労災保険と健康保険の違いとは?整骨院で使うときの注意点まとめ

2025年05月29日

茨木市のまつお鍼灸整骨院では、仕事中の事故やケガでお悩みの方々へ向けて、役立つ情報を提供しています。患者さんからよくいただく質問や疑問に対する回答を、私自身が勉強してきたことや、実際の施術経験に基づいて、記事にまとめています。

「整骨院での治療に保険を使いたいけど、労災と健康保険ってどう違うの?」

「うっかり間違えると、自己負担が増えるって本当?」

そんな疑問を持つ方のために、この記事では“労災保険”と“健康保険”の違いについて解説し、整骨院での使い方や注意点もわかりやすくまとめます。

労災保険とは?

労災保険(労働者災害補償保険)は、業務中や通勤中のケガ・病気に対して、治療費や休業補償を行う国の制度です。

主な特徴:

✔対象:業務災害(仕事中)・通勤災害(通勤途中)

✔医療費:自己負担0円

✔申請方法:事業主の証明と、所定の申請書提出が必要

✔保険料:全額事業主が負担(労働者の負担はなし)

健康保険とは?

健康保険は、日常生活での病気やケガに備える医療保険制度で、全国民が加入しています。

主な特徴:

✔対象:私生活でのケガや病気

✔医療費:原則3割自己負担(一部2割・1割)

✔利用可能な施設:病院・クリニック・整骨院など

申請不要(保険証を提示するだけ)

労災保険と健康保険の違い

整骨院に通う際、よくある疑問のひとつが「労災保険と健康保険って何が違うの?」という点です。実は、**この2つの制度は目的も申請方法もまったく異なります。**以下で詳しく解説します。

■ 対象となるケガの違い

まず、労災保険と健康保険では「どんなケガが対象になるのか」が異なります。

・労災保険は、仕事中や通勤中に起こったケガや病気が対象です。たとえば、職場で物を運んでいて腰を痛めた、通勤中に転倒して膝を打ったなどの場合です。

・一方、健康保険は、私生活中のケガや病気(自宅で転倒、運動中のケガなど)が対象になります。


■ 費用の負担割合

費用面でも大きな違いがあります。

・**労災保険は原則「自己負担なし(0円)」**で施術を受けられます。

・**健康保険では原則「3割負担」**となります。残りの7割を保険者(健康保険組合など)が負担します。


■ 申請の有無

・労災保険を使う場合は、所定の申請書の提出が必要で会社から発行してもらう必要があります。

・一方、健康保険を使う場合は保険証を提示するだけでOKなので、手続きは簡単です。

■ 整骨院での取り扱いについて

・労災保険は、対応可能な整骨院でのみ使用可能です。すべての整骨院が労災を扱っているわけではないので、事前確認が重要です。

・健康保険も整骨院で使うことはできますが、**原因をきちんと申告する必要があります。**

■ 誰が費用を負担するのか?

・労災保険の場合は国(または雇用主)が全額負担します。

・**健康保険の場合は本人の自己負担+保険者(健康保険組合など)**が費用を負担します。

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整骨院で保険を使うときの注意点

1. 同じケガで“労災と健康保険”を併用するのはNGです

労災保険と健康保険は、それぞれの目的が異なります。

労災は「仕事中・通勤中のケガや病気」に対して使う制度であり、健康保険はあくまでも「私生活中のケガや病気」に使うものです。

そのため、同じケガに対して両方の保険を併用することはできません。

 

2. 「とりあえず健康保険で治療を開始」はできません

「会社に言いにくいから」「手続きが面倒そうだから」と、はじめに健康保険で通い始めてしまう方が非常に多いのですが、これは非常にリスクがあります。

なぜなら、あとから労災に切り替えるのが難しくなるケースが多いからです。

一度健康保険を使用すると、労災保険の対象ではなくなってしまうことがあるため、少しでも「仕事中や通勤中のケガかもしれない」と思ったら、必ず最初の段階で「労災を使いたい」と整骨院に申し出ることが重要です。

 

3. 労災の手続きには「会社の協力」が必要です

労災で整骨院に通うためには、職場での手続きと書類の準備が必要になります。「口頭での申告だけ」ではなく、きちんと職場に報告し、必要な手続きを踏むことが前提となります。

「手続きが大変そう…」と不安になる方もいらっしゃいますが、

最近では整骨院側で書類の書き方や提出方法をサポートしてくれるところも増えています。
当院でも、初めての方でも安心して申請できるよう、サポート体制を整えています。

 

4. どの整骨院でも労災が使えるわけではありません

整骨院で労災保険を使うには、国家資格(柔道整復師)を持ち、労災対応の届出を行っている院であることが必要です。

中には「労災保険を取り扱っていない整骨院」もあるため、事前に「この整骨院で労災は使えますか?」と確認しておくと安心です。

まつお鍼灸整骨院では、労災保険の取り扱い実績も豊富にあり、書類サポートや会社との連携も可能です。

通院にあたって不安な点があれば、まずはお気軽にご相談ください。

よくある質問(Q&A)

Q. 労災か健康保険かわからないときはどうする?

→ まずはケガの発生状況を整理。「業務中・通勤中」なら労災の可能性が高いため、会社や整骨院に相談を。

Q. 会社にバレたくないから健康保険で済ませたい…

→ 労災は労働者の権利。健康保険で申請すると、後々トラブルになることも。

Q. すでに健康保険で通っているけど労災だったかも?

→ 早急に整骨院と会社に相談を。状況によっては切り替えできる場合もあります。

まとめ|保険の違いを理解して、損をしない選択を

整骨院での治療において、労災と健康保険の違いを正しく理解しておくことは非常に重要です。

・業務中・通勤中→ 労災保険が使える(自己負担ゼロ)

・プライベート中のケガ→ 健康保険(自己負担あり)

もし労災の可能性が少しでもあるなら、最初の段階で「労災申請」を意識して整骨院に相談することが、最大のポイントです。

労災についてわからないことがありましたらお気軽にご相談ください。

 

 

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参考文献
日本整形外科学会

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