膝を伸ばすと痛みが出るのはなぜ?考えられる原因について解説
2025年10月27日

茨木市のまつお鍼灸整骨院では、膝の痛みでお悩みの方へ向けて、役立つ情報を提供しています。患者さんからよくいただく質問や疑問に対する回答を、私自身が勉強してきたことや、実際の施術経験に基づいて、記事にまとめています。
「膝をまっすぐに伸ばした瞬間にズキッと痛む」
「階段を下りるときだけ違和感がある」
そんな経験はありませんか? 一見軽い痛みでも、実は膝の構造的なトラブルが始まっているサインかもしれません。
膝は大腿骨・脛骨・膝蓋骨の3つの骨と、半月板や靭帯、筋肉によって支えられています。少しのバランスの崩れでも、伸ばす・曲げるといった動作に痛みを生じやすいのです。
この記事では、膝を伸ばすと痛みが出る原因を詳しく解説し、放置するリスクや改善のためのポイントも紹介します。
スポーツをしている方、立ち仕事の方、長時間のデスクワークで膝が硬くなっている方も、ぜひ参考にしてください。
膝を伸ばすと痛みが出る主な原因
① 膝蓋大腿関節症
膝のお皿(膝蓋骨)と太ももの骨(大腿骨)の間に炎症や摩耗が生じる疾患です。特に膝を伸ばす動作では、膝蓋骨が大腿骨の溝に強く押しつけられるため、痛みが出やすくなります。
階段の昇降や椅子から立ち上がる動作、長時間の座位後の伸展時に痛みが出るのが特徴です。放置すると軟骨の摩耗が進み、膝前面の慢性痛につながります。
② 半月板損傷
膝関節内にある「半月板」は、衝撃を吸収するクッションの役割を果たしています。 膝を捻る・急に立ち上がるなどの動作で傷つくと、関節内で引っかかるような痛みや“ロッキング現象(膝が動かなくなる)”を起こすことがあります。
膝を伸ばす瞬間に痛みが走る場合は、半月板の損傷部が関節内で挟まっている可能性もあります。
③ 靭帯損傷
スポーツや転倒などで膝を強くひねると、靭帯が伸びたり部分的に断裂したりします。特に「前十字靭帯損傷」や「内側側副靭帯損傷」は、膝の安定性を失わせる代表的なケガです。
膝を伸ばす際に不安定感や痛み、引っかかる感覚がある場合、靭帯損傷を疑う必要があります。
靭帯が弱くなると、膝がズレた位置で動くため、伸展時に組織が擦れて炎症を起こします。
④ 関節包や滑膜の炎症
膝関節を包む膜(関節包)や内部の滑膜が炎症を起こすと、膝の動かし始めに痛みが出ます。伸ばしきると張るような感覚や内部の熱感を伴うこともあります。
デスクワークや立ちっぱなしなどで血流が滞ると、慢性炎症が続き、痛みが再発しやすくなります。
⑤ 筋肉のアンバランス
太ももの前(大腿四頭筋)が過剰に緊張し、裏側(ハムストリングス)が弱い状態では、膝蓋骨の動きが乱れ、伸展時に圧迫が強まります。
このパターンはスポーツ選手や、スクワットを繰り返すトレーニングを行う人に多く見られます。
筋バランスの乱れは再発を繰り返す原因にもなるため、適切なストレッチと筋トレのバランスが重要です。
放置するとどうなる?
膝の痛みを我慢して動かし続けると、炎症が慢性化し、軟骨や靭帯の損傷が進行します。 「伸ばすと痛い」状態が続くと、無意識に膝を曲げたまま生活するようになり、結果として関節可動域が制限されます。
可動域が狭まると、階段や立ち座りなどの日常動作が困難になり、筋力低下や歩行障害へとつながります。
また、痛みをかばうことで反対側の膝や腰、股関節にも負担がかかり、全身のバランスが崩れる悪循環に陥ります。
改善・予防のポイント
① 太ももの前後のバランスを整える
太もも前(大腿四頭筋)をストレッチし、裏側(ハムストリングス)を強化することで、膝関節への圧迫を軽減できます。 特に立ち仕事やスポーツをする人は、筋肉の張りや硬さを放置しないようにしましょう。
② 正しい姿勢・フォームを意識する
立位や歩行時に膝が内側に入る「ニーイン姿勢」は、靭帯や半月板への負担を増大させます。 トレーニング時には膝とつま先の向きを揃え、重心が左右に偏らないように意識することが重要です。
③ サポーターやインソールを活用する
膝の不安定さが強い場合、サポーターで関節を支えることで炎症を抑えられます。 また、足裏のアーチを整えるインソールを使用することで、膝への衝撃が分散され、再発防止にも効果的です。
④ 入浴・温熱療法で血流改善
膝周囲の血流を促すことで、回復を早めることができます。特に夜の入浴は、筋肉の緊張を和らげ、翌朝の動作時の痛みを軽減します。
⑤ 専門家による検査と施術
痛みが続く場合は、レントゲンやMRIで構造的な異常を確認しましょう。 整骨院・整形外科では、必要に応じてリハビリや矯正施術を行います。 特に「靭帯損傷」や「半月板損傷」が疑われる場合、早期の診断が予後を左右します。
まとめ
膝を伸ばしきると痛む場合、その原因は単なる疲労ではなく、靭帯損傷や半月板損傷、筋バランスの崩れなど、構造的な問題が潜んでいることが多いです。
「少し痛いだけ」と放置せず、早めに原因を特定して適切に対処することで、慢性化や変形を防げます。
ストレッチや筋力トレーニング、姿勢改善を取り入れ、膝を守る生活を意識しましょう。 もし痛みが長引く場合は、早期に専門家に相談し、根本的な改善を目指すことが大切です。
投稿者:松尾洋信
資格:柔道整復師 鍼灸師 カイロプラクター
経歴:明治東洋医学院専門学校 行岡整復専門学校

茨木市出身。施術家歴25年。学生時代はずっと野球をやっていました。大学卒業後に治療家を目指し専門学校へ入学、柔道整復師・鍼灸師の国家資格を取得。
その後、整骨院や鍼灸院・整形外科・社会人野球のトレーナー活動などを経て2010年に開業。その後、多くのセミナーに参加してレントゲンに基づいた独自の骨格矯正で首の痛みや頭痛・ストレートネック・頚椎ヘルニアなどの施術を専門としています。
身体のことでお悩みのことがありましたらお気軽にご相談ください。







