サッカー選手に多い股関節の痛みの原因について詳しく解説
2025年10月26日

茨木市のまつお鍼灸整骨院では、股関節の痛みでお悩みの方へ向けて、役立つ情報を提供しています。患者さんからよくいただく質問や疑問に対する回答を、私自身が勉強してきたことや、実際の施術経験に基づいて、記事にまとめています。
サッカー選手に多い股関節の痛みの原因について
サッカーはダッシュ、ストップ、キック、ターンなど股関節を酷使する動作が連続するスポーツです。
そのため、サッカー選手の中には「股関節がズキズキ痛む」「シュートを打つときに引っかかる感じがする」といった不調を訴える方が少なくありません。
特に10代の成長期から社会人選手まで幅広く見られる症状であり、早期の理解と対策が不可欠です。
サッカー特有の動作と股関節への負担
キック動作による反復ストレス
サッカー選手の股関節トラブルの大きな原因は「キック動作」です。ボールを強く蹴る際には股関節の屈曲・外旋・内転といった複雑な動きが同時に生じます。この繰り返しにより、関節唇や腸腰筋、内転筋群に過度な負担がかかり、炎症や損傷につながります。
方向転換・ターンの多さ
試合中は細かい切り返しや急なターンが連続します。股関節は体幹と下肢をつなぐ重要な関節であるため、方向転換時のひねり動作で関節唇や靭帯にストレスが集中しやすくなります。
ジャンプや着地動作
ヘディングや空中戦の後の着地では、股関節に体重の数倍の衝撃がかかります。着地姿勢が崩れると衝撃が左右非対称に伝わり、慢性的な股関節痛の原因になることもあります。
サッカー選手に多い代表的な股関節の疾患
グロインペイン症候群(鼠径部痛症候群)
股関節や鼠径部にかけて痛みが出る疾患で、特にサッカー選手に多発します。キックや方向転換で鼠径部がズキッと痛むのが特徴です。内転筋や腹直筋の付着部に炎症が起きやすく、慢性化すると長期離脱につながります。
股関節唇損傷
股関節の奥にある関節唇という軟骨組織が損傷する疾患です。深い屈曲や捻り動作で「引っかかり感」や「クリック音」が生じ、プレー中の痛みや可動域制限につながります。MRIで発見されることが多く、進行すると手術が必要になるケースもあります。
大腿骨寛骨臼インピンジメント
大腿骨や骨盤側の形態異常によって、股関節の動きに制限や摩擦が生じる状態です。サッカーのように股関節を大きく動かすスポーツでは、繰り返しの衝突で関節唇損傷や変形性股関節症に発展するリスクがあります。
内転筋や腸腰筋の炎症
キックや走行によるオーバーユースで、股関節周囲の筋肉に炎症が生じるケースです。特に内転筋や腸腰筋はサッカーで酷使されやすく、「走ると股関節が突っ張る」「蹴ると痛い」といった症状につながります。
放置するとどうなる?
初期の股関節痛を「疲労のせい」として放置すると、慢性炎症や関節唇の損傷が進行し、最悪の場合は変形性股関節症に移行することもあります。
成長期に症状を放置すると骨や軟骨に影響が残り、長期的なパフォーマンス低下や競技復帰困難のリスクがあります。
改善・予防のためにできること
1. 柔軟性の維持
股関節周囲のストレッチ(内転筋・腸腰筋・殿筋)は欠かせません。特に練習後や試合後にしっかり伸ばすことで、筋緊張や関節へのストレスを和らげます。
2. 筋力バランスの強化
お尻の筋肉(中臀筋、大臀筋)や体幹を鍛えることは、股関節を安定させるうえで非常に有効です。前面(大腿四頭筋)と後面(ハムストリングス)のバランスも重要です。
3. 正しいフォームの習得
キックや走り方のフォームに偏りがあると、特定の筋肉や関節に負担が集中します。フォームをチェックしてもらうことが予防につながります。
4. 休養とアイシング
痛みが強いときは無理をせず休むことが重要です。アイシングで炎症を抑え、再発防止のために十分な回復時間を確保しましょう。
まとめ
サッカー選手に多い股関節痛は、キックやターン、ジャンプといった動作の繰り返しによって、股関節やその周囲の筋肉・腱に大きな負担がかかることが主な原因です。
特に試合中の急な方向転換や接触プレーでは、関節唇や内転筋が引っ張られ、炎症や微細な損傷を引き起こすことがあります。
初期の段階では軽い違和感程度でも、我慢して練習を続けることで慢性化し、プレーの質や可動域に影響が出ることも少なくありません。
また、下半身の柔軟性不足や体幹の弱さ、左右差のある動作パターンも痛みを助長させます。
日々のコンディショニングでは、ストレッチ・体幹トレーニング・フォームの見直しを徹底することが、長期的にプレーを続けるための重要なカギとなります。
投稿者:松尾洋信
資格:柔道整復師 鍼灸師 カイロプラクター
経歴:明治東洋医学院専門学校 行岡整復専門学校

茨木市出身。施術家歴25年。学生時代はずっと野球をやっていました。大学卒業後に治療家を目指し専門学校へ入学、柔道整復師・鍼灸師の国家資格を取得。
その後、整骨院や鍼灸院・整形外科・社会人野球のトレーナー活動などを経て2010年に開業。その後、多くのセミナーに参加してレントゲンに基づいた独自の骨格矯正で首の痛みや頭痛・ストレートネック・頚椎ヘルニアなどの施術を専門としています。
身体のことでお悩みのことがありましたらお気軽にご相談ください。







