マッサージしても治らない腰痛の正体|多裂筋が関係しているケースとは?
2026年04月27日

茨木市のまつお鍼灸整骨院では、腰痛でお悩みの方へ向けて、役立つ情報を提供しています。患者さんからよくいただく質問や疑問に対する回答を、私自身が勉強してきたことや、実際の施術経験に基づいて、記事にまとめています。
マッサージを受けてもすぐに戻る腰痛…。一度は楽になるのに、また同じ場所が痛くなる。このような状態を繰り返している方は非常に多いです。実はその原因は、表面の筋肉ではなく「多裂筋」という深部の筋肉にあるケースが多く見られます。
腰の奥にあるインナーマッスルがうまく働いていないと、いくら揉んでもその場しのぎにしかならず、根本的な改善にはつながりません。むしろ何度もマッサージを繰り返すことで「その場は楽になるが、また戻る」という悪循環に陥ってしまうこともあります。
この記事では、なぜマッサージでは腰痛が改善しないのか、多裂筋が関係する腰痛にはどのような特徴があるのか、そして本当に改善するために必要な考え方について、専門的な視点から分かりやすく解説していきます。
マッサージしても腰痛が治らない理由

まず大前提として知っておいてほしいのは、「痛みの原因がどこにあるのか」という点です。多くの方は腰が痛いと「その部分の筋肉が硬くなっている」と考えます。しかし実際には、痛みを感じている場所と本当の原因が一致していないケースが非常に多いのです。
一般的なマッサージでは、主に脊柱起立筋などの表面にある筋肉をほぐしていきます。これらの筋肉は確かに緊張しやすく、触ると硬くなっているため「ここが原因だ」と思われがちです。しかし実際には、それらはあくまで結果として硬くなっているだけで、本当の原因はもっと深い部分にあることが多いのです。
特に多裂筋のような深部の筋肉は、表面から触れることが難しく、一般的なマッサージでは直接アプローチすることができません。そのため、いくら表面をほぐしても根本的な原因には届かず、痛みが繰り返されてしまうのです。
また、マッサージを受けた直後に楽になるのは、血流が改善し筋肉の緊張が一時的に緩むためです。リラックス効果もあり、「治ったような感覚」になります。しかし、姿勢や骨格のバランスが変わったわけではないため、日常生活に戻れば再び同じ負担がかかり、痛みがぶり返します。
さらに問題なのは、体のバランスが崩れたままになっている点です。骨盤や背骨が歪んでいる状態では、特定の筋肉にばかり負担が集中します。その結果、同じ場所にストレスがかかり続け、慢性的な腰痛へとつながっていきます。
「マッサージしてもすぐ戻る」「その場しのぎで終わる」と感じている方は、このような状態に陥っている可能性が高いと言えます。
多裂筋とは?腰痛との関係
では、その根本原因となる多裂筋とはどのような筋肉なのでしょうか。
多裂筋は、背骨一つひとつに細かく付着している筋肉で、腰椎の安定性を保つために非常に重要な役割を担っています。見た目は小さく細い筋肉ですが、背骨の動きを微調整し、姿勢を安定させるという重要な働きをしています。
この筋肉が正常に機能していると、腰椎は安定し、無駄な負担がかかりにくくなります。しかし、多裂筋がうまく働かなくなると、腰椎が不安定な状態になり、ちょっとした動作でも負担がかかりやすくなります。
特に問題なのは、多裂筋が弱くなっても自覚しにくいという点です。表面の筋肉のように張りやコリとして感じにくいため、「気づいたときには腰痛が慢性化している」というケースも少なくありません。
多裂筋が機能低下を起こすと、腰椎を支える力が弱くなり、結果として周囲の筋肉が過剰に働くようになります。その代表が脊柱起立筋であり、これが硬くなることで「腰が張っている」「筋肉が凝っている」という感覚につながります。
つまり、表面の筋肉のコリは原因ではなく結果であり、本当の問題はその奥にある多裂筋の機能低下なのです。
また、「レントゲンでは異常がない」と言われたのに腰痛が続いている方も多いのではないでしょうか。この場合、骨の変形やヘルニアといった構造的な異常ではなく、筋肉の働きやバランスといった“機能的な問題”が関係している可能性が高いです。
