右肩甲骨が急に痛くなるのは肩こり?その原因について詳しく解説!!

2025年03月21日

まつお鍼灸整骨院では、肩の痛みに関する、役立つ情報を提供しています。患者さんからよくいただく質問や疑問に対する回答を、私自身が勉強してきたことや、実際の施術経験に基づいて、記事にまとめています。

右の肩甲骨周辺だけに痛みが出る原因は?

肩甲骨周りの痛みは、日常生活の中で突然現れることがあり、特に右肩甲骨周りに痛みを感じる場合、その原因はさまざまです。

この部分は、肩や背中、胸部の筋肉、骨、神経が交差する重要な部分であり、様々な原因で痛みを引き起こす可能性があります。

今回は、「右肩甲骨に突然痛みが出る」という症状に焦点を当て、考えられる原因やその対処法について詳しく解説します。

日常生活の中で突然起こる肩甲骨周りの痛みの背景には、筋肉の問題から内臓の異常まで、様々な要因が存在するため、それらをしっかりと理解し、適切に対処することが重要です。

 

1.筋肉の緊張やこりによる痛み

右肩甲骨の痛みの最も一般的な原因の一つは、筋肉の緊張やこりです。肩甲骨周りには、多くの 筋肉が集まっており、日常の動作や姿勢に大きな影響を受けます。

特にデスクワークや長時間のスマートフォン使用によって、肩甲骨周りの筋肉が緊張しやすくなります。姿勢の悪さによる影響猫背や前かがみの姿勢が続くと、肩甲骨周りの筋肉が過度に緊張し、こりや痛みを引き起こします。

パソコン作業やスマートフォン使用の時間が長くり、知らず知らずのうちに肩甲骨周りに負担をかけていることが少なくありません。姿勢改善姿勢を意識し、定期的に肩を回すなどの簡単なストレッチを行うことが大切です。

また、背中を伸ばし、肩甲骨を引き寄せる姿勢を意識することで、肩甲骨周りの筋肉の負担を減らすことができます。

長時間の同じ姿勢による影響長時間同じ姿勢を保つことも、筋肉の緊張を引き起こす原因です。

例えば、デスクワーク中に長時間パソコンを見続けていると、肩甲骨周りの筋肉が固まってしまいます。この緊張状態が続くと、肩甲骨に突然痛みが走ることがあります。

✅定期的な休憩

長時間の作業の際には、1時間ごとに立ち上がって体を動かすように心がけましょう。

肩甲骨周りの筋肉をほぐすストレッチや軽い運動を取り入れることで、痛みの予防が期待できます。

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2.肩関節周囲炎【いわゆる五十肩】

肩甲骨周りの痛みのもう一つの原因として、肩関節周囲炎(五十肩)があります。五十肩は、肩関節の周囲の組織が炎症を起こし、肩や肩甲骨に強い痛みを引き起こす疾患です。特に、右肩を使いすぎた場合や、加齢に伴う組織の劣化が関係していることが多いです。

五十肩の症状五十肩の初期症状として、肩の動きに制限がかかり、右肩を動かすと痛みが生じることがあります。

また、肩甲骨周りにも痛みが広がり、肩を回す動作や腕を上げる動作が難しくなることが特徴です。この症状が進行すると、夜間にも痛みが出ることがあり、寝返りを打つ際に強い痛みを感じることもあります。

3.胸郭出口症候群

胸郭出口症候群は、首から肩、腕にかけて走る神経や血管が圧迫されることで、肩甲骨周辺の痛みや腕のしびれを引き起こす症状 です。

特に右肩甲骨周りに痛みが出る場合、首や肩の筋肉の緊張が関係している可能性があります。

胸郭出口とは、首の付け根から鎖骨の下を通り、腕へと続く神経・血管の通り道のこと です。この部分が狭くなったり、筋肉の緊張によって圧迫されると、肩甲骨周辺や腕に痛みやしびれが生じます。

✅胸郭出口症候群の特徴的な症状

右肩甲骨の内側や腕に痛みやしびれが出る

・特に、首を横に傾けたときや腕を上げたときに症状が悪化することが多い。

肩甲骨周りが重だるくなる、ピリピリする感覚がある。

腕を上げると症状が強くなる(ライトテスト陽性)

・手を挙げると、肩や腕の血流が悪くなり、痛みやしびれが増す。

腕を上げると感覚が鈍くなり、血色が悪くなることもある。

手の握力が低下する(手がうまく使えない)

