでは、今日から実践できる具体的な改善ステップを紹介します。
1.ストレッチと筋膜リリース(まず最初にやること)
いきなり筋トレをする前に、まずは肩周囲の滑りを改善することが重要です。硬いまま鍛えても、摩擦が強くなるだけです。
特に意識したいのは「肩甲骨を動かすこと」です。
おすすめは、両手を前に伸ばして大きく円を描くように肩甲骨を回すストレッチ。肩ではなく“背中が動いている感覚”を意識します。10回を1セット、朝晩2セット程度で十分です。
さらに、肩の前側(大胸筋)が硬い人は壁に手をついて胸を開くストレッチも有効です。30秒キープを2回。これだけで肩の詰まり感が軽減するケースは多いです。
筋膜リリースをする場合は、テニスボールやフォームローラーで肩甲骨の内側を軽くほぐします。強く押しすぎないことがポイントです。
2.姿勢の見直し(ゴリゴリ音の最大の原因)
肩の音が鳴る人の多くは、巻き肩・猫背姿勢が固定化しています。
デスクワーク中に意識してほしいのは次の3つです。
- 肩を軽く後ろに引き、胸を開く
- 顎を引き、頭を前に出さない
- 背中を丸めすぎない
特に「頭が前に出る姿勢」は、肩関節の位置をズラしやすく、摩擦を増やします。1時間に1回、30秒でも姿勢をリセットするだけで肩への負担は大きく減ります。
3.可動域の改善とインナーマッスル強化
ストレッチだけでは根本改善になりません。肩関節は不安定な関節なので、インナーマッスル(腱板)の安定性が重要です。
おすすめは、肘を90度に曲げて体の横につけ、ゴムチューブで外旋運動を行うトレーニングです。軽い負荷で10回×2セット。痛みが出ない範囲で行います。
ポイントは「重さより正確な動き」です。肩をすくめず、ゆっくり丁寧に動かすこと。可動域と安定性の両方を整えることで、ゴリゴリ音は徐々に減っていきます。
どれくらいで改善する?

軽度であれば、1〜2週間で引っかかりが減るケースが多いです。ただし、半年以上続いている場合や痛みを伴う場合は、姿勢や肩甲骨の機能がかなり固まっている可能性があります。
その場合は、自己流だけで改善しようとせず、一度診てもらうこともを検討してください。
やってはいけないNG行為
- 痛みがあるのに無理に回し続ける
- ゴリゴリ鳴らしてスッキリさせようとする
- 強すぎるストレッチ
- フォームが崩れた筋トレ
摩擦が起きている状態で刺激を加えすぎると、炎症に移行する可能性があります。
まとめ|「肩の音」は体からのサインかもしれません
肩のゴリゴリ音は、日常では見落とされがちな体の異常サインです。
- 筋肉や腱のこすれ
- 関節のズレ
- 姿勢の崩れ
など、原因はさまざまですが、正しいケアを行えば、改善するケースもあります。
音が出るということは、そこに“摩擦”や“負担”がかかっている証拠でもあります。 「まだ痛くないから」と放置せず、早めのケアも大事になってきます。
投稿者:松尾洋信
資格:柔道整復師 鍼灸師 カイロプラクター
経歴:明治東洋医学院専門学校 行岡整復専門学校

茨木市出身。施術家歴25年。学生時代はずっと野球をやっていました。大学卒業後に治療家を目指し専門学校へ入学、柔道整復師・鍼灸師の国家資格を取得。
その後、整骨院や鍼灸院・整形外科・社会人野球のトレーナー活動などを経て2010年に開業。その後、多くのセミナーに参加してレントゲンに基づいた独自の骨格矯正で首の痛みや頭痛・ストレートネック・頚椎ヘルニアなどの施術を専門としています。
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