腰椎椎間板ヘルニアが4番と5番の間に多い理由について詳しく解説!!
2024年09月13日
まつお鍼灸整骨院では、腰痛ヘルニアでお悩みの方々へ向けて、役立つ情報を提供しています。患者さんからよくいただく質問や疑問に対する回答を、私自身が勉強してきたことや、実際の施術経験に基づいて、記事にまとめています。
今回は腰椎椎間板ヘルニアの好発部位について解説!!
腰椎椎間板ヘルニアは、腰痛や下肢の痛み、しびれなどの症状がでてくることが多いです。腰椎ヘルニアは特に腰椎の4番(L4)と5番(L5)の間で発生することが多いです。
なぜこの部位にヘルニアが集中するのか、腰椎の構造や負荷のかかり方を基に解説していきます。
腰椎の解剖学的構造
腰椎は5つの椎骨(L1~L5)から成り、椎骨同士の間には椎間板というクッションが存在します。椎間板は、衝撃を吸収し、体の動きに柔軟性を持たせる役割を担っています。
椎間板の中心にはゲル状の髄核があり、その周囲を丈夫な繊維輪が取り囲んでいます。年齢や長年の負荷、過度な動きなどが原因で、繊維輪に亀裂が入ると髄核が外に飛び出し、近くの神経を圧迫して痛みやしびれを引き起こすのです。
これがヘルニアと言われるものになります。ヘルニアとは『飛び出す』ということを意味します。
L4-L5に多い理由1: 動きの多さと負荷の集中
腰椎の4番と5番の間は、体を前後に曲げたり、ねじったりする際に非常に大きな負荷がかかる部位です。特に、腰をかがめる動作や重いものを持ち上げる時に、L4-L5間には大きな圧力が集中します。この頻繁な負荷が、椎間板の劣化を促進し、ヘルニアの発生リスクを高める一因となります。
また、腰椎全体の構造を考慮すると、上部の胸椎や下部の仙椎と比べて、L4-L5間は最も動きが多く、柔軟性が求められる部分です。そのため、ここにかかる負担が他の部位よりも大きくなるのです。
L4-L5に多い理由2: 骨盤の影響
腰椎の下部、特にL4とL5は骨盤に非常に近い位置にあります。骨盤は体重を支える重要な部分であり、立っている時や歩行中、さらには座っている時にも大きな負荷が腰椎にかかります。
この骨盤との近さが、腰椎の下部に対して常に高い圧力を与え、その結果、L4-L5間にヘルニアが多く発生する原因となるのです。
L4-L5に多い理由3: 年齢と劣化
椎間板は加齢とともに劣化していきます。特に30代以降になると、椎間板内の水分含有量が減少し、弾力性が低下します。これにより、椎間板はよりもろくなり、ちょっとした負荷でも損傷しやすくなります。
L4-L5のヘルニアによる主な症状
L4-L5間で発生する腰椎椎間板ヘルニアは、L5神経根が圧迫されることで、さまざまな症状を引き起こします。腰椎ヘルニアの症状について詳しく解説します。
腰痛
L4-L5椎間板ヘルニアでは、まず腰に痛みが現れることが多いです。椎間板が突出して神経に触れると、炎症が起き、鋭い痛みや鈍い痛みを引き起こします。
この痛みは、急性期には特に強く、体を前屈させたり、重いものを持ち上げたりすると増悪します。
多くの場合、じっとしていても痛みを感じることがありますが、体を動かすとさらに痛みが走ることが特徴的です。
また、痛みの種類もさまざまです。鋭い刺すような痛みや、鈍い圧迫感、断続的に感じるズキズキとした痛みなどが見られ、これが数週間から数ヶ月にわたって続くことがあります。
腰痛が激しいと日常生活に大きな支障をきたし、ベッドから起き上がれない、椅子に長時間座れないなどの制限がかかることもあります。
下肢の痛みとしびれ
L4-L5椎間板ヘルニアが進行すると、神経根が圧迫され、下肢に痛みやしびれが広がります。この症状は坐骨神経痛とも呼ばれ、腰からお尻、太もも、ふくらはぎ、そして足先にまで広がるのが特徴です。
しびれや痛みは、座っている時や立っている時、歩行中に増強しやすく、下肢全体が重く感じられたり、焼けつくような感覚が生じることもあります。
特にL5神経根が圧迫されると、以下の部位に症状が現れます:
・太ももの外側
・ふくらはぎの外側
・足の親指や足の甲の外側
しびれや痛みは一側性(片方の足だけ)に現れることが多いですが、場合によっては両側性に現れることもあります。
また、しびれが長時間続くと感覚鈍麻、つまり皮膚の感覚が弱くなり、触った時の感覚が鈍くなることがあります。
筋力低下
神経根が長時間圧迫されると、下肢の筋力低下が起こります。これは神経が正常に機能しなくなるためで、特に以下の筋肉に影響を与えます
・足首を持ち上げる筋力(背屈筋)
L5神経根が圧迫されると、足首を上に持ち上げる力が弱くなることがあります。これにより、足を引きずったり、歩行時に足をしっかり持ち上げられない「足ドロップ」という症状が現れることがあります。
これは、階段を登る時や段差のある場所を歩く際に特に問題となります。
・足指の筋力低下
足指の筋力が低下し、物を掴む動作や踏ん張りがきかなくなります。これが悪化すると、足指の動きが鈍くなり、歩行時のバランスが取りにくくなるため、転倒リスクが増します。
・ふくらはぎや太ももの筋力低下
足首や足指に加え、ふくらはぎや太ももの筋肉も影響を受けることがあります。これにより、特に片足立ちや階段の上り下りが難しくなることがあり、日常生活に大きな支障をきたします。
感覚障害
L4-L5ヘルニアでは、足や下肢の感覚にも異常が生じることがあります。これは、神経が圧迫されることで感覚の伝達がうまくいかなくなるためです。具体的には、以下のような感覚障害が発生します
・足や指先のしびれ: 特に親指や人差し指、足の甲の部分でしびれが強くなり、時間が経つにつれてピリピリとした不快感が強くなることがあります。
・皮膚の感覚鈍麻: 足や足先の感覚が鈍くなり、触れた時に通常感じる感覚が弱まります。時には、足全体が「麻痺したような」感じになることもあります。
この感覚障害が続くと、次第に足先の感覚がなくなってくる場合もあり、日常の歩行や運動能力に大きな影響を及ぼす可能性があります。
まとめ
腰椎椎間板ヘルニアは、特にL4-L5の間で多く発生します。これは、この部位が腰の動きや体重による負荷が集中しやすく、また年齢による椎間板の劣化が現れやすいからです。
ヘルニアの発生を予防するためには、日常生活での正しい姿勢や腰への負担を軽減する工夫が重要です。また、早期に適切な施術やケアを行うことで、症状の悪化を防ぎ、快適な生活を送ることが可能になります。
腰痛や下肢のしびれでお悩みの方はご相談くださいね。
投稿者:松尾洋信
資格:柔道整復師 鍼灸師 カイロプラクター
経歴:明治東洋医学院専門学校 行岡整復専門学校
茨木市出身。施術家歴25年。学生時代はずっと野球をやっていました。大学卒業後に治療家を目指し専門学校へ入学、柔道整復師・鍼灸師の国家資格を取得。
その後、整骨院や鍼灸院・整形外科・社会人野球のトレーナー活動などを経て2010年に開業。その後、多くのセミナーに参加してレントゲンに基づいた独自の骨格矯正で首の痛みや頭痛・ストレートネック・頚椎ヘルニアなどの施術を専門としています。
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