子どもの自律神経失調症が増えている?親が気をつけるべきことは?
2025年06月24日
茨木市のまつお鍼灸整骨院では、自律神経の不調でお悩みの方々へ向けて、役立つ情報を提供しています。患者さんからよくいただく質問や疑問に対する回答を、私自身が勉強してきたことや、実際の施術経験に基づいて、記事にまとめています。
「うちの子、なんだか最近ずっと体調が悪そう…」
「病院に行っても異常なしって言われたのに、疲れやすくて学校も休みがち」
患者様とお話をしていると、そんな声を耳にすることが増えてます。
近年、子どもの間でも “自律神経失調症” が増加傾向にあります。以前は大人だけと思われていたこの不調が、現代では小中学生、高校生にも多く見られるようになっています。
この記事では、子どもの自律神経失調症についての基本的な知識と、親として知っておくべきポイント、そして家庭でできるケアについて解説します。
自律神経失調症とは?
自律神経とは、私たちの意識とは無関係に身体の働きを調節してくれる神経系で、「交感神経(活動時に働く)」と「副交感神経(リラックス時に働く)」の2つがあります。
このバランスが乱れると、体にさまざまな不調が現れます。具体的には以下のような症状が挙げられます。
✔慢性的なだるさ・疲労感
✔めまい・立ちくらみ
✔頭痛・腹痛
✔動悸・息苦しさ
✔寝つきが悪い、夜中に起きる
✔朝起きられない
大人と同じく、子どもでもこれらの症状が現れ、日常生活や学校生活に支障をきたすことがあります。
なぜ子どもに自律神経失調症が増えているのか?
✔過剰なストレス
塾や習い事、友達関係など、現代の子どもたちは想像以上にストレスを抱えています。
✔生活リズムの乱れ
夜更かしやスマホの長時間使用などにより、睡眠の質が悪化。これが自律神経の乱れを引き起こします。
✔運動不足
屋外での遊びが減り、体を動かす機会が激減。身体活動が少ないと、自律神経の調整力も低下します。
✔感染症や社会の変化による影響
新型コロナの流行により外出や学校生活が制限され、人との交流が減ったことも精神的ストレスの一因です。
病院では「異常なし」と言われる理由
子どもの自律神経失調症は、血液検査や画像診断では異常が出ないことが多いため、病院では「異常なし」と診断されることがあります。
しかし、親から見れば明らかに体調不良が続いている…この“見えない不調”こそが、自律神経の乱れによるものなのです。
放置するとどうなる?
自律神経失調症は、放っておくと次のような問題を引き起こす可能性があります。
✔不登校や引きこもり:体調が悪くて学校に行けなくなる
✔二次的な精神的な問題:うつ、不安障害、自己否定感などに陥る
✔慢性化・悪化:本来回復しやすい子どもの体でも、長期間の放置で治りにくくなる
親が見逃しやすい“7つの初期サイン”
1. 朝起きられない・ふらつく
「起きなさい」と声をかけても布団から出られない、起きたとしても立ち上がるとふらついたり、めまいを訴える…こうした様子は、自律神経のバランスが乱れている典型的なサインです。
特に、起立性調節障害と呼ばれるタイプの自律神経失調症では、朝に血圧が上がりづらくなるため、朝の活動が極端に苦手になります。学校の遅刻や欠席が増え、「怠けている」と誤解されがちですが、体が動かない状態なのです。
2. 食欲がない・吐き気がある
朝食を食べられない、食べたがらない、お腹が空いているはずなのに「気持ち悪い」と言って食べない…。これは、自律神経のうち消化機能をコントロールする「副交感神経」がうまく働いていない状態です。
さらに、緊張や不安などのストレスが強いと胃腸の働きが低下し、**機能性胃腸症(ストレス性胃痛)**などの症状を引き起こすこともあります。嘔吐がなくても、継続的な吐き気は要注意です。
3. 頭痛・腹痛をよく訴える
