スポーツで股関節や膝を痛めやすい人の特徴と予防法について

2025年10月8日

茨木市のまつお鍼灸整骨院では、股関節や膝の痛みでお悩みの方へ向けて、役立つ情報を提供しています。患者さんからよくいただく質問や疑問に対する回答を、私自身が勉強してきたことや、実際の施術経験に基づいて、記事にまとめています。

スポーツをやっている人の中には「練習後に股関節が痛む」「膝がズキズキして試合に出られない」と悩む方が少なくありません。実は、ケガをしやすい人には 共通する特徴 があり、それを理解して予防することがケガ防止とパフォーマンス向上につながります。

ここでは股関節と膝に注目し、痛めやすい人の特徴と予防法を解説します。

股関節や膝を痛めやすい人の特徴

1. 柔軟性不足

太ももやお尻、股関節周囲の筋肉が硬いと、関節の動きが制限され、衝撃をうまく吸収できなくなります。特にハムストリングス(太ももの裏)や内転筋(内もも)が硬い人は、股関節の動きが狭まり、スポーツ動作で無理な負荷が集中します。

結果として、股関節唇損傷や膝蓋靭帯炎などのケガを引き起こすリスクが高まります。ストレッチ不足が続くと、筋膜の癒着も起こり、慢性的な可動域制限に繋がります。

2. 筋力バランスの乱れ

太ももの前側(大腿四頭筋)ばかりが発達し、裏側(ハムストリングス)やお尻の筋肉(大殿筋)が弱いと、膝関節が引っ張られて不安定になります。また、体幹(腹筋・背筋)が弱いと骨盤が支えきれず、歩行やジャンプ動作でバランスが崩れ、股関節に過剰な負担がかかります。

特に、女性や成長期のアスリートはこの筋力アンバランスが生じやすく、早期からの筋トレとストレッチのバランスが重要です。

3. 体の使い方のクセ

片足重心で立つ、足を組む、内股・がに股などのクセがある人は、股関節や膝に常に偏った負担をかけています。特定の方向にねじれた姿勢が続くと、筋肉の長さや緊張に左右差が生じ、骨盤や股関節のアライメントが崩れます。

その結果、片側だけに痛みが出たり、歩行時に違和感が残るようになります。日常の立ち方・座り方・歩き方のクセを修正することが大切です。

4. オーバートレーニング

練習量が多すぎたり、休養を十分に取らずにトレーニングを重ねると、筋肉や関節が回復しきらないまま再負荷がかかります。その結果、微細な損傷が蓄積し、炎症や痛みが慢性化します。

特に股関節や膝は体重を支える関節であるため、疲労が蓄積しやすい部位です。週に1〜2日は完全休養日を設け、筋肉の再生を促すことがケガの予防につながります。

5. シューズやフォームの不適切さ

クッション性の低い靴や摩耗したシューズを使い続けると、衝撃がダイレクトに関節へ伝わります。さらに、間違ったフォームでのランニングやジャンプ、スクワットなども関節に余分なストレスを与えます。

特に膝が内側に入る「ニーイン」姿勢は、股関節や膝の損傷リスクを高める代表的な動作です。自分の足に合ったシューズ選びと正しいフォームの習得が、関節を守る最大のポイントです。

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スポーツで起こりやすい代表的な障害

股関節唇損傷

股関節の奥にある「関節唇」は、関節を安定させる軟骨組織です。サッカーや野球、バレエなど、回旋や開脚動作を繰り返す競技で損傷しやすく、股関節の深部に「引っかかり感」や「鋭い痛み」を感じるのが特徴です。

放置すると関節の変形や軟骨損傷につながることもあります。

グローインペイン症候群(鼠径部痛症候群)

太ももの内転筋群や腸腰筋など、股関節を支える筋肉や腱に炎症が起こる障害です。キックやダッシュ動作を繰り返すサッカー選手に多く、初期は「軽い痛み」から始まり、悪化すると歩行でも痛むようになります。

筋肉のアンバランスや柔軟性不足が背景にあることが多いです。

ジャンパー膝(膝蓋靭帯炎)

ジャンプや着地を繰り返すことで、膝蓋骨とスネの骨をつなぐ靭帯に炎症が起こります。

バスケットボール、バレーボール、陸上などの選手に多く、膝前面に強い痛みが出ます。ストレッチ不足やオーバートレーニングが主な原因です。

腸脛靭帯炎(ランナー膝)

太ももの外側を走る腸脛靭帯が、膝の外側で骨と擦れて炎症を起こす障害です。ランニング中に「膝の外側がズキズキ痛む」「階段で痛い」といった症状が現れます。

フォームの乱れや下肢のアライメント不良が関係しており、休養とフォーム修正が改善の鍵です。

半月板損傷

膝の中にある半月板は、衝撃を吸収するクッションの役割を持ちます。方向転換やジャンプの着地でねじれる動作が続くと損傷し、膝の引っかかり感や腫れを伴います。

重度の場合、膝がロックしたように動かