肉離れ後に残るしこりはなぜ消えない?原因と後遺症にならない予防

2026年02月26日

茨木市のまつお鍼灸整骨院では、肉離れでお悩みの方へ向けて、役立つ情報を提供しています。患者さんからよくいただく質問や疑問に対する回答を、私自身が勉強してきたことや、実際の施術経験に基づいて、記事にまとめています。

肉離れを起こした直後の痛みや腫れは引いたのに、触ると筋肉の中にしこりのようなものが残っている。走ると違和感がある、力を入れると突っ張る感じがする。
「これって本当に治っているの?」「このまま放っておいて大丈夫?」と不安になる方は少なくありません。

実は、肉離れ後にしこりが残るケースは珍しくなく、適切な回復過程を踏めていないサインであることも多いのが現実です。

この記事では、なぜ肉離れ後にしこりが消えないのか、その正体と、後遺症を残さないために必要な考え方を詳しく解説していきます。

そもそも肉離れとは何が起きている状態?

肉離れとは、筋肉が急激に引き伸ばされたり、強く収縮した際に、筋線維が部分的に断裂してしまうケガです。特にダッシュやジャンプ、急な方向転換など瞬発的な動作で起こりやすく、太もも前面やハムストリングス、ふくらはぎに多く見られます。

筋肉が断裂すると、その部分の血管も損傷し、内出血や腫れが生じます。体は損傷部位を修復するために炎症反応を起こし、白血球や修復細胞が集まります。この過程でコラーゲン線維が大量に作られ、切れた部分を“補強”するように埋めていきます。この修復反応そのものが、後に触れると分かる「しこり」の原因になります。

しこりの正体は修復途中の瘢痕組織

肉離れ後に残るしこりの多くは、瘢痕組織と呼ばれるものです。これは、切れた筋繊維同士をつなぎ合わせるために形成される修復用の組織で、いわば体が作る“応急処置の補強材”のようなものです。

ただし、この瘢痕組織は元の筋肉とは構造が異なり、

  • 硬い
  • 伸びにくい
  • 柔軟性が低い

という特徴があります。さらに、筋繊維の走行とは異なる方向にコラーゲンが配列することも多く、筋肉の滑らかな動きを妨げやすくなります。そのため、痛みが軽減しても違和感や突っ張り感が残ったり、再発のリスクが高まったりすることがあります。適切なリハビリやケアを行うことで、この瘢痕組織をより柔軟な状態へ導くことが重要です。

 

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しこりが消えない理由① 安静だけで終わっている

肉離れ後、「安静にしていれば治る」と言われ、痛みが落ち着いた時点で何もせずに日常生活へ戻るケースは非常に多いです。しかし、安静=完全回復ではありません。炎症が引いたことと、筋肉が元通りの機能を取り戻したことは別問題です。

安静によって痛みや腫れは軽減しても、

  • 筋肉の柔軟性
  • 筋膜の滑走性
  • 神経と筋肉の連動(力の入り方)

が回復していなければ、瘢痕組織は硬いまま残りやすくなります。特に断裂部周囲の筋肉が萎縮したままだと、修復部分に負担が集中し、結果として「痛くはないけど、しこりが消えない」状態になります。

しこりが消えない理由② 早すぎる運動再開

逆に、痛みが引いたからといって焦って運動に復帰するのも問題です。修復途中の筋肉はまだ完全な強度を取り戻していません。この段階で強いダッシュやジャンプを行うと、修復部に再び微細な損傷が起こり、防御反応として瘢痕組織が過剰に形成されます。

その結果、
「何度も同じ場所を肉離れする」
「違和感や突っ張り感が長く残る」

といった再発や慢性化につながります。

しこりが消えない理由③ 血流と動きの不足

筋肉の回復には十分な血流と“正しい方向の動き”が欠かせません。全く動かさないと血流が低下し、修復に必要な酸素や栄養が届きにくくなります。一方で、過度な負荷は組織を硬くします。

