【ストレートネックでマラソンはしていい?】首の痛みが悪化する原因と安全な走り方

2024年03月27日

まつお鍼灸整骨院では、ストレートネックでお悩みの方々へ向けて、役立つ情報を提供しています。患者さんからよくいただく質問や疑問に対する回答を、私自身が勉強してきたことや、実際の施術経験に基づいて、記事にまとめています。

最近は健康維持やストレス発散のために、ランニングやマラソンを習慣にしている方が増えています。しかしその一方で、「走った後に首が重だるくなる」「マラソンの翌日に首の痛みが強くなる」と感じている方も少なくありません。

では、ストレートネックの人がマラソンをすると、本当に首の痛みは悪化するのでしょうか。

ストレートネックは、もともと頚椎のクッション機能が低下している状態です。そのため、ランニング時の着地衝撃や長時間の姿勢維持による負担が首に集中しやすくなります。さらに、頭が前に出たフォームや猫背姿勢で走ると、首周囲の筋肉が常に緊張し続けることになり、痛みや張り感が強くなる可能性があります。

この記事では、ストレートネックの方が長距離走をした際に首の不調が起こりやすい理由と、そのメカニズムについて詳しく解説していきます。

ストレートネックとは?

ストレートネックとは、頚椎本来の前弯カーブが減少、あるいは消失してしまった状態を指します。正常な頚椎はゆるやかに前へ弯曲しており、このカーブがクッションの役割を果たして頭の重さを分散しています。成人の頭は体重の約10%、4〜6kgほどあるといわれており、その重みを日々支えているのが頚椎の前弯構造です。

しかしストレートネックでは、この衝撃吸収構造が弱くなるため、重さがダイレクトに首や肩周囲の筋肉へ伝わります。その結果、首こりや肩こり、頭痛、めまいなどの症状が出やすくなります。

マラソンと首の痛み

では、マラソンや長時間のランニングはどう影響するのでしょうか。

ランニングでは着地のたびに地面からの衝撃が足→膝→股関節→背骨→頚椎へと伝わります。通常であれば背骨全体のS字カーブが衝撃を分散しますが、ストレートネックの場合は首の部分でうまく吸収できません。特にフォームが崩れ、頭が前に出た状態で走ると、首への負荷はさらに増大します。

また、ランニング中は腕振りや体幹の安定も重要ですが、姿勢保持筋が弱いと首周囲の筋肉が代償的に働き続け、過緊張状態になります。これが長時間続くことで、首の痛みや張り感、場合によっては後頭部の重だるさにつながることがあります。

つまり、ストレートネックの人にとってマラソンは「絶対にしてはいけない運動」ではありませんが、フォーム・距離・体幹の安定性を無視すると症状を悪化させる可能性がある運動といえます。

ストレートネックの人がマラソンで首の痛みが悪化する具体的な理由

不適切な姿勢で走る

ストレートネックの方は、もともと頭が前に出やすい姿勢になっています。ランニング中もそのまま顎が前に突き出た状態になると、首の後ろ側の筋肉が常に引き伸ばされ、前側の筋肉は縮んだままになります。

これにより首周囲の筋肉が過緊張を起こしやすくなります。さらに視線が下がると背中が丸まり、肩が内側に入り、首から肩にかけての負担が倍増します。フォームが崩れたまま長時間走ることで、筋疲労が一気に蓄積していきます。

衝撃の吸収がうまくできない

本来、頚椎の前弯カーブはクッションの役割を果たし、着地時の衝撃を分散しています。しかしストレートネックではこの衝撃吸収機能が低下しているため、足から伝わった振動がダイレクトに首へ届きやすくなります。

特にアスファルトのような硬い路面では衝撃が強く、首だけでなく背中や腰へも連鎖的に負担が広がります。その結果、全身のバランスが崩れやすくなります。

疲労が抜けにくい

長距離走では同じ姿勢を維持する時間が長く、首周囲の筋肉が持続的に働き続けます。ストレートネックの方はもともと血流が滞りやすいため、疲労物質が溜まりやすい状態です。

