30代でも五十肩・肩関節周囲炎になるのか?猫背と肩の可動域の関係と予防方法について解説

2024年09月27日

まつお鍼灸整骨院では、五十肩に悩む方々へ向けて、役立つ情報を提供していきます。患者さんからよくいただく質問や疑問に対する回答を、私自身が勉強してきたことや、実際の治療経験に基づいて、記事にまとめています。

五十肩(肩関節周囲炎)は、一般的には40代後半から50代にかけて発症することが多い疾患です。

ですが、最近では30代でも五十肩を発症するケースが増えてきています。その原因の一つとして、「猫背」や「姿勢の悪さ」が挙げられます。

この記事では、30代で五十肩を発症する原因や猫背と肩の可動域の関係について詳しく解説します。

 

五十肩とは?

五十肩は、肩関節周辺の炎症や拘縮によって肩の動きが制限され、痛みを伴う状態です。特に肩を上げたり、後ろに回したりする動作が困難になるのが特徴です。

正式には「肩関節周囲炎」と呼ばれ、肩の関節や腱、筋肉に炎症が生じている状態を指します。

多くの方は40代から50代にかけて発症しやすく、肩の柔軟性の低下や筋肉の衰えが原因となることが多いですが、最近では30代でも発症するケースが増えてきています。

 

30代でも五十肩になる原因

30代で五十肩を発症する原因として、以下の要因が考えられます。

1. 姿勢の悪さ(猫背)

長時間のデスクワークやスマホの使用により、背中が丸まりやすくなり、猫背の姿勢が定着している人が増えています。猫背になると、肩甲骨の動きが制限され、肩周りの筋肉や関節に過剰な負担がかかるため、30代でも肩関節のトラブルが生じやすくなります。

2. 肩の柔軟性や筋力の低下

現代の生活習慣では、肩を大きく動かす機会が減少しています。その結果、肩の関節や筋肉が硬くなりやすく、若い世代でも肩の柔軟性や筋力が低下することが五十肩の原因となります。

3. ストレスや生活習慣

不規則な生活やストレスも、肩周りの筋肉に緊張を引き起こしやすいです。特にストレスによって肩をすくめるような姿勢が続くと、肩甲骨周りの可動域が狭くなり、肩関節に負担がかかります。

 

猫背が肩の可動域に与える影響

猫背の姿勢は、肩関節や肩甲骨に大きな影響を与えます。通常、肩甲骨は腕を上下左右に自由に動かすための土台となっていますが、猫背になるとこの土台がうまく機能しなくなり、肩の動きが制限されます。

肩甲骨の動きが制限される

猫背になると、肩甲骨が前方に引き出され、背中が丸まる状態になります。この状態では、肩甲骨が十分に回転や上下動できず、肩関節の動きが制限されます。そのため、腕を上げたり後ろに回したりする動作が難しくなります。

肩周りの筋肉が拘縮する

猫背によって肩が前方に引っ張られると、肩周りの筋肉も緊張しやすくなります。特に、僧帽筋や肩甲挙筋、大胸筋、棘下筋などの筋肉が硬直し、血流が悪くなり、肩の柔軟性が低下します。これが五十肩のリスクを高める要因となります。

猫背を改善して五十肩を予防する方法

猫背による肩の可動域の制限を防ぎ、五十肩を予防するためには、姿勢を改善してくことが重要です。ここでは、日常的に取り入れられる猫背改善のための予防方法を紹介します。

1. デスクワーク時の姿勢改善

デスクワークが長時間に及ぶと、自然と背中が丸くなりがちです。椅子に深く座り、腰をしっかりと背もたれに預けることで、自然な姿勢を保ちやすくなります。モニターの高さや位置も調整し、画面を見上げたり見下ろしたりしないように心がけましょう。

2. ストレッチやエクササイズ

猫背改善のためには、肩甲骨周りを柔らかくするストレッチやエクササイズが有効です。特に、肩甲骨を内側に寄せる運動や背中を伸ばすストレッチを日常的に行うことで、肩の可動域が広がります。たとえば、バンドを使った「肩甲骨エクササイズ」や「胸開きストレッチ」などが効果的です。

3. 正しい呼吸法を意識する

猫背の人は呼吸が浅くなりがちです。腹式呼吸を意識することで、体幹が安定し、姿勢が改善されやすくなります。腹式呼吸は、横隔膜をしっかり使うため、肩や首の緊張を和らげる効果もあります。

 

五十肩になると早目の段階で施術を行うことが大切

五十肩の施術では、猫背や肩の可動域の制限を改善するために、骨格や筋肉のバランスを整えていくことが重要です。特に、肩関節と同時に肩甲骨や胸椎の可動性を高めることで、肩関節の動きを改善し、五十肩の症状を回復させていきます。

1. 姿勢の矯正

猫背の根本的な原因となる骨盤や背骨の歪みを矯正することで、正しい姿勢を取り戻します。背骨や肩甲骨の動きを改善し、肩関節への負担を軽減します。

2. 肩甲骨周りの筋肉の緊張を緩和

肩甲骨周りの筋肉の緊張を和らげていきます。これにより、肩関節の可動域が広がり、肩の動きがスムーズになります。

3. 全身のバランスを整える

肩の痛みや可動域の制限は、肩自体の問題だけでなく、全身のバランスの乱れが影響していることがあります。肩関節だけでなく全身の骨格や筋肉のバランスを整え、五十肩の根本的な原因にアプローチします。

 

まとめ

30代でも五十肩になる可能性は誰でもありますが、その原因として「猫背」や姿勢の悪さが関与していることが多いです。

猫背が肩の可動域に影響を与え、肩関節の動きが制限されることで、肩周りに負担がかかりやすくなります。正しい姿勢や日常的なストレッチ、定期的な運動を取り入れることで、五十肩を予防することもできます。

普段から良い姿勢を心掛け、適度な運動を行うことで肩の柔軟性を保つようにしましょう。

 

投稿者:松尾洋信
資格:柔道整復師 鍼灸師 カイロプラクター
経歴:明治東洋医学院専門学校 行岡整復専門学校 茨木市出身。施術家歴25年。学生時代はずっと野球をやっていました。大学卒業後に治療家を目指し専門学校へ入学、柔道整復師・鍼灸師の国家資格を取得。
その後、整骨院や鍼灸院・整形外科・社会人野球のトレーナー活動などを経て2010年に開業。その後、多くのセミナーに参加してレントゲンに基づいた独自の骨格矯正で首の痛みや頭痛・ストレートネック・頚椎ヘルニアなどの施術を専門としています。
身体のことでお悩みのことがありましたらお気軽にご相談ください。

 

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参考文献