腰椎ヘルニアで足がむくむ?ヘルニアが引き起こすむくみの原因と対策

2025年05月17日

茨木市のまつお鍼灸整骨院では、腰のヘルニアでお悩みの方々へ向けて、役立つ情報を提供しています。患者さんからよくいただく質問や疑問に対する回答を、私自身が勉強してきたことや、実際の施術経験に基づいて、記事にまとめています。

今回は腰椎ヘルニアと足のむくみの関係について解説していきます。

腰椎ヘルニアと足のむくみの関係とは?

腰椎椎間板ヘルニアと聞くと、「腰の痛み」や「足のしびれ」を思い浮かべる人が多いですが、実は「足のむくみ」も症状のひとつとして現れることがあります。

「なぜ腰のヘルニアなのに足がむくむの?」と疑問に思う方もいるかもしれませんが、これは 神経の圧迫や血流の低下、筋力低下 などが関係しています。特に、足の血液やリンパ液の流れが悪くなることで、むくみが生じやすくなります。

こんな症状がある場合は要注意!

✅足がパンパンに腫れたように感じる

✅靴下の跡がくっきりと残る

✅足の冷えやしびれを感じる

✅朝より夕方のほうがむくみがひどい

これらの症状が続く場合、ヘルニアによる影響が考えられるため、適切な対処が必要です。この記事では、 腰椎ヘルニアによる足のむくみの原因や改善策 について詳しく解説していきます。

腰椎ヘルニアとは?

腰椎椎間板ヘルニアとは、 腰の骨と骨の間にある椎間板が突出し、飛び出してしまう状態のことを指します。飛び出した椎間板が近くの神経を圧迫することで、 腰の痛み・足のしびれ・筋力低下などの症状が現れます。

特に 長時間のデスクワークや姿勢の悪さ、重いものを持つ作業 などが原因となりやすく、 20代~50代の働き盛り世代 に多い疾患です。

腰椎椎間板ヘルニアの原因

腰椎椎間板ヘルニアは、以下のような要因によって発症しやすくなります。

✅加齢による椎間板の変性
– 椎間板は水分を含んでクッションの役割を果たしていますが、 加齢とともに水分が減少し、弾力を失う ことでヒビが入りやすくなる。

✅姿勢の悪さ・長時間の同じ姿勢
– 猫背や反り腰など 腰に負担のかかる姿勢 を続けると、椎間板に圧力がかかり変性が進行しやすくなる。

✅急激な負荷(重い物を持つ・スポーツ)
– 重い荷物を持ち上げる動作や 急な運動 によって、椎間板に強い圧力がかかり、飛び出しやすくなる。

✅肥満・筋力低下
– 体重が増えると 腰椎にかかる負担が増加 し、ヘルニアを発症するリスクが高まる。
– 運動不足で 腰回りの筋肉が弱いと、姿勢を支えられず 椎間板に負担がかかる。

腰椎椎間板ヘルニアの主な症状

✔腰痛(急性・慢性)

✔お尻から足にかけてのしびれや痛み(坐骨神経痛)

✔足の筋力低下・感覚異常

✔長時間立っていると痛みが増す

✔歩行困難(重症化すると足が動かしにくくなる)

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足のむくみとは?

「むくみ」とは、 皮膚の下に余分な水分が溜まった状態 のことを指します。通常、血液やリンパ液の流れによって 不要な水分や老廃物は体外へ排出されますが、流れが滞ると足に水分が溜まり、むくみとなる のです。

特にふくらはぎや足首がむくみやすい のは、 重力の影響で水分が下半身に溜まりやすいため です。

足のむくみの主な原因

✅血流やリンパの滞り
– 長時間の座り姿勢や立ちっぱなしが続くと、血液やリンパの流れが悪くなり、水分が足に溜まる。

✅運動不足による筋力低下
– ふくらはぎは「第二の心臓」とも呼ばれ、筋肉がポンプのように働いて血液を心臓に戻している。
– 筋力が低下すると血流が悪くなり、むくみが発生しやすくなる。

✅塩分の摂りすぎ
– 塩分を多く摂ると、体内の水分量が増え、むくみが起こりやすくなる。

✅冷えによる血流低下
– 冷えによって 血管が収縮し、血液循環が悪化 すると、余分な水分が排出されにくくなる。

✅病気が原因のむくみ
– 腎臓・心臓の疾患、深部静脈血栓症 などが原因でむくみが起こることもある。

足のむくみの主な症状

✔足がパンパンに張って重く感じる

✔靴下の跡がくっきり残る

✔足首やすねを押すと、指の跡がなかなか戻らない(圧痕が残る)

✔夕方になると特にむくみがひどくなる

通常のむくみは一時的なものですが、長期間続く場合や、痛み・しびれを伴う場合は注意が必要です。

腰椎ヘルニアが足のむくみを引き起こす3つの原因

腰椎椎間板ヘルニアによる足のむくみは、大きく分けて 「神経の圧迫」「筋力低下」「長時間の同じ姿勢」 の3つが主な原因と考えられます。それぞれのメカニズムを詳しく見ていきましょう。

✅神経の圧迫による血流・リンパの滞り

腰椎ヘルニアでは、飛び出した椎間板が 坐骨神経を圧迫 することがあります。この神経の圧迫により、足の血流やリンパの流れが悪くなり、むくみが発生します。

特に、坐骨神経は足の血流を調整する役割 を持っているため、この神経が圧迫されると血液の循環が滞りやすくなります。その結果、血液やリンパ液が足に溜まり、むくみが生じるのです。