これによりランニング後の首こりや頭痛、肩の重だるさが出やすくなります。回復が追いつかないまま走り続けると、慢性的な痛みへ移行することもあります。

さらにマラソンでは、首の問題が姿勢全体に波及し、腰や膝への負担増加にもつながる可能性があります。首だけの問題と考えず、全身の連動を意識することが重要です。

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腰や膝へも負担がかかりやすくなる

ストレートネックの影響は首だけにとどまりません。背骨は一本でつながっているため、頚椎のバランスが崩れると、そのゆがみは胸椎・腰椎、さらには骨盤や下肢へと連鎖していきます。特にマラソンのように長時間同じフォームを維持する運動では、その影響が顕著に現れやすくなります。

腰や膝への負担

頭が前に出る姿勢になると、体の重心も前方へ移動します。すると無意識に腰を反らせたり、膝を過度に使ってバランスを取ろうとしたりします。

この代償動作が続くことで、腰椎への圧迫ストレスが増加し、慢性的な腰痛につながることがあります。また、膝関節では着地時の衝撃が強まり、膝蓋骨周囲の痛みやランナー膝、腸脛靭帯炎といった障害を引き起こすリスクも高まります。

呼吸が浅くなる

首が前に出て背中が丸まると、胸郭の動きが制限されます。肋骨の広がりが小さくなり、横隔膜の動きも十分に発揮できなくなります。その結果、呼吸が浅く速くなり、効率的な酸素供給が難しくなります。持久力の低下や途中での息切れは、こうした姿勢の影響が関与していることもあります。

疲労回復が遅れる

ストレートネックでは首や肩周囲の筋肉が常に緊張しやすく、血流が滞りがちです。血行不良は老廃物の排出を妨げ、筋肉の回復を遅らせます。その結果、首こりだけでなく全身の疲労感が抜けにくくなり、次の練習に影響を及ぼすこともあります。首の問題を放置すると、全身のコンディション低下につながる可能性があるのです。

マラソンで体に負担をかけないようにするために

ストレッチを行う

ランニング前に筋肉の柔軟性を高めておくことで、着地時の衝撃を分散しやすくなります。特にストレートネックの方は、首・肩・背中・股関節まわりを重点的にほぐすことが大切です。首はゆっくりと前後左右に動かし、肩甲骨を大きく回す動きを取り入れましょう。

また、胸を開くストレッチを行うことで猫背姿勢をリセットできます。静的ストレッチだけでなく、軽い動的ストレッチを取り入れると、筋肉が温まりケガの予防にもつながります。

正しい走り方を意識する

フォームは首への負担を左右する大きな要素です。視線はやや遠くを見るようにし、顎を引きすぎず自然な位置を保ちます。背筋を軽く伸ばし、骨盤を立てる意識を持つことで衝撃が分散されやすくなります。

腕振りは肩に力を入れず、肘を後ろへ引くイメージで行うと体幹が安定します。無理にスピードを上げるよりも、フォームを崩さないペースを維持することが重要です。

適切なシューズを選ぶ

クッション性と安定性のあるランニングシューズは衝撃吸収に直結します。ソールが硬すぎるものや摩耗したシューズは首や膝への負担を増やす原因になります。

足幅やアーチに合ったものを選び、必要に応じてインソールを活用するのも有効です。身体に合った装備を整えることで、首・腰・膝への負担を最小限に抑えることができます。

4.少しずつ距離を延ばす

いきなり長距離を走るのではなく、徐々に距離を伸ばしていき、体を慣らしていきましょう。

いきなり長距離を走ることは、首やその他の部位に過度な負担をかける原因となります。そのため、まずは短距離から始め、徐々に距離を伸ばしていくことが大切です。

例えば、最初は5kmから始め、体の反応を見ながら徐々に10km、ハーフマラソンと距離を延ばしていきます。段階的に距離を伸ばしていくことで、体を慣らし、首や腰・膝への負担を少なくすることができます。

