ストレートネックの影響で顎関節症になる?首と姿勢・顎関節の関係性について解説

2024年10月5日

まつお鍼灸整骨院では、ストレートネックでお悩みの方々へ向けて、役立つ情報を提供しています。患者さんからよくいただく質問や疑問に対する回答を、私自身が勉強してきたことや、実際の施術経験に基づいて、記事にまとめています。

今回はストレートネックと顎関節の関係について解説していきます。

パソコンやスマートフォンの長時間使用による姿勢の乱れが原因で首の自然なカーブが失われる「ストレートネック」になっている人が増えていて、肩こりや頭痛などを引き起こす原因となっています。

ですが、肩こりや頭痛だけでなくてストレートネックが「顎関節症」の原因となる可能性があることをご存知でしょうか?

この記事では、ストレートネックが顎関節症に与える影響や、その関係性について詳しく解説していきます。

 

ストレートネックとは?

ストレートネックとは、正常な頚椎のカーブが消失し、首がまっすぐな状態のことを言います。頚椎は通常、前弯していることで頭の重さを分散し、姿勢のバランスを保っています。

ですが、長時間の不良姿勢やデスクワーク、スマートフォンの過度な使用により、首が前に突き出る姿勢が続くと、頚椎のカーブが崩れ、ストレートネックの状態になります。

ストレートネックは、首や肩の筋肉に大きな負担をかけ、血流や神経の流れを悪化させるため、肩こりや頭痛、さらには腕や手の痺れなどの症状を引き起こすことがあります。

 

顎関節症とは?

顎関節症は、顎の関節や筋肉に痛みや不調が生じる状態のことを言います。

具体的には、口を開け閉めする際の顎の痛みカクカクという音、あるいは口が開けにくいといった症状が現れることが多いです。

主な原因としては、ストレスや歯ぎしり、食いしばり、不良な歯並び、姿勢の乱れなどが挙げられます。

顎関節は、首や肩の筋肉とも密接に関わっているため、首の姿勢や緊張状態が顎関節に影響を与えることがあります。

ストレートネックと顎関節症がどのように関係しているのか、次に詳しく見ていきましょう。

ストレートネックと顎関節症の関係

首と顎は繋がっている

首と顎は解剖学的に密接に繋がっています。顎関節は耳のすぐ前に位置し、その周りには多くの筋肉や靭帯が存在します。

これらの筋肉は、頚椎とも連動しており、首の状態が顎関節に影響を及ぼします。

ストレートネックになると、頚椎の自然なカーブが失われ、首周りの筋肉が緊張します。

これが結果的に、顎関節に痛みや不調を引き起こし、顎関節症の発症リスクを高めるのです。

 

姿勢が顎関節に与える影響

ストレートネックは、頭が前に突き出た姿勢(前頭位)を引き起こします。この姿勢は、顎に大きな負荷をかける原因となります。

特に、下顎が後ろに押されるような形になるため、顎関節が適切に動かなくなり、これが長期化すると顎関節症が発症することがあります。

また、ストレートネックによって首の筋肉が緊張すると、血流やリンパの流れも悪くなり、顎関節周りの筋肉も緊張することで顎関節の炎症や痛みを引き起こす要因となります。

 

呼吸の影響も顎に関与

ストレートネックによって姿勢が崩れると、呼吸の質も低下します。特に、胸郭が圧迫されて浅い呼吸になりやすく、結果的に顎周りの筋肉が過度に緊張します。

顎の筋肉が硬直することで、歯ぎしりや食いしばりといった無意識の顎関節に対するストレスが増え、顎関節症が悪化することもあります。

 

顎関節症に関係する筋肉について

顎関節症に関係する筋肉は、主に咀嚼筋と呼ばれる顎を動かすための筋肉です。これらの筋肉に緊張や異常があると、顎関節に影響を及ぼし、顎関節症の症状(痛み、口の開閉の制限、顎のカクカク音など)を引き起こすことがあります。

顎関節症に関連する主な筋肉は以下の筋肉があります。

1. 側頭筋(そくとうきん)

頭部の側面に位置し、顎を引き上げる働きをしています。側頭筋が緊張すると、頭痛やこめかみ付近の痛みを引き起こすことがあります。

2. 咬筋(こうきん)

頬骨の下に位置し、顎を上下に動かして噛む役割を担います。咬筋の緊張が強いと、噛み合わせの問題や顎の痛みが生じることがあります。

3. 外側翼突筋(がいそくよくとつきん)

顎を前方に動かす筋肉で、顎関節の関節円板を動かす重要な役割があります。この筋肉が過剰に働くと、顎の関節に負担がかかり、関節円板の位置がずれて顎関節症を悪化させることがあります。

4. 内側翼突筋(ないそくよくとつきん)

外側翼突筋とともに顎を動かす筋肉です。この筋肉が緊張すると、下顎を側方に動かす際に痛みが生じやすくなります。

これらの筋肉がストレスや姿勢の悪さ、噛み締めなどで緊張すると、顎関節に影響を与え、顎関節症を引き起こす要因となります。

まとめ

ストレートネックと顎関節症は、首と顎の筋肉や姿勢の関連性から密接な関係があります。ストレートネックが原因で顎関節に負担がかかり、顎関節症を引き起こすことがあるため、早めの対策が必要です。

正しい姿勢を意識し、首や肩の負担を減らすことで顎関節の予防にもつながります。

ストレートネックや顎関節症でお悩みの方はお気軽にご相談くださいね。

 

投稿者:松尾洋信

資格:柔道整復師 鍼灸師 カイロプラクター

経歴:明治東洋医学院専門学校 行岡整復専門学校

茨木市出身。施術家歴25年。学生時代はずっと野球をやっていました。大学卒業後に治療家を目指し専門学校へ入学、柔道整復師・鍼灸師の国家資格を取得。

その後、整骨院や鍼灸院・整形外科・社会人野球のトレーナー活動などを経て2010年に開業。その後、多くのセミナーに参加してレントゲンに基づいた独自の骨格矯正で首の痛みや頭痛・ストレートネック・頚椎ヘルニアなどの施術を専門としています。

身体のことでお悩みのことがありましたらお気軽にご相談ください。

 

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参考文献