神経圧迫によるむくみの特徴
・むくみと同時に 足のしびれや冷えを感じる

・片足だけむくみがひどい ことが多い

・長時間座っていると むくみが強くなる

✅筋力低下によるポンプ作用の低下

腰椎ヘルニアの影響で 痛みが強くなると、運動量が減少 します。運動不足になると、 ふくらはぎの筋力が低下 し、血液を心臓に戻すポンプ作用が弱まってしまいます。

ふくらはぎは 「第二の心臓」 とも呼ばれ、歩くたびに筋肉がポンプのように動き、血液やリンパ液を上半身へ押し上げる役割を果たします。しかし、腰の痛みで歩行が減ったり、長時間座りっぱなしの生活が続くと、このポンプ作用が働かず、 足のむくみが発生しやすくなる のです。

筋力低下によるむくみの特徴

・立ち上がると足がだるく、重く感じる

・運動をするとむくみが軽減する

・足首やふくらはぎを押すと、跡がなかなか戻らない

✅長時間の同じ姿勢による血流悪化

デスクワークや長時間の座位・立位が続くと、 血流が滞り、足に余分な水分が溜まりやすく なります。特に、 猫背や反り腰の姿勢が習慣化すると、腰に負担がかかり、ヘルニアの症状を悪化させる 可能性があります。

また、座ったままの姿勢が長時間続くと、太もも裏の血管が圧迫されてしまい、 血流がスムーズに流れなくなる ことでむくみが発生します。

長時間同じ姿勢によるむくみの特徴

・夕方になると足がパンパンにむくむ

・デスクワーク後に靴がきつく感じる

・足を動かすとむくみが軽減する

ヘルニアによる足のむくみを改善する方法

腰椎椎間板ヘルニアによる足のむくみを改善するためには、 血流やリンパの流れを促進し、神経の圧迫を軽減すること が重要です。ここでは、日常生活で実践できる効果的な改善方法を紹介します。

✅適度な運動とストレッチで血流を改善

腰椎ヘルニアの痛みがあると、どうしても動くのが億劫になりますが、 適度な運動を取り入れることで血流やリンパの流れが改善 し、むくみの軽減につながります。

おすすめの運動・ストレッチ

①かかと上げ運動(カーフレイズ)
・立った状態でゆっくりかかとを上げ、3秒キープした後、ゆっくり下ろす
・10回×2セットを目安に行う
・座った状態でもできるので、デスクワーク中にもおすすめ

②足首回し
・椅子に座り、片足を浮かせて足首をゆっくり回す(左右10回ずつ)
・ふくらはぎの血流が促進され、むくみ解消に効果的

③太もも裏のストレッチ(ハムストリングスストレッチ)
・椅子に座り、片足を前に伸ばし、つま先を上に向ける
・上半身を軽く前に倒しながら、太もも裏の伸びを感じる(30秒キープ)
・左右交互に2〜3回繰り返す

ポイント
✅無理のない範囲で行う
✅デスクワーク中や就寝前に取り入れると効果的
✅ふくらはぎを動かすことで「第二の心臓」の働きを活性化
✅リンパマッサージで流れを促進

むくみの原因である リンパの滞りを解消するには、ゆっくり行うことが効果的です。ただし、 強く押しすぎると逆効果になるため注意しましょう。

簡単にできるリンパマッサージの方法

①足首から膝に向かってさする
・手のひらを使って、足首→ふくらはぎ→膝の順にゆっくり撫でる
・3分程度、やさしい圧で行う

②膝裏のリンパを流す
・両手の指で膝裏をやさしく押し、円を描くようにマッサージ(10回程度)
・膝裏にはリンパ節が集まっており、滞りを解消するのに効果的

③太ももをさすり上げる
・膝から太ももの付け根(鼠径部)に向かって手のひらで流すようにマッサージ
・老廃物の排出を促し、むくみの改善につながる

ポイント
✅入浴後のリラックスした状態で行うと効果UP
✅1日5分程度の継続が大切
✅姿勢を意識し、こまめに体を動かす

腰椎ヘルニアによる足のむくみを防ぐためには、 正しい姿勢を意識し、長時間同じ姿勢を続けないこと が大切です。

デスクワークや長時間の座位が多い方への対策

✅1時間に1回は立ち上がって軽いストレッチをする
✅座るときは足を組まない(骨盤の歪みを防ぐ)
✅椅子の高さを調整し、膝が90度になるように座る
✅クッションや座布団を使い、腰への負担を軽減する

立ち仕事の方は…
✅適度に足を動かし、血流を促進する
✅足を交互に動かしながら体重をかけることで血流を良くする
✅足のむくみが気になる場合は着圧ソックスを活用するのもおすすめ

足のむくみが続く場合は医療機関で検査を

ヘルニアによるむくみは 一時的なものが多い ですが、以下のような症状がある場合は、 他の病気の可能性も考えられるため、早めの受診をおすすめ します。

✅足のむくみが左右非対称である(片足だけ極端にむくむ)

✅むくみに加えて強い痛みやしびれがある

✅数日経ってもむくみが改善しない

✅動悸や息切れを感じる(心臓や腎臓の疾患の可能性)

むくみが心臓や腎臓の病気などに関連していることもあります。特に、 片足だけ異常にむくむ場合や、押すと強く痛みを感じる場合は、注意が必要です。

 

 

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参考文献
日本整形外科学会

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