・物を握ると手の力が入りにくくなることがある。

・重いものを持とうとすると、指先がしびれる。

首や肩のコリがひどくなる

・肩甲骨の内側や首の付け根がガチガチに硬くなりやすい。

・肩を回すとゴリゴリとした違和感がある。

夜間や朝方に痛みが強くなることがある

・血流が悪くなると、痛みやしびれが増すことがある。

寝起きに肩甲骨の内側がズキズキする場合、胸郭出口症候群の可能性が高い。

4.頚椎ヘルニア

首の骨(頚椎)に異常があると、神経が圧迫され、右肩甲骨周辺に痛みや違和感が放散することがあります。

特に、頚椎ヘルニアやストレートネックなどの問題があると、首から肩、背中、腕にかけて神経症状が出やすくなります。

首は7つの頚椎(C1~C7)で構成されており、その間から脊髄神経が枝分かれして腕や背中に伸びています。頚椎に異常が生じると、神経が圧迫されたり炎症を起こしたりして、右肩甲骨周辺に痛みが広がることがあります。

✅ 特徴的な症状

首を動かすと痛みが強くなる

上を向く、下を向く、左右に振り向くと痛みが悪化することが多い。

・特に、右に首を倒したときに痛みが強くなる場合、神経の圧迫が関係している可能性が高い。

右肩甲骨から腕、指先にしびれを感じることがある

C5~C7の神経圧迫が起こると、肩甲骨の内側から腕、指先にかけてしびれや違和感が出ることがある。

・「ジンジンする」「ピリピリする」といった感覚異常が出ることもある。

枕の高さによって痛みが変わる

高すぎる枕や低すぎる枕を使うと、頚椎が不自然な角度になり、神経圧迫が悪化することがある。

朝起きたときに肩甲骨周辺の痛みが強い場合、枕の影響を疑うべき。

肩や背中がガチガチに硬くなる

・頚椎の異常によって筋肉が過度に緊張し、肩や背中が常に張っている状態になる。

・肩こりや首こりだけでなく、背中全体が重だるい感じがすることもある。

めまいや吐き気、頭痛を伴うことがある

・頚椎のズレやストレートネックが進行すると、血流が悪化し、めまいや吐き気、頭痛が起こることがある。

・特に後頭部の痛みや頭の重さを感じる場合、頚椎の問題が関係している可能性が高い。

 

5.肋間神経痛

肋間神経痛とは、肋骨の間を通る肋間神経が圧迫されたり、炎症を起こしたりすることで発生する痛みのことを指します。

肋間神経は脊髄から伸びて肋骨に沿って走行しており、何らかの原因で刺激を受けると、鋭く刺すような痛みやピリピリとした神経痛が発生します。

特に右肩甲骨周辺から脇腹にかけて痛みが広がるケースが多く、突然の発症や痛みの増減が特徴です。軽度であれば自然に回復することもありますが、症状が長引く場合は適切な対処が必要です。

✅ 特徴的な症状

右肩甲骨から脇腹にかけての鋭い痛み

・片側(右側 or 左側)のみに痛みが出ることが多い

・「電気が走るような痛み」「ピリピリする感じ」

体をひねると痛みが強くなる

・くしゃみや咳をした際に「ズキッ」と響くような痛み

・深呼吸をすると痛みが増す

肋骨に沿った痛み

・肋間神経が通るラインに沿って痛みを感じる

・押すと痛みが強くなるポイントがある

 

6. 内臓の不調(肝臓・胆のう・胃の問題)

右肩甲骨周辺の痛みは、内臓のトラブルが原因となることもあります。

特に、肝臓・胆のう・胃の問題がある場合、肩甲骨周辺に関連痛(内臓が原因で別の場所に痛みが出る)が生じることがあります。

特徴的な症状

胆のうの問題(胆石・胆のう炎)

→ 右肩甲骨周辺に鋭い痛みが出ることがある

→ 脂っこい食事をすると痛みが強くなる

肝臓の問題(肝炎・脂肪肝)

→ 右肩の奥に鈍い痛みを感じる

→ 疲労感が強い

7.まとめ

右肩甲骨に突然痛みが生じる原因は、筋肉や神経、関節や頚椎の問題から、内臓疾患に至るまで非常に幅広いです。

筋肉の緊張やこりが最も一般的な原因であり、デスクワークや姿勢の悪さが痛みを引き起こすことが多いですが、肩関節周囲炎(五十肩)や胸郭出口症候群など、肩や肩甲骨周りの炎症や神経の圧迫が関係することもあります。

また、頸椎のヘルニアによる神経圧迫や、さらに深刻な場合は内臓疾患によって痛みが放散することもあります。

右肩甲骨に痛みが生じた際には、まずは日常生活での姿勢改善やストレッチを試みることが大切です。

痛みが続いたり、強い痛みがある場合は、早期に適切な施術を行うことが重要です。まずは痛みの原因を知ることが大切です。

 

 

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参考文献
日本整形外科学会

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