交通事故のむち打ちの症状は人によって違うのか?3つのタイプ別に解説!!
2025年03月4日
まつお鍼灸整骨院では、むち打ちによる首の痛みでお悩みの方々へ向けて、役立つ情報を提供しています。患者さんからよくいただく質問や疑問に対する回答を、私自身が勉強してきたことや、実際の施術経験に基づいて、記事にまとめています。
交通事故などで首に強い衝撃を受けると発生する「むち打ち症」。一般的には首の痛みが代表的な症状とされていますが、実際には人によって症状の現れ方が異なります。
その違いは、損傷を受けた部位や影響を受ける神経・筋肉の状態によって決まります。本記事では、むち打ちの症状を3つのタイプに分けて詳しく解説し、それぞれの特徴や改善方法についてご紹介します。
1. 頚椎捻挫型(最も一般的なタイプ)
特徴
頚椎捻挫型は、むち打ち症(頚椎損傷)の中で最も多く見られるタイプです。交通事故やスポーツ外傷などで、首に急激な前後・左右の衝撃が加わることで発生します。この衝撃により、首の筋肉や靭帯が無理に伸ばされる、または部分的に損傷することで炎症が起こり、痛みや可動域の制限が生じます。
特に、頚椎の関節包や筋膜、軟部組織にダメージが及ぶことが多く、事故直後よりも数時間から翌日以降に痛みが強くなる傾向があります。
主な症状
頚椎捻挫型の症状は、首の痛みを中心にさまざまな部位に現れます。
✅首の痛みやこわばり
首周りの筋肉や靭帯の炎症により、強い痛みや張りを感じます。特に安静時よりも動かした際に痛みが悪化しやすいのが特徴です。
✅首を動かすと痛みが増す
前後・左右に首を動かす際に、痛みや違和感が強くなります。特に後ろを振り向く動作や上を向く動作で痛みが悪化しやすいです。
✅肩や背中の張り感・重だるさ
首の筋肉が過度に緊張することで、肩や背中の筋肉まで影響を受け、張りやコリが強くなることがあります。肩こりが慢性化するケースも少なくありません。
✅頭痛を伴うこともある
首の筋肉の緊張が続くと、後頭部から側頭部にかけて緊張型頭痛が発生することがあります。特に**首の付け根の筋肉(後頭下筋群)**が硬くなると、頭痛やめまいの原因になることもあります。
症状が長引く場合の影響
通常、頚椎捻挫型のむち打ちは適切な施術を受ければ数週間~数ヶ月で回復します。しかし、放置すると首の可動域が狭くなり、慢性的な痛みや肩こり、頭痛につながる可能性があります。
また、首周辺の神経に影響が及ぶと、手のしびれや倦怠感などの神経症状が現れることもあるため、早めの施術が重要です。
2. 神経根症状型(しびれを伴うタイプ)
特徴
神経根症状型は、むち打ち症の中でも神経への影響が強いタイプです。交通事故などの衝撃によって頚椎(首の骨)や椎間板が損傷し、神経根(脊髄から枝分かれする神経)が圧迫・刺激されることで発症します。
この影響により、首だけでなく肩や腕、手指にまで痛みやしびれが広がるのが特徴です。
神経の圧迫が強い場合、単なる痛みやしびれだけでなく、感覚の異常や筋力の低下といった症状が現れ、日常生活に支障をきたすこともあります。
特に、長時間放置すると慢性的なしびれや筋力低下が残る可能性があるため、早めの施術が重要です。
主な症状
神経根症状型のむち打ち症は、主に神経が圧迫される部位に応じて症状が異なることが特徴です。
✅首から肩、腕にかけてのしびれや痛み
頚椎の損傷により、神経が刺激されると痛みやしびれが首から腕にかけて広がることがあります。
特に腕の外側や手指の特定の部位に症状が出ることが多く、どの神経根が影響を受けているかによって症状の出る範囲が変わるのが特徴です。
✅手の感覚が鈍くなる(感覚異常)
神経の圧迫が進むと、手の感覚が鈍くなり、触れた感覚が分かりにくくなることがあります。例えば、「物を持ったときに違和感がある」「熱さや冷たさを感じにくい」といった症状が現れることもあります。
✅力が入りにくい(筋力低下)
神経の影響が強くなると、手や腕の筋力が低下し、力が入りにくくなることがあります。例えば、ペットボトルのキャップを開けづらい、バッグを持ち上げるのがつらいといった症状が出ることもあります。
✅細かい動作がしづらくなる
