五十肩はこの筋肉を狙え!!五十肩を改善するためにアプローチする筋肉について解説!!
2024年04月27日
まつお鍼灸整骨院では、五十肩でお悩みの方々へ向けて、役立つ情報を提供しています。患者さんからよくいただく質問や疑問に対する回答を、私自身が勉強してきたことや、実際の施術経験に基づいて、記事にまとめています。
五十肩は、肩関節の可動域が減少し、痛みやこわばり夜間痛が生じる症状です。原因は明確ではありませんが、加齢や肩の使い過ぎ、姿勢の悪さなどが関係していると考えられています。
肩関節は、筋肉と靭帯に依存している関節で上腕骨を囲むように筋肉と靭帯が組み合わさり、その安定性を保っています。
ですので五十肩の施術ではまず筋肉へのアプローチが必要不可欠になってきます。
ではどこの筋肉へアプローチしていけばよいのか解説していきます。
棘下筋
棘下筋は、肩甲骨から上腕骨につながる筋肉で、肩関節の外旋や水平伸展の動きを担っています。この筋肉は、肩の関節を安定させる腱板の一部でもあります。
✅棘下筋が疲労や炎症で硬くなり、トリガーポイントができると、肩の前面や側面に痛みが放散することがあります。
✅棘下筋が損傷を受けると、肩関節の安定性が低下し、炎症を引き起こすことがあります。
✅棘下筋が緊張して硬くなると、肩関節の可動域が制限され、肩の上げ下げや回す動きが困難になることがあります 。
棘下筋は五十肩の痛みや可動域の低下に大きく関係している筋肉です。そのため、五十肩の改善に棘下筋のアプローチは効果的とされています 。
ただし、棘下筋の施術やストレッチは、やり方や強度によっては逆効果になることもありますので、注意が必要です。痛みが強い場合や可動域が極端に制限されている場合は、無理に動かさないようにしましょう。
大胸筋
大胸筋は、胸骨から始まり、上腕骨に付くことで腕を上げたり、反対の腕を触るような動作に使われる筋肉です。この筋肉が硬くなると、肩関節の位置がずれて炎症や痛みを引き起こすことがあります。
五十肩では、大胸筋が関係する症状として、以下のようなものがあります。
✅肩の前面や側面に痛みが出る
✅腕を横に上げるのが困難になる
✅背中に手が回せなくなる
✅姿勢が悪くなり、巻き肩になる
大胸筋は五十肩の痛みや可動域の低下に影響を与える筋肉です。そのため、大胸筋へのアプローチは五十肩の改善に効果的とされています。
三角筋
三角筋は、肩を動かす際に最も強く機能する筋肉であり、腕を動かす多くの動作に関与しています。
✅三角筋は肩甲骨と上腕骨の位置を調整し、肩関節の安定性を保ちます。
✅三角筋の下の組織に炎症が起きることがあり、その結果、腕を上げる際に三角筋の辺りに痛みが生じることがあります。
✅猫背などの姿勢の崩れによって、三角筋が硬くなり、滑液包(筋肉の滑りを良くする役割を持つ組織)に炎症が起こることもあります。
小胸筋
小胸筋は、胸の前にある筋肉で、肋骨の3〜5番から肩甲骨の烏口突起につながっています。
この筋肉は肩甲骨の前傾や下方回旋、外転などの動作に関係します。肩甲骨の安定性を維持します。
✅小胸筋の下の組織に炎症が起きることがあり、その結果、腕を上げる際に小胸筋周辺に痛みが生じることがあります。
✅デスクワークなどで腕を前に狭めた状態で長時間過ごすと、小胸筋が硬くなり、肩甲骨動きが崩れて痛みが生じることがあります。
✅小胸筋の付着部は烏口突起を超えて関節包にも付くことが報告されており、肩関節運動の制限にも影響を及ぼすことがあります。
前鋸筋
前鋸筋は、肩甲骨と鎖骨の間をつなぐ筋肉で、肩甲骨の動きに欠かせない役割を果たしています。具体的には、以下のような作用があります
上部線維: 肩甲骨の上端を胸郭(体幹)に固定し、中部線維と下部線維が働く際に肩甲骨の回旋運動を補助します。
中部線維: 肩甲骨を外転させる作用があります。
下部線維: 肩甲骨を上方回旋させ、外転させる作用があります。
また、前鋸筋は呼吸時に肋骨の牽引を行ったり、肩甲挙筋や菱形筋と連動して肩甲骨を外転・上方回旋させることで、腕の挙上に付随して肩甲骨が回旋する連動現象(肩甲上腕リズム)の形成をサポートしています。
前鋸筋が硬くなると、肩甲骨が胸郭(体幹)に押しつけられ、肩甲骨に指が入らなくなることがあります。この硬直が肩甲骨の動きを制限し、五十肩の症状を悪化させる可能性があります。
前鋸筋を効果的に伸ばす肩甲骨ストレッチを行うことで、肩甲骨の動きを改善し、五十肩の予防や改善に役立ちます。
広背筋
広背筋は、腕から肩甲骨のすぐ外、そして腰を包む筋膜までと、とても広く大きな筋肉です。この筋肉は腕を内側にひねったり、後ろに引いたりといった様々な動きに関与しています。
✅広背筋が固くなることが多く、五十肩だけでなく、そうでなくても固くなっている人がいたり、腰痛の原因にもなったりすることがあります。
✅五十肩になることで、腕を挙げる際に強い痛みを伴うようになります。
✅広背筋は、腕を下げる動作や内側にひねる動作の際に最も強く働きます。
✅五十肩の痛みに対する防御反応として、広背筋が過剰に緊張することがあります。
五十肩の治療をしていく際、腕を挙げようとしてもそれを邪魔するのも広背筋だということになります。
まとめ
五十肩にならないためにも普段からいろいろな筋肉の柔軟性を高めつつ、筋力を落とさないように心がけていく必要があります。
肩関節は多くの筋肉で支えられているので五十肩の改善には筋肉へのアプローチがとても重要になってきます。