5.ペースの調整

ペース配分もとても重要です。急にペースを上げすぎると首への衝撃が大きくなり、痛みを引き起こす可能性があります。自分の体調や状態に応じて、無理のないペースで走ることが重要です。

特にシューズは、地面からの衝撃を吸収し、膝や腰への負担を軽減する役割を果たします。 適切な対策を取ることで予防することができます。

普段からできる対処法

ストレートネックによるマラソン中の首の痛みを軽減するためには、走るときだけでなく、日常生活からの見直しが重要です。具体的な対策をもう少し詳しく解説します。

姿勢の改善

首の負担は、日常の姿勢の積み重ねによって決まります。デスクワークやスマートフォン使用時に頭が前へ突き出た姿勢が続くと、首周囲の筋肉は常に緊張状態になります。耳の位置が肩の真上にくるよう意識し、顎を軽く引き、胸を開く姿勢を心がけましょう。

椅子の高さやモニターの位置を調整することも効果的です。日常姿勢が整うことで、ランニング時のフォームも安定しやすくなります。

ストレッチを行う

首・肩・胸・背中の柔軟性を高めることで、走行中の負担を分散しやすくなります。特に胸を開くストレッチや肩甲骨を動かす体操は、巻き肩の改善に有効です。

ランニング前は動的ストレッチで筋肉を温め、終了後はゆっくりとした静的ストレッチで疲労回復を促しましょう。継続することで、首周囲の過緊張を防ぐことができます。

ランニングフォームの改善

視線は足元ではなく10〜15m先を見る意識を持ちます。頭が前に出ないよう、背筋を軽く伸ばし、体幹を安定させることが重要です。腕は肩に力を入れず、肘を後方へ自然に引くイメージで振ります。フォームが安定すると、着地衝撃が首へ伝わりにくくなります。

適切な休息をとる

走り続けるだけでは回復は追いつきません。十分な睡眠と休養を確保し、疲労が強い日は無理に走らない判断も必要です。筋肉は休息中に回復します。アイシングや軽い入浴も血流改善に役立ちます。

日々の姿勢改善・ストレッチ・フォーム修正・休息を組み合わせることで、首への負担は大きく軽減できます。自分の身体の状態に合わせて無理のない運動を行うことが、長く安全にランニングを続けるポイントです。

まとめ:ストレートネックの人はマラソンをすると首の痛みが悪化するのか?

ストレートネックの人がマラソンをする場合、注意が必要です。ランニング時の衝撃が首に伝わりやすく、姿勢が悪いと首の筋肉に過度な負担がかかるため、痛みが悪化することがあります。

特に、ストレートネックの人は頭が前に出やすく、走る振動によって頚椎への負担が増し、首の痛みを引き起こす可能性があります。 注意点は、正しいフォームを意識し、衝撃を和らげるシューズを選び、適切なストレッチやケアを行うこと。

マラソン自体が必ずしも悪いわけではありません。ランニング後に首に痛みがでる場合は無理せずに、距離を短くするかもしくはしばらくランニングは控えるようにしましょう。

症状が長引く場合は早めに専門家に相談することも検討してみてください。

 

投稿者:松尾洋信

資格:柔道整復師 鍼灸師 カイロプラクター

経歴:明治東洋医学院専門学校 行岡整復専門学校

茨木市出身。施術家歴25年。学生時代はずっと野球をやっていました。大学卒業後に治療家を目指し専門学校へ入学、柔道整復師・鍼灸師の国家資格を取得。

その後、整骨院や鍼灸院・整形外科・社会人野球のトレーナー活動などを経て2010年に開業。その後、多くのセミナーに参加してレントゲンに基づいた独自の骨格矯正で首の痛みや頭痛・ストレートネック・頚椎ヘルニアなどの施術を専門としています。

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参考文献
日本整形外科学会

 

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