自律神経失調症と運動不足の意外な関係|首の歪みや血流との関係も解説!
2025年04月20日
まつお鍼灸整骨院では、自律神経の乱れでお悩みの方々へ向けて、役立つ情報を提供しています。患者さんからよくいただく質問や疑問に対する回答を、私自身が勉強してきたことや、実際の施術経験に基づいて、記事にまとめています。
自律神経と運動の関係について
「なんだか毎日だるい…」「ちゃんと寝ているはずなのに、朝から疲れている」
そんな不調を感じて病院に行ったのに、「検査では異常なし」「ストレスでしょう」と言われてしまった…。そんな経験をしたことはありませんか?
はっきりとした病名がつかない体の不調は、周囲から理解されにくく、本人だけがつらい思いを抱え込んでしまうことも多いです。
そしてその不調の背景には、実は“自律神経の乱れ”と“運動不足”が密接に関わっているケースもあるのです。
自律神経は、心拍・呼吸・血圧・消化・体温調節など、体を24時間休まずコントロールしています。
この自律神経が乱れると、睡眠の質が下がったり、体が休まらず、常に疲労感が抜けない状態になってしまうのです。
さらに、現代人に多い「運動不足」は、この自律神経のバランスをさらに崩す大きな原因の一つ。
筋肉を動かす機会が減ると血流が悪くなり、呼吸も浅くなり、体の回復力が落ちていきます。
そしてもう一つ見逃せないのが、「首のゆがみ」や「姿勢の乱れ」です。
とくにスマホ・パソコンを使う時間が長い方は、首・背骨への負担が大きく、自律神経の働きを妨げている可能性も。
この記事では、
✅️自律神経の基本的な働き
✅️運動不足が体に及ぼす影響
✅️姿勢や首のゆがみが関係する理由
について、専門的な視点からわかりやすく解説していきます。
「なかなか疲れが取れない」「体の不調が続いているけど、原因がわからない」という方は、ぜひ最後までお読みください。
自律神経とは?
自律神経とは、私たちが意識しなくても、常に体の状態をコントロールしてくれているのです。
呼吸、心拍、血圧、体温、消化、発汗、免疫、ホルモン分泌など、生命を維持するための機能はすべて自律神経が担っています。
この自律神経は、2つの種類に分けられます:
交感神経:日中や活動時に働く「アクセルの役割」。緊張・集中・ストレス対応時に優位になります。
副交感神経:夜間や休息時に働く「ブレーキの役割」。リラックス・睡眠・回復を担当します。
この2つの神経が、お互いにバランスよく切り替わることで、体も心も安定した状態を保っているのです。
しかし、ストレスや生活習慣の乱れ、姿勢の崩れ、首の緊張などによってこのバランスが崩れると、体はリカバリーする余裕を失い、「交感神経ばかりが働いている状態」が続くようになります。
すると、次のような“原因がはっきりしない体の不調”が現れてきます。
✅️めまい、ふらつき、頭痛
✅️息苦しさ、動悸、胸の圧迫感
✅️疲れているのに眠れない、夜中に何度も目が覚める
✅️倦怠感、だるさ、集中力の低下
✅️イライラする、不安感が強い、落ち込みやすい
このような症状がいくつも重なり、生活に支障が出てしまう状態が、いわゆる「自律神経失調症」と呼ばれるものです。
自律神経は目に見えない働きをしているため、医療機関でも異常が見つかりにくく、「異常なし」と言われてしまうことも多いですが、決して“気のせい”ではなく、体の中で実際に起きている反応なのです。
実は関係が深い!運動不足と自律神経の乱れ
「運動不足」と聞くと、体力が落ちる・太りやすくなるといったイメージを持つ方が多いかもしれません。
もちろんそれも正解ですが、実は見逃せないのが“自律神経のバランス”への悪影響です。
私たちの体は、動くことで全身の血液や酸素が巡り、内臓や脳の働きがスムーズになります。
ところが、運動量が少ないと、体の内側ではさまざまな不調の火種が積み重なっていくのです。
▼ 運動不足が引き起こす身体の変化と自律神経への影響
■ 血流が悪くなる
筋肉が動かないと、ポンプの役割を果たす筋肉の収縮が減り、全身の血流が滞ります。
とくに脳や内臓に必要な酸素や栄養が届きにくくなり、頭がボーッとする・だるい・集中力が続かないといった状態が起こりやすくなります。
■ 呼吸が浅くなる
