ゴルフのスイングで股関節に痛みが出る理由について解説
2025年10月22日

茨木市のまつお鍼灸整骨院では、股関節の痛みでお悩みの方へ向けて、役立つ情報を提供しています。患者さんからよくいただく質問や疑問に対する回答を、私自身が勉強してきたことや、実際の施術経験に基づいて、記事にまとめています。
ゴルフのスイングで股関節に痛みが出る理由について
ゴルフは一見すると体への負担が少ないスポーツに思われがちですが、実際には「スイング動作」が股関節に大きなストレスを与えています。特に股関節は体幹と下半身をつなぐ重要な関節であり、回旋や体重移動の軸となるため、ゴルファーに特有の痛みが生じやすい部位です。
ここではゴルフスイングで股関節に痛みが出る代表的な理由を詳しく解説します。
股関節がゴルフのスイングで受ける負担
1. 回旋動作によるストレス
ゴルフスイングは大きな回旋運動を伴います。トップからダウンスイングにかけて、股関節は外旋と内旋を強いられ、特に右利きのゴルファーでは左股関節に過度な負担が集中します。この反復により、関節唇や筋肉に炎症や微細損傷が起こりやすくなります。
2. 体重移動のアンバランス
スイング時には左右の股関節に交互に大きな体重がかかります。正しいフォームであれば均等に力が伝わりますが、フォームが崩れていると片側に偏った負担が加わり、慢性的な股関節痛につながります。
3. 腰椎・骨盤との連動不良
股関節は骨盤や腰椎と連動して動く関節です。股関節の柔軟性が不足していると、無理に腰をひねる代償動作が増え、逆に股関節へ異常な圧力がかかります。これが「詰まり感」や「引っかかるような痛み」の原因になります。
ゴルファーに多い股関節の障害
股関節唇損傷
股関節の内側にある関節唇が、繰り返しの回旋や衝突で損傷する状態です。スイング中に股関節の奥で「ズキッ」と痛む、クリック音が鳴るといった症状が特徴です。
グロインペイン症候群
鼠径部や股関節周囲に痛みを感じる症候群で、キック動作やひねり動作が多いサッカーだけでなく、ゴルフでも発生します。特に練習量が多いアマチュアやプロに見られます。
大腿骨寛骨臼インピンジメント
骨の形状異常や動作の癖によって、大腿骨と骨盤側がぶつかり合い、股関節唇や軟骨を痛める病態です。スイング中の深い股関節屈曲や捻りで悪化しやすいのが特徴です。
痛みが出やすい人の特徴
ゴルフのスイングは、股関節を中心に体を大きく回旋させる動作が多いため、股関節の柔軟性や筋力バランスが崩れていると痛みが出やすくなります。特に以下のような特徴を持つ人は注意が必要です。
1. 柔軟性が低く、股関節の可動域が狭い人
股関節まわりの筋肉(腸腰筋・大腿筋膜張筋・内転筋など)が硬いと、スイング時に十分な回旋ができず、代償的に腰や膝をひねってしまいます。この無理な動きが股関節や腰に負担をかけ、炎症や関節痛の原因になります。特に前傾姿勢でのスイングが多いゴルファーは、柔軟性の不足がフォーム崩れに直結します。
2. 腰椎や骨盤の安定性が弱く、代償動作が多い人
骨盤や体幹を支える筋肉が弱いと、スイング中に軸がぶれて体のバランスが崩れます。その結果、股関節の関節包や靭帯が過剰に伸ばされ、可動域の限界を超えるストレスがかかります。特にインパクトの瞬間に痛みを感じる人は、体幹の安定性不足が関係しているケースが多いです。
3. 片足重心やアンバランスな体重移動の癖がある人
スイング時に片側ばかりに体重を乗せるクセがあると、股関節への負担が一方向に偏ります。たとえば右利きのゴルファーでは、フォロースルー時に左股関節へ強いストレスがかかる傾向があります。これが繰り返されると、股関節唇の損傷や炎症につながることがあります。
4. 長時間の練習や過度のラウンドでオーバーユース気味の人
ゴルフは一見軽い運動に見えても、腰・股関節・肩などの関節に繰り返しストレスをかける競技です。十分な休息を取らずに練習を続けると、筋肉や腱が回復しきらず、炎症を起こします。特にラウンドが続く週末ゴルファーやプロ志向の方は、オーバーユースによる慢性股関節痛が多く見られます。
改善・予防のポイント
1. 柔軟性トレーニング
股関節周囲のストレッチ(内転筋・腸腰筋・殿筋)を取り入れ、可動域を広げることが大切です。
2. 体幹と下肢の筋力強化
お尻の筋肉(中臀筋・大臀筋)や体幹を鍛えることで、スイングの安定性が増し、股関節の負担を軽減できます。
3. スイングフォームの改善
自己流のスイングでは股関節への負担が増大します。プロやコーチにフォームをチェックしてもらい、正しい動作を習得しましょう。
4. 練習量のコントロール
痛みがあるときに無理して練習を続けると悪化します。アイシングや休養を取り入れ、オーバーユースを防ぐことが重要です。
まとめ
ゴルフスイングによる股関節痛は、単なる疲労ではなく、身体の使い方や姿勢バランスの乱れが根本原因となることが多いです。
特に股関節や骨盤の動きが硬いと、スイング時に上半身の回旋を下半身で受け止めきれず、ねじれの力が関節や筋肉を痛めてしまいます。
また、過度な練習や疲労の蓄積によって筋肉の柔軟性が低下すると、関節周囲の滑走が悪くなり、炎症や関節唇損傷を引き起こすリスクも高まります。
正しいスイングフォームと体のコンディションを保つことが、長く快適にゴルフを楽しむための鍵です。
投稿者:松尾洋信
資格:柔道整復師 鍼灸師 カイロプラクター
経歴:明治東洋医学院専門学校 行岡整復専門学校

茨木市出身。施術家歴25年。学生時代はずっと野球をやっていました。大学卒業後に治療家を目指し専門学校へ入学、柔道整復師・鍼灸師の国家資格を取得。
その後、整骨院や鍼灸院・整形外科・社会人野球のトレーナー活動などを経て2010年に開業。その後、多くのセミナーに参加してレントゲンに基づいた独自の骨格矯正で首の痛みや頭痛・ストレートネック・頚椎ヘルニアなどの施術を専門としています。
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