パソコン作業で手首が痛い…腱鞘炎は労災扱いになるの?

2025年05月31日

茨木市のまつお鍼灸整骨院では、仕事中の事故やケガでお悩みの方々へ向けて、役立つ情報を提供しています。患者さんからよくいただく質問や疑問に対する回答を、私自身が勉強してきたことや、実際の施術経験に基づいて、記事にまとめています。

「キーボードやマウス操作で手首が痛くなってきた…」

「整形外科で“腱鞘炎”と言われたけど、これって労災になるの?」

そんな疑問を抱えたまま、痛みを我慢して仕事を続けていませんか?

実は、パソコン業務による腱鞘炎も、労災として認められるケースがあります。

この記事では、腱鞘炎が労災になる条件、申請の流れ、整骨院での施術対応などを詳しく解説します。

腱鞘炎とは?

腱鞘炎は、筋肉と骨をつなぐ腱が通過する「腱鞘(けんしょう)」というトンネル状の組織で炎症が起こる疾患です。腱と腱鞘の間に摩擦が繰り返されることで、腱が腫れたり、腱鞘が厚くなって通り道が狭くなり、動かすたびに痛みや違和感が生じるようになります。

特に発症しやすい部位は手首や指で、以下のような動作が原因になります:

✔長時間のパソコン作業(キーボードのタイピングやマウスの使用)

✔スマートフォンの操作(親指の使いすぎ)

✔楽器の演奏や調理、介護などの反復動作を伴う仕事や作業

✔産後や更年期など、ホルモンバランスの変化によって腱や腱鞘が炎症を起こしやすくなることもあります

特に“手をよく使う人”に多く見られるため、「職業病」のように慢性化するケースもあります。

症状としては、手首の痛み・腫れ・動かすと引っかかる感覚・指の曲げ伸ばしのしづらさなどがあります。

パソコン作業による腱鞘炎は労災になる?

結論から言うと、パソコン作業や反復的な手作業による腱鞘炎は、条件を満たせば「業務災害」として労災認定される可能性があります。

労災と認められるための主な条件

以下の条件がそろっていると、労災認定の可能性が高くなります。

① 長時間・長期間にわたる反復動作があった

例:毎日8時間のパソコン入力やマウス操作

同じ動作を繰り返す作業(書類整理、レジ業務、製造ライン作業など)

作業負荷が明らかに高いと判断できる状況がある

② 業務内容と症状との間に因果関係がある

実際に行っている仕事内容と、発症部位や症状が一致していることが重要です。

たとえば、「キーボード入力中心の業務」で「手首や親指の腱鞘炎」を発症していれば、因果関係は強いとされます。

③ 医師(整形外科など)による診断がある

自覚症状だけではなく、専門医の診断書や意見書が必要です。

仕事との関連性についても、医師の所見があるとよいです。

④ 発症の時期やきっかけが明確である

「いつから、どんな動作で、どのように痛くなったか」を説明できることが大切です。

例:「〇月×日頃から入力中に右手首が痛くなり、その後悪化した」など、具体的な経緯が説明できること

腱鞘炎は「職業病リスト」にも明記されている

厚生労働省が定める「職業性疾病の一覧(いわゆる職業病リスト)」の中にも、反復運動による上肢障害として腱鞘炎が記載されています。

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労災申請の流れ

1. 会社に相談

→ 「業務中に手首が痛くなった」「腱鞘炎と診断された」などを伝える。

2. 労災申請書の準備

→ 会社から申請書もらう。初診の病院名・整骨院名を記載。

3. 労災対応の整骨院を受診

→ 書類を持参し、施術スタート。院によっては申請書類の記入サポートあり。

注意点:「健康保険との併用」はNG

腱鞘炎が業務による反復動作(パソコン作業・手作業など)で起きた可能性がある場合

最初に健康保険で医療機関を受診してしまうと、あとから「労災に切り替えたい」と思っても認められにくくなるケースがあります。

なぜなら、労災保険と健康保険は原則併用できず、同一の負傷に対しては“どちらか一方のみ”の使用が認められているためです。

そのため、腱鞘炎が仕事に起因しているかもと少しでも感じた時点で、「これは労災に該当するかもしれないので、労災で診てもらいたい」と最初に伝えることがとても大切です。

早期に申告すれば、整骨院でも必要な申請サポートや手続きを受けることができます。判断に迷う場合も、まずは労災取扱いの整骨院へ相談することをおすすめします。

腱鞘炎は労災扱いになるのか?まとめ

パソコン作業が原因で手首が痛くなった場合、それは、仕事によって蓄積された負担によるものかもしれません。

「仕事中に痛くなった」

「マウス操作が続くとズキズキする」

「湿布を貼っても良くならない」

このような症状がある場合は、早めに整骨院または整形外科で相談し、「労災」として施術を行うことも可能です。

わからないことがあればお気軽にご相談ください。

 

 

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参考文献
日本整形外科学会

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