運動不足で胸郭(肋骨まわりの柔軟性)が硬くなると、呼吸も浅くなります。
深くゆったりとした呼吸は本来、副交感神経(リラックス神経)を高めますが、呼吸が浅いままでは交感神経(緊張神経)が優位なままの状態が続きやすくなります。
■ 筋肉が硬くなりやすくなる
動かない時間が長くなると、筋肉は硬くこわばりやすくなります。
特に首・肩・背中まわりの筋肉が緊張すると、姿勢が崩れ、首の血流や神経伝達にも悪影響が出るため、自律神経のバランスがさらに乱れやすくなります。
■ 睡眠の質が下がる
日中に十分に体を動かしていないと、夜になっても体が“休息モード”に切り替わりにくくなります。
副交感神経がしっかり働かず、眠りが浅い・途中で目が覚める・朝すっきり起きられないといった不眠症状につながるケースも少なくありません。
このように、運動不足は自律神経の「緊張」と「休息」のバランスを崩す要因となり、慢性的な不調を引き起こす原因になってしまうのです。
日常的な軽い運動――たとえばウォーキングやストレッチ、呼吸を意識した体操などでも、自律神経のバランスを整えるにはとても効果的です。
特に注目すべきは「首」と「姿勢」
実は、自律神経の多くは背骨の中を通る脊髄神経の中を走っており、その出発点が「首(頚椎)」にあります。
つまり、首の状態が悪くなると、神経伝達のスムーズさが失われ、自律神経のバランスも乱れやすくなるのです。
▼ 運動不足で首に起きやすい問題とは?
現代人にとって当たり前になった「スマホやパソコン中心の生活」。これにより以下のような状態が起きやすくなっています
✅️長時間うつむいた姿勢で首の筋肉に過剰な負担がかかる
✅️同じ姿勢を保つことで血流が悪くなり、筋肉が硬くなる
✅️運動不足によって筋力が低下し、頭を支える力が弱くなる
その結果起こりやすいのが、**首の自然なカーブ(生理的前弯)が失われた「ストレートネック」**です。
この状態になると、自律神経の通り道である首の神経や血管が圧迫されやすくなり、神経の働きがスムーズに行えなくなってしまいます。
▼ ストレートネックによる自律神経症状の例
✔呼吸が浅くなり、息苦しさを感じる
✔頭部への血流が悪くなり、めまいや耳鳴りが出る
✔首肩まわりの緊張から慢性的な疲労感が抜けない
✔胸が圧迫されて不安感や動悸が強くなることも
これらはすべて、自律神経の乱れが関与しているケースが多く、原因が分からないまま悩んでいる方も少なくありません。
運動不足によるメンタル面への悪影響
さらに、自律神経の乱れは心のバランスにも影響を与えることがわかっています。
✔ちょっとしたことで不安になる
✔イライラが続き、人間関係にも影響が出る
✔気分が落ち込みやすくなる
これらはすべて、交感神経が過剰に働き、副交感神経(リラックス系)がうまく働いていないことが原因と考えられています。
▼ 軽い運動が副交感神経のスイッチを入れる
日中に**軽いリズム運動(ウォーキング・深呼吸・ストレッチ)**を取り入れることで、緊張状態からリラックス状態へと自然に切り替わりやすくなります。
とくに、深い呼吸を意識した運動や、背骨を動かすようなストレッチは、首や背中の緊張を和らげ、自律神経の安定につながる非常に有効な方法です。
自律神経を整えるために今日からできる5つのこと
1日10分の軽いウォーキング
→ 午前中の太陽を浴びながら歩くのが理想
呼吸を意識する時間を作る
→ 1日3回、深呼吸を意識するだけで自律神経が整いやすくなる
肩・首・背中のストレッチ
→ 筋肉をほぐし、神経の流れを良くする
湯船に浸かる習慣
→ 副交感神経を優位にしてリラックス状態を作る
首・背骨のゆがみをケアする
→ 自分で難しい場合は、信頼できる専門家に相談するのもおすすめ
まとめ|“動かない生活”が自律神経を乱す時代に
現代人の生活は、便利になった反面“動かないこと”が当たり前になりつつあります。
でもその代償として、自律神経の乱れや不調が増えているのもまた事実。
「最近、なんとなく体調が優れない」「気分が安定しない」という方は、一度、運動習慣や姿勢、呼吸、首の状態を見直してみてください。
「ちょっと体を動かすだけで、こんなにスッキリするんだ」と実感できるかもしれません。