膝の痛み変形性膝関節症にヒアルロン注射はやり続けるのは良いのか?
2024年10月17日
まつお鍼灸整骨院では、膝の痛みでお悩みの方々へ向けて、役立つ情報を提供しています。患者さんからよくいただく質問や疑問に対する回答を、私自身が勉強してきたことや、実際の施術経験に基づいて、記事にまとめています。
膝の痛みにヒアルロン酸注射はやり続けても良いのか?
膝の痛みや変形性膝関節症に悩む多くの人が選択肢として考えるひとつに、ヒアルロン酸注射があります。
ですが、このヒアルロン酸注射を長期間続けることが本当に良いのか、気になる方も多いでしょう。
本記事では、ヒアルロン酸注射の効果やリスク、そしてヒアルロン酸注射を続ける際のポイントについて詳しく解説します。
1. 変形性膝関節症とは?
変形性膝関節症(OA)は、膝関節の軟骨が徐々にすり減ることで、痛みや腫れを引き起こす慢性疾患です。膝の動きが制限され、日常生活に支障をきたすことが多いのが特徴です。
原因としては、加齢、肥満、膝への過度な負荷、関節の損傷などが挙げられます。
✅膝の痛み
変形性膝関節症の主な症状は、膝の痛みです。この痛みは初期段階では軽度で、一時的に現れることが多いですが、進行するにつれて持続的な痛みとなります。
特に、階段の上り下りや長時間の立ち仕事、歩行など膝に負担がかかる動作で強く感じることが多いです。
進んでくると、安静にしている状態でも痛みが現れることがあります。
✅関節の腫れ
膝関節内の炎症により、膝が腫れることがあります。関節の炎症が進行すると、膝の周囲に水がたまる(関節水腫)ことがあり、これが腫れや違和感の原因となります。
炎症による腫れは、日常的な動作や運動をさらに困難にし、症状を悪化させる要因にもなります。
✅動きが制限される
膝の痛みや腫れが続くことで、膝の動きが制限されるようになります。具体的には、膝を完全に曲げたり伸ばしたりすることが難しくなることがあり、正座やしゃがむ動作ができなくなってしまうこともあります。
膝の動きが制限されると、日常生活に支障が出てきます。
✅朝起きた時のこわばり
変形性膝関節症では、朝起きた時に膝関節がこわばりを感じることがよくあります。このこわばりは、関節の滑膜や軟骨が変性することで引き起こされ、動き始めると徐々に解消されることが多いですが、進行するとこのこわばり感が長時間続くこともあります。
✅音が鳴る(クリック音)
変形性膝関節症が進行すると、膝を動かす際にクリック音やゴリゴリとした音が聞こえることがあります。この音は、関節軟骨がすり減り、骨と骨が直接接触するようになることで生じます。
また、膝関節の不安定さや関節内の組織の変性によっても音が出ることがあり、膝の動きに伴う音は病気の進行の指標としても重要です。
これらの症状は、進行性のものであるため、早期に適切な施術を行うことが重要です。
2. ヒアルロン酸注射の効果について
ヒアルロン酸は、元々体内に存在する成分で、関節内の潤滑を助け、摩擦を減らす役割を果たしています。変形性膝関節症の患者は、関節内のヒアルロン酸が減少していることが多く、その結果、関節が硬くなり痛みを引き起こします。
ヒアルロン酸注射は以下のような効果があります。
✅関節の潤滑を改善
✅摩擦による痛みを軽減
✅動きをスムーズにする
✅軟骨の保護効果を高める
短期的には痛みの緩和が期待できますが、効果の持続期間は個人差があり、通常は数週間から数ヶ月とされています。
3. ヒアルロン酸注射をやり続けることのメリット
1. 痛みの緩和
ヒアルロン酸注射は、すぐに痛みを和らげる効果が期待でき、これにより日常生活がスムーズに送れるようになります。特に歩行や階段の上り下りが困難な患者にとっては、大きなメリットです。
2. 外科手術の回避
早期に適切な施術を行うことで、手術を回避できる可能性があります。特に膝関節の変形が進行していない段階では、ヒアルロン酸注射によって症状の進行を遅らせることができます。
3. 負担が少ない
手術のようなリスクや長いリカバリー期間を伴わないため、多くの患者が選ぶ治療法です。局所的に注射するため、全身への負担が少ないのも大きな利点です。
4. ヒアルロン酸注射をやり続けることのデメリット
1. 効果が持続しない
ヒアルロン酸注射は、あくまで対症療法です。痛みを一時的に抑えることはできるものの、軟骨の根本的な修復にはつながりません。
効果が切れると、再度注射が必要になることが多く、長期的には根本的な改善には至らないことがあります。
2. 注射に伴うリスク
繰り返し注射を行うことで、関節内の炎症や感染症のリスクが増加する可能性があります。また、注射時の痛みや違和感、腫れなどの副作用も報告されています。
5. 他の治療法との併用が重要
ヒアルロン酸注射は、あくまで痛みを和らげる手段のひとつに過ぎません。変形性膝関節症の施術においては、他の施術との併用が良いケースがほとんどです。
1. リハビリ・運動療法
筋力を強化し、膝への負担を軽減することで、症状の改善を図ることができます。特に太ももの筋肉(大腿四頭筋)の強化が効果的とされています。自宅での軽いエクササイズも有効です。
2. 体重管理
膝への負担を軽減するために、適切な体重管理が非常に重要です。肥満が変形性膝関節症の進行を加速させることがあるため、体重を減らすことで膝の負荷を軽減できます。
3. 装具の使用
膝の負担を減らすために、サポーターやインソールなどの装具を利用することも考えられます。これにより、膝関節への直接的な負荷を減少させることができます。
6. ヒアルロン酸注射をやめるタイミングは?
ヒアルロン酸注射を長期間続けるべきかどうかは、患者の症状やライフスタイル、効果や反応によって異なります。
1. 効果が感じられなくなった場合
繰り返し注射を行っても、痛みの軽減効果が弱まってきた場合は、別の施術法を検討する必要があります。特に膝の変形が進行している場合、ヒアルロン酸注射の効果は限られてきます。
2. 副作用が出た場合
注射後に強い腫れや炎症が続く場合は、他の施術法を検討することが良いです。異常を感じたら早めに相談しましょう。
まとめ
変形性膝関節症に対するヒアルロン酸注射は、痛みの緩和や関節の潤滑を助ける一方で、根本的な方法ではありません。
長期間にわたって注射を続けることにはメリットもデメリットもありますが、最も重要なのは患者一人ひとりの症状に合わせて行っていくことです。
関節は変形してしまうと、もとに戻ることはありませんので早く予防も含めてケアを行っていくことが重要になります。
ヒアルロン酸注射を続けてもなかなか効果が見られない方や膝の痛みでお悩みの方はお気軽にご相談くださいね。
投稿者:松尾洋信
資格:柔道整復師 鍼灸師 カイロプラクター
経歴:明治東洋医学院専門学校 行岡整復専門学校
茨木市出身。施術家歴25年。学生時代はずっと野球をやっていました。大学卒業後に治療家を目指し専門学校へ入学、柔道整復師・鍼灸師の国家資格を取得。
その後、整骨院や鍼灸院・整形外科・社会人野球のトレーナー活動などを経て2010年に開業。その後、多くのセミナーに参加してレントゲンに基づいた独自の骨格矯正で首の痛みや頭痛・ストレートネック・頚椎ヘルニアなどの施術を専門としています。
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