産後・育児中に多い“腱鞘炎”とは?手首の痛みを和らげるポイントについて

2025年12月7日

茨木市のまつお鍼灸整骨院では、産後の腱鞘炎でお悩みの方へ向けて、役立つ情報を提供しています。患者さんからよくいただく質問や疑問に対する回答を、私自身が勉強してきたことや、実際の施術経験に基づいて、記事にまとめています。

産後・育児中に多い“腱鞘炎”とは?手首の痛みを和らげるポイント

「赤ちゃんを抱っこするたびに手首がズキッと痛む…」

「哺乳瓶を持つのもつらい…」

このような症状で悩むママは非常に多く、実はそれが“腱鞘炎”によるものかもしれません。

産後・育児期の腱鞘炎は、出産後のホルモン変化と育児動作による“使いすぎ”が重なって起こる代表的なトラブルです。放置すると、家事や育児に支障をきたすだけでなく、慢性化して回復まで長期化することもあります。

この記事では、腱鞘炎がなぜ産後・育児中に起こりやすいのか、その原因と対処法、そして日常でできる痛みを和らげるコツを詳しく解説します。

なぜ産後・育児中に腱鞘炎が起こりやすいのか?

1. ホルモンバランスの変化

妊娠・出産を経て女性ホルモン「エストロゲン」が急激に減少します。この変化により、腱や靭帯の柔軟性が低下し、関節が炎症を起こしやすい状態になります。特に授乳期はホルモンバランスが安定しにくく、腱鞘炎を発症しやすいタイミングです。

2. 抱っこや授乳での“手首の使いすぎ”

新生児期の赤ちゃんは1日中抱っこや授乳が必要です。片手で頭を支えながら、もう一方で体を支えるという姿勢は、手首の親指側に強い負担をかけます。 この状態が続くと、親指を動かす腱(長母指外転筋・短母指伸筋)が擦れて炎症を起こし、「ドケルバン病」と呼ばれる腱鞘炎に発展します。

3. 抱っこの“クセ”による負担の偏り

多くのママが無意識のうちに“利き腕側”で赤ちゃんを抱っこします。この偏った動作の繰り返しが、左右の筋肉バランスを崩し、片方の手首ばかりに負担を集中させる結果になります。

4. 睡眠不足・ストレスによる回復力の低下

産後はまとまった睡眠が取れず、疲労が蓄積しやすい時期です。血流や代謝が低下することで炎症が治まりにくくなり、軽度の腱鞘炎でもなかなか治らないという悪循環に陥ります。

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腱鞘炎の代表的な症状

産後に発症する腱鞘炎の多くは「ドケルバン病」と呼ばれ、以下のような特徴があります。

  • 親指側の手首がズキズキ痛む
  • ペットボトルのフタを開ける、ドアノブを回す動作で痛い
  • 親指を動かすと「カクッ」と引っかかる
  • 腫れや熱感がある
  • 手首を曲げると痛みが強くなる

これらの症状は、手首の腱と腱鞘の間に炎症が起き、摩擦が生じているサインです。初期の段階で正しい対処をすれば数週間で改善するケースもありますが、無理を続けると慢性化しやすくなります。

やってはいけないNGケア

1. 痛む部分をマッサージする

炎症のある部位を揉むと、血流が過剰になり腫れや痛みが悪化します。 「コリだと思って押したら悪化した」というケースが多く、腱鞘炎の急性期には絶対に避けるべき行為です。

2. 無理して家事や抱っこを続ける

痛みを我慢して手を使い続けると、炎症が慢性化して治りにくくなります。特に授乳やおむつ替えの際は、手首に負担をかけない姿勢を意識することが重要です。

3. サポーターの長時間使用

固定しすぎると筋肉が硬くなり、血流が悪化します。サポーターは「痛みが強いときだけ」「日中のみ」など、時間を区切って使うことがポイントです。

手首の痛みを和らげる正しいケア方法

1. まずは安静と冷却を

痛みが出ているときは、まず患部を冷やすことが最優先です。 保冷剤をタオルに包み、1回15分を目安に1日数回当てましょう。 また、できるだけ手首を使わないようにし、抱っこの際は腕や肘で支える工夫を取り入れます。

2. サポーターやテーピングでサポート

育児中は完全に手首を使わないのは難しいため、サポーターを活用して動きを制限します。 ただし、固定しすぎると逆効果になるため、痛みの出やすい動作時のみ使用しましょう。

3. 抱っこの姿勢を見直す

手首だけで支えず、肘や体全体で赤ちゃんを抱える意識を持つことが大切です。 抱っこ紐を使う際は、肩や腰に均等に重さが分散するよう調整しましょう。 また、授乳時にはクッションを使用して、手首への負担を最小限に抑えます。

4. 温熱療法で血流を促す(痛みが落ち着いたら)

急性期を過ぎ、痛みが和らいできたら温めるケアが有効です。 手首を温めると、血行が促進され回復が早まります。 夜間に冷やさないよう注意しましょう。

5. 首・肩・背中の緊張を取る

手首の腱鞘炎は、実は首や肩のコリとも深く関係しています。 育児中は前かがみ姿勢が続くことで、肩甲骨まわりが硬くなり、腕全体の動きが悪くなります。 ストレッチや整体で上半身のバランスを整えると、手首の回復も早くなります。

日常でできる予防とセルフケア

  • 手首を曲げたまま抱っこしないよう意識する
  • 睡眠をできるだけ確保し、疲労を溜めない
  • 片手で抱っこせず、左右バランスよく使う

また、痛みが長引く場合は整形外科や整骨院での専門的な施術を受けましょう。 特に骨格や姿勢の歪みを整える施術は、再発予防にも効果的です。

まとめ

産後・育児中の腱鞘炎は多くの方に起こる痛みです。 ホルモンの影響に加え、抱っこや授乳での手首の酷使、睡眠不足などが重なって発症します。

痛みを感じたら我慢せず、冷却・安静を基本に、正しいケアを行うことが回復への第一歩です。 また、抱っこや姿勢の改善、全身のバランスを整えることで、再発を防ぐことも可能です。

「手首が痛くてつらい」そんなママこそ、早めの対応が大切です。 我慢せず早期の治療を行いましょう。

 

投稿者:松尾洋信

資格:柔道整復師 鍼灸師 カイロプラクター

経歴:明治東洋医学院専門学校 行岡整復専門学校

茨木市出身。施術家歴25年。学生時代はずっと野球をやっていました。大学卒業後に治療家を目指し専門学校へ入学、柔道整復師・鍼灸師の国家資格を取得。

その後、整骨院や鍼灸院・整形外科・社会人野球のトレーナー活動などを経て2010年に開業。その後、多くのセミナーに参加してレントゲンに基づいた独自の骨格矯正で首の痛みや頭痛・ストレートネック・頚椎ヘルニアなどの施術を専門としています。

身体のことでお悩みのことがありましたらお気軽にご相談ください。

 

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参考文献
日本整形外科学会

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