「学校に行く直前になると、毎日のように頭が痛い・お腹が痛いと言う」こうした症状は、自律神経の乱れがストレスとして身体に出ているケースが多く見られます。
特に子どもは、心の不調を“体の不調”として表現する傾向があります。検査では異常が出ないことも多く、「また仮病か」と感じてしまうかもしれませんが、実は深刻なSOSである可能性もあります。
4. 表情が乏しい・イライラしやすい
以前はよく笑っていた子が、最近は無表情だったり、些細なことで怒ったりする…。これは、自律神経のバランスが崩れて“情緒の安定”が効かなくなっている状態です。
自律神経は、感情の起伏や心拍・呼吸と密接に関わっており、乱れると感情のコントロールが難しくなります。周囲とのコミュニケーションもぎくしゃくし、「なんでそんなことで怒るの?」というような反応を見せることもあります。
5. 集中力が続かない・成績が落ちた
学校の先生から「最近ぼーっとしている」「提出物を出さない」などと言われることが増えた場合、それは単なる怠惰ではなく、脳への血流低下や自律神経の失調が集中力を奪っている可能性があります。
また、睡眠の質が落ちていると、昼間のパフォーマンスも著しく低下します。特に真面目な性格の子ほど、できない自分に落ち込み、自己否定の悪循環に入ってしまうこともあります。
6. 風邪でもないのに微熱が続く
検温すると37.0℃〜37.4℃くらいの微熱が毎日続く。でも咳も鼻水もない…。このような状態は、自律神経が体温調節をうまくコントロールできていないサインです。
病院では「様子を見ましょう」「異常なし」とされることも多いですが、実際には身体が常にストレスにさらされていることで起きることが多くあります。
7. 「学校に行きたくない」と訴える頻度が増える
朝になると「今日は休みたい」と訴える、または支度が進まない、登校直前になると泣き出す…。このような行動が頻繁に見られる場合、子ども自身も理由をうまく説明できない不調を抱えている可能性があります。
「甘え」や「わがまま」と片づけるのではなく、「もしかして心や体が疲れているのかも」と一歩踏み込んで寄り添うことが重要です。
親ができるサポート
✔否定せず、まずは受け止める
「気のせい」「サボりたいだけ」などと決めつけず、まずはお子さんの不調を真剣に受け止めましょう。
✔生活リズムを整える
朝は同じ時間に起き、夜は決まった時間に寝るように習慣づけましょう。日光を浴びることも自律神経の安定に効果的です。
✔スマホやゲームの時間を管理する
特に寝る前の使用は控えさせ、脳と体をリラックスさせる時間をつくることが大切です。
✔運動習慣を取り入れる
散歩や軽いストレッチなど、無理のない範囲で体を動かすことを勧めてください。
✔専門機関への相談も検討する
症状が長引く、学校生活に大きな支障が出ているなどの場合は、専門家に相談することも考えましょう。
まとめ
子どもの自律神経失調症は、見えにくい不調であるがゆえに見過ごされやすく、対処が遅れることが多い症状です。
しかし、早期に気づき、生活改善や適切な施術を受けることで、回復するケースも多くあります。
「うちの子、なんとなく元気がない」と感じたら、それは体からのSOSかもしれません。
子供の自律神経の不調もお気軽にご相談ください。
投稿者:松尾洋信
資格:柔道整復師 鍼灸師 カイロプラクター
経歴:明治東洋医学院専門学校 行岡整復専門学校
茨木市出身。施術家歴25年。学生時代はずっと野球をやっていました。大学卒業後に治療家を目指し専門学校へ入学、柔道整復師・鍼灸師の国家資格を取得。
その後、整骨院や鍼灸院・整形外科・社会人野球のトレーナー活動などを経て2010年に開業。その後、多くのセミナーに参加してレントゲンに基づいた独自の骨格矯正で首の痛みや頭痛・ストレートネック・頚椎ヘルニアなどの施術を専門としています。
身体のことでお悩みのことがありましたらお気軽にご相談ください。