適切なタイミングで段階的に可動域を回復させ、筋肉を本来の走行方向に沿って伸び縮みさせることが重要です。これが不足すると、瘢痕組織が硬いまま定着し、しこりとして残りやすくなるのです。

放置するとどうなる?後遺症のリスク

肉離れ後のしこりを放置すると、次のような問題が起こることがあります。

  • 筋肉の伸びが悪くなり、動作が制限される
  • 同じ部位を再び肉離れしやすくなる
  • 無意識にかばって他の部位を痛める

瘢痕組織は弾力性が低いため、ダッシュやジャンプなど瞬発的な動きに対応しづらくなります。その結果、再び同じ部分に負荷が集中し、再発を繰り返す悪循環に陥ることがあります。

また、無意識に動きをかばうことで反対側の脚や腰、股関節に過剰な負担がかかり、二次的な障害を招くケースも少なくありません。特にスポーツをしている方にとっては、パフォーマンス低下や長期離脱の原因になり得ます。

「しこりがある=危険」ではないが注意は必要

しこりがあるからといって、必ずしもすぐに危険というわけではありません。しかし、

  • 触ると明らかに硬い
  • 動かすと突っ張る
  • 運動時に違和感が続く

といった状態が数か月以上続く場合は、修復が不十分なまま固まっている可能性があります。

改善のために大切な考え方

重要なのは「しこりを無理に潰すこと」ではなく、筋肉が本来のしなやかな動きを取り戻せる環境を整えることです。

  • 硬くなった部分だけでなく周囲の筋肉との連動を回復させる
  • 筋繊維の走行に沿った正しい伸び縮みを促す
  • 特定部位に負担が集中しない体の使い方を身につける

こうしたアプローチによって、再発リスクを下げながら機能的な回復を目指すことが大切です。

やりがちなNG行為

良かれと思ってやってしまいがちな行動が、回復を妨げることもあります。

  • 痛い部分を強く押す
  • 無理にゴリゴリ揉む
  • 痛みを我慢してストレッチを続ける

瘢痕組織はまだ安定していない修復途中の組織です。強い刺激を加えると微細な損傷が繰り返され、防御反応としてさらに硬くなることがあります。特に自己流のマッサージや過度なストレッチは、回復を長引かせる原因になりかねません。大切なのは「強くほぐす」ことではなく、段階に応じて適切に動かすことです。

受診考える目安

次のような場合は、一度専門家に相談することをおすすめします。

  • 肉離れから2〜3か月以上経ってもしこりが変わらない
  • 違和感や突っ張り感で運動に支障が出ている
  • 同じ部位を繰り返し痛める

状態を正しく評価し、瘢痕組織の硬さや可動域、筋力バランスを確認することで、再発や後遺症を防げる可能性が高まります。

まとめ

肉離れ後に残るしこりは、修復過程でできた瘢痕組織が原因であることが多く、安静だけ、あるいは早すぎる復帰によって硬く残ってしまうケースが少なくありません。

大切なのは、「時間が経てば消える」と放置するのではなく、筋肉が正しく動ける状態に戻っているかという視点で体を見ることです。

違和感が続いている場合は、後遺症として残る前にしっかりとケアすることが大切になります。それが将来的な再発予防にもつながります。

 

投稿者:松尾洋信

資格:柔道整復師 鍼灸師 カイロプラクター

経歴:明治東洋医学院専門学校 行岡整復専門学校

茨木市出身。施術家歴25年。学生時代はずっと野球をやっていました。大学卒業後に治療家を目指し専門学校へ入学、柔道整復師・鍼灸師の国家資格を取得。

その後、整骨院や鍼灸院・整形外科・社会人野球のトレーナー活動などを経て2010年に開業。その後、多くのセミナーに参加してレントゲンに基づいた独自の骨格矯正で首の痛みや頭痛・ストレートネック・頚椎ヘルニアなどの施術を専門としています。

身体のことでお悩みのことがありましたらお気軽にご相談ください。

 

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参考文献
日本整形外科学会

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