指先の細かい動きが難しくなり、ボタンをかける・字を書く・箸を使うといった動作がスムーズにできなくなることがあります。これは、神経の圧迫によって運動機能が低下することが原因です。
✅肩こりや首の違和感が続く
神経の圧迫により、首や肩周辺の筋肉が緊張し、慢性的な肩こりや首のこわばりが生じることがあります。特に、長時間同じ姿勢をとると症状が悪化しやすいのが特徴です。
症状が長引く場合の影響
神経根症状型は、症状が悪化すると腕や手の機能低下が進行し、日常生活にも支障が出る可能性があります。適切な施術を受けずに放置すると、しびれや筋力低下が慢性化し、完全に回復しにくくなることもあるため、早めの施術が重要です。
3. バレ・リュー型(自律神経の乱れを引き起こすタイプ)
特徴
バレ・リュー型のむち打ち症は、首の損傷が自律神経に影響を及ぼすことで発症するタイプです。頚椎の周囲には交感神経が集まっているため、交通事故などで首にダメージを受けると、自律神経のバランスが崩れやすくなります。
このため、首の痛みや肩こりだけでなく、めまい・耳鳴り・動悸・息苦しさ・疲労感など、多岐にわたる症状が出るのが特徴です。
また、このタイプはレントゲンやMRI検査では異常が見つかりにくいことが多く、「原因が分からないまま不調が続く」といったケースもあります。
そのため、適切な施術を受けずにいると、症状が長引き、慢性化する可能性が高くなります。
主な症状
バレ・リュー型の症状は、自律神経の乱れによって起こるため、全身に広がるのが特徴です。
✅めまい・耳鳴り
交感神経の影響で、血流が悪化すると耳や内耳の機能が低下し、ふらつき・回転性のめまい・耳鳴りといった症状が現れます。特に、天気が悪い日や疲れが溜まったときに悪化しやすいのが特徴です。
✅頭痛や吐き気
自律神経の乱れにより、血管の収縮や拡張が不安定になると頭痛が発生しやすくなります。また、自律神経が胃腸にも影響を及ぼすため、吐き気や胃の不快感を伴うこともあります。
✅疲労感や不眠
交感神経が過剰に働くと、常に身体が緊張状態になり、リラックスできなくなるため、疲れが取れにくく、睡眠の質が低下します。
その結果、慢性的な疲労感・倦怠感・日中の眠気に悩まされることが多くなります。
✅冷えやほてりなどの体温調整異常
自律神経は、体温を調整する働きも担っているため、バランスが崩れると冷えやほてりが起こりやすくなります。
例えば、「手足だけが冷たい」「顔だけがほてる」「気温に関係なく汗をかきやすい」といった症状が現れることがあります。
✅動悸や息苦しさ
交感神経の影響で、心拍数が増加しやすくなったり、呼吸が浅くなったりするため、「急にドキドキする」「胸が締め付けられる感じがする」「深く息を吸えない」といった症状が出ることがあります。
症状が長引く場合の影響
バレ・リュー型の症状は、一般的な検査では異常が見つかりにくいため、「原因不明の不調」として放置されやすい傾向があります。
しかし、適切な施術を受けないと、自律神経の乱れが慢性化し、症状がどんどん悪化する可能性があります。
特に、めまいや頭痛、不眠が続くと、日常生活に大きな支障をきたし、精神的な不安やうつ状態を引き起こすリスクもあるため、早めの対策が重要です。
まとめ
むち打ち症は一概に「首の痛み」とは言えず、人によってさまざまな症状が現れます。適切な施術を受けずに放置すると、慢性的な不調につながることもあります。
当院では、レントゲンを活用した正確な判断と施術を行い、それぞれのタイプに合わせた適切なケアを提供しています。
むち打ちの症状にお悩みの方は、ぜひ一度ご相談ください。
投稿者:松尾洋信
資格:柔道整復師 鍼灸師 カイロプラクター
経歴:明治東洋医学院専門学校 行岡整復専門学校
茨木市出身。施術家歴25年。学生時代はずっと野球をやっていました。大学卒業後に治療家を目指し専門学校へ入学、柔道整復師・鍼灸師の国家資格を取得。
その後、整骨院や鍼灸院・整形外科・社会人野球のトレーナー活動などを経て2010年に開業。その後、多くのセミナーに参加してレントゲンに基づいた独自の骨格矯正で首の痛みや頭痛・ストレートネック・頚椎ヘルニアなどの施術を専門としています。
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