多裂筋の働きが低下している状態は、画像検査では判断できないため見逃されやすく、「原因不明の腰痛」として扱われてしまうこともあります。しかし実際には、このような機能低下こそが慢性腰痛の大きな要因になっているのです。
多裂筋が原因の腰痛の特徴
多裂筋が関係している腰痛には、いくつか共通した特徴があります。
まず多く見られるのが、腰の「奥の方」が痛い、あるいは重だるいという感覚です。表面の筋肉のコリとは違い、指で押してもはっきりとしたポイントが分かりにくく、なんとなく深いところが不快に感じるというのが特徴です。
また、痛みが片側に出やすいのも特徴の一つです。体のバランスが崩れていることで左右差が生じ、一方に負担が集中するため、右だけ、あるいは左だけに痛みが出るケースがよく見られます。
さらに、長時間同じ姿勢を続けると悪化する傾向があります。特にデスクワークや車の運転など、座りっぱなしの状態が続くと多裂筋がうまく働かなくなり、腰椎の安定性が低下します。その結果、じわじわと負担が蓄積し、痛みとして現れてきます。
時間帯としては、朝よりも夕方以降に痛みが強くなるケースも多いです。これは一日の中で負担が積み重なり、筋肉の疲労がピークに達するためです。
そして最も特徴的なのが、マッサージを受けると一時的に楽になるが、すぐに元に戻ってしまうという点です。これはまさに、表面の筋肉だけが緩み、根本原因である多裂筋の問題が解決されていない状態を示しています。
もしこれらの特徴に当てはまる場合、あなたの腰痛は単なる筋肉のコリではなく、深部の筋肉である多裂筋が関係している可能性が高いと言えるでしょう。
なぜ多裂筋が弱くなるのか?
ここまで読んでいただくと、「自分の腰痛も多裂筋が関係しているかもしれない」と感じている方も多いのではないでしょうか。では、なぜ本来腰を支えるはずの多裂筋がうまく働かなくなってしまうのでしょうか。その背景には、日常生活の中にある習慣が大きく関係しています。
デスクワークで座りっぱなし
まず最も多いのが、デスクワークや長時間の座りっぱなしです。現代ではパソコンやスマートフォンを使う時間が増え、同じ姿勢を長時間続けることが当たり前になっています。この状態では、腰を安定させる多裂筋がほとんど使われず、徐々に働きが低下していきます。筋肉は使わなければ衰えるため、知らないうちに支える力が弱くなり、腰に負担がかかりやすい状態になってしまいます。
運動不足
次に運動不足も大きな要因です。特に多裂筋のようなインナーマッスルは、意識的に動かさないと働きにくい筋肉です。表面の筋肉と違って日常生活で大きく動くことが少ないため、運動習慣がない方ほど機能低下が起こりやすくなります。結果として、腰椎を安定させる力が弱まり、ちょっとした動作でも痛みにつながる状態になります。
姿勢不良
さらに姿勢不良も見逃せません。猫背や反り腰といった姿勢の崩れは、背骨の自然なカーブを乱し、多裂筋にかかる負担を大きく変えてしまいます。本来バランスよく働くはずの筋肉が偏って使われることで、一部は過剰に働き、一部はサボるというアンバランスな状態になります。この状態が続くと、多裂筋は徐々に機能しなくなり、腰痛の原因となっていきます。
慢性腰痛の人
また、過去に腰痛を繰り返している方も注意が必要です。一度痛みが出ると、無意識にその部分をかばう動きが増えます。その結果、本来使うべき多裂筋が使われなくなり、さらに機能低下が進んでしまうのです。このように、腰痛を繰り返すほど改善しにくくなるのは、単なる筋肉の問題ではなく、体の使い方そのものが変わってしまうことが関係しています。
このような生活習慣に心当たりがある方は、すでに多裂筋の働きが低下している可能性があります。ただマッサージを受けるだけでは改善しない理由は、ここにあるのです。
改善のカギは“多裂筋だけではない”

ここで非常に重要なポイントがあります。それは、多裂筋だけに注目しても腰痛は改善しないということです。
確かに多裂筋は腰痛に大きく関係する筋肉ですが、体は一つの筋肉だけで成り立っているわけではありません。多裂筋を鍛えれば良い、という単純な話ではないのです。
