腰椎すべり症の人は狭窄症になりやすい?すべり症の原因と症状・予防方法について解説
2024年09月18日
まつお鍼灸整骨院では、腰痛でお悩みの方々へ向けて、役立つ情報を提供しています。患者さんからよくいただく質問や疑問に対する回答を、私自身が勉強してきたことや、実際の施術経験に基づいて、記事にまとめています。
今回は腰椎すべり症と脊柱管狭窄症の関連性について詳しく解説し、その原因、症状、予防方法を詳しく見ていきます。
腰椎すべり症とは?
腰椎すべり症は、腰の骨が前方に滑り出す状態を指します。これは通常、脊椎が正常な位置からずれ、周囲の神経や組織に影響を与える状態のことを言います。
腰椎の解剖学的背景
腰椎は5つの椎骨から構成され、椎間板と呼ばれる柔らかい組織がそれぞれの椎骨の間に存在し、クッションの役割を果たしています。
椎骨同士は靭帯と筋肉で結ばれ、腰の安定性を保ちながら柔軟な動きを可能にしています。腰椎すべり症が発生すると、このバランスが崩れ、次第に痛みや神経症状が現れることがあります。
腰椎すべり症と脊柱管狭窄症の関係
腰椎すべり症が進行すると、脊柱管が狭くなりやすく、結果的に脊柱管狭窄症を引き起こす可能性があります。脊柱管狭窄症とは、脊髄や神経根が通る脊柱管が狭くなり、神経が圧迫される状態のことを言います。
すべり症による脊柱管の圧迫
腰椎すべり症によって、腰椎が前方へ移動することで、脊柱管内のスペースが減少し、神経が圧迫されることがあります。特に、年齢を重ねるにつれて椎間板が退化し、椎骨の変形や骨棘が形成されることで狭窄がおこります。
狭窄症が発症しやすい条件
加齢:加齢に伴う脊椎の変性が進むことで、すべり症が発生しやすくなり、狭窄症への移行が起こりやすくなります。
身体の構造的問題:すべり症により脊椎の安定性が失われると、周囲の組織が過度にストレスを受け、これが長期的になると脊柱管の狭窄を引き起こします。
腰椎すべり症の原因
腰椎すべり症は、複数の要因が絡み合って発生します。以下に、主な原因について説明します。
1. 加齢による椎間板の退行性変化
加齢とともに椎間板が劣化し、弾力を失うと、背骨が本来の安定性を保てなくなります。椎間板が薄くなることで椎骨同士の接触が増え、これがすべり症を引き起こす一因となります。
2. 外傷や過度な身体の使用
スポーツや労働などで腰に繰り返し負荷がかかると、椎骨や靭帯にダメージが蓄積されます。特に重量物の持ち運びや激しい身体の動きは、すべり症を発生させるリスクを高めます。
3. 遺伝的要因と体質
一部の人は、遺伝的に関節や靭帯が柔らかく、関節が不安定になりやすい傾向があります。このような体質を持つ人は、すべり症を発症しやすいケースがあります。
4. 姿勢の悪さや筋力の低下
猫背や前傾姿勢などの不良姿勢が長期間続くと、腰に過度のストレスがかかり、椎骨が前方に滑り出すことがあります。さらに、腹筋や背筋の弱さも腰椎の安定性を失わせる原因となります。
腰椎すべり症の症状
腰椎すべり症は、症状が軽度な場合は無症状であることもありますが、進行するにつれて次第に以下の症状が現れることがあります。
1. 腰痛
腰の鈍痛や重さが最も一般的な症状です。長時間の立位や歩行、体を反らす動作などで痛みが悪化することがあります。
2. 坐骨神経痛
すべり症による神経圧迫が進むと、腰から足にかけて痛みやしびれが広がる坐骨神経痛が発生することがあります。痛みは片側の脚にだけ感じる場合もあれば、両脚に及ぶこともあります。
3. 足のしびれ
神経が長期間圧迫されると、脚にしびれが生じ、歩行が困難になることがあります。これは、脊柱管狭窄症の併発が進行した際に見られることが多い症状です。
4. 姿勢の崩れ
背骨が前方に滑り出すことで、姿勢が悪化し、体全体のバランスが崩れることがあります。これにより、歩行時の不安定さや、腰が前に屈んだままの状態で生活することが増える可能性があります。
腰椎すべり症と狭窄症の予防方法
腰椎すべり症や脊柱管狭窄症を予防するためには、日々の習慣や姿勢を意識し、腰に負担をかけない生活を送ることが大切です。
1. 正しい姿勢を保つ
デスクワークや長時間の座位作業を行う際は、椅子に深く腰掛け、背骨が自然なカーブを描くように姿勢を整えましょう。パソコンの位置を目線の高さに合わせ、首や肩の緊張を防ぐことも重要です。
2. 筋力を鍛える
腰回りの筋肉を強化することは、腰椎の安定性を高め、すべり症や狭窄症の予防に効果的です。特に腹筋や背筋を鍛えるエクササイズを取り入れることで、背骨全体の安定性が向上します。
3. 重いものを持ち上げる際の注意
重い物を持ち上げる際には、背中を丸めずに膝を曲げて物を持つことを心がけましょう。また、腰に負担をかけない持ち方や姿勢を意識することで、腰椎にかかるストレスを軽減できます。
4. 体重管理
過度の体重は腰に大きな負担をかけ、すべり症や狭窄症のリスクを高めます。適切な体重を維持するためには、バランスの取れた食事や運動が重要です。
まとめ
腰椎すべり症は、加齢や外傷、姿勢の悪さが原因で発生し、放置すると脊柱管狭窄症を引き起こす可能性があります。腰椎すべり症を予防するためには、日常生活での姿勢や運動習慣なども見直す必要があります。
腰椎すべり症や脊柱管狭窄症であ悩みの方は一度ご相談くださいね。
投稿者:松尾洋信
資格:柔道整復師 鍼灸師 カイロプラクター
経歴:明治東洋医学院専門学校 行岡整復専門学校
茨木市出身。施術家歴25年。学生時代はずっと野球をやっていました。大学卒業後に治療家を目指し専門学校へ入学、柔道整復師・鍼灸師の国家資格を取得。
その後、整骨院や鍼灸院・整形外科・社会人野球のトレーナー活動などを経て2010年に開業。その後、多くのセミナーに参加してレントゲンに基づいた独自の骨格矯正で首の痛みや頭痛・ストレートネック・頚椎ヘルニアなどの施術を専門としています。
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