多裂筋だけを鍛えても改善しない理由は、骨盤や背骨の歪みが残っているからです。土台となる骨格が崩れている状態では、いくら筋肉を鍛えても正しく働くことができません。むしろ、間違ったバランスのまま筋肉を使うことで、さらに負担が偏る可能性もあります。
本当に必要なのは、体全体のバランスを整えることです。背骨は一つひとつが連動して動いており、どこか一箇所が崩れると全体に影響が出ます。また骨盤はその土台となる部分であり、ここが傾いていれば背骨のバランスも崩れます。
さらに重要なのが、筋肉と神経の連動です。多裂筋はただ筋力があれば良いのではなく、「必要なタイミングで正しく働くこと」が求められます。この機能が低下している状態では、単純な筋トレだけでは十分な改善にはつながりません。
つまり、腰痛を根本から改善するためには、筋肉・骨格・神経の3つをバランスよく整えることが不可欠なのです。この視点がないまま施術やセルフケアを行っても、その場しのぎで終わってしまう可能性が高くなります。
マッサージではなく“根本改善”に必要なこと
では、実際に腰痛を改善していくためには何が必要なのでしょうか。
まず重要なのが、骨格のバランスを整えることです。背骨や骨盤の歪みを正しい位置に戻すことで、体全体の負担のかかり方が変わります。これにより、特定の筋肉に集中していたストレスが分散され、腰への負担が軽減されます。
次に必要なのが、深部筋が正しく働く状態を作ることです。多裂筋はただ鍛えれば良いわけではなく、姿勢や動作の中で自然に働くことが重要です。そのためには、筋肉の緊張を整え、神経の伝達を正常にすることが欠かせません。
そしてもう一つ大切なのが、姿勢や日常動作の改善です。せっかく体のバランスを整えても、普段の姿勢や動き方が変わらなければ、再び同じ負担がかかってしまいます。座り方、立ち方、歩き方といった基本的な動作を見直すことで、腰へのストレスを減らし、再発を防ぐことができます。
単に筋肉をほぐすだけでなく、骨格から整え、筋肉と神経の働きを正常にし、さらに日常生活まで含めて見直していく。この流れこそが、根本改善につながる考え方です。
日常生活で気をつけるポイント
日常生活の中でも、いくつか意識するだけで腰への負担を大きく減らすことができます。
まず意識したいのが、長時間同じ姿勢を避けることです。座りっぱなしや立ちっぱなしの状態が続くと、多裂筋の働きが低下しやすくなります。1時間に一度は立ち上がる、軽く体を動かすといった工夫が重要です。
また、体を片側に偏らせないことも大切です。足を組む、片側に体重をかけるといったクセは、骨盤の歪みにつながります。こうした習慣を見直すだけでも、腰への負担は大きく変わります。
軽い運動習慣も効果的です。激しい運動である必要はなく、ウォーキングなどで十分です。体を動かすことで血流が良くなり、筋肉の働きも改善されていきます。
さらに、座り方や立ち方の意識も重要です。背中を丸めすぎず、反りすぎず、自然な姿勢を保つことが腰への負担を減らします。こうした日常の積み重ねが、腰痛の予防と改善につながっていきます。
まとめ
マッサージしても治らない腰痛は、表面の筋肉ではなく多裂筋など深部の問題が関係しているケースが多いです。そして重要なのは、多裂筋だけに注目するのではなく、背骨全体のバランスを整えることです。
腰痛を繰り返している方ほど、「どこを揉むか」ではなく「なぜ痛みが出ているのか」という視点を持つことが大切になります。
もし長年同じような腰痛に悩んでいるのであれば、一度体の状態を根本から見直してみてください。それが改善への一番の近道になります。
投稿者:松尾洋信
資格:柔道整復師 鍼灸師 カイロプラクター
経歴:明治東洋医学院専門学校 行岡整復専門学校

茨木市出身。施術家歴25年。学生時代はずっと野球をやっていました。大学卒業後に治療家を目指し専門学校へ入学、柔道整復師・鍼灸師の国家資格を取得。
その後、整骨院や鍼灸院・整形外科・社会人野球のトレーナー活動などを経て2010年に開業。その後、多くのセミナーに参加してレントゲンに基づいた独自の骨格矯正で首の痛みや頭痛・ストレートネック・頚椎ヘルニアなどの施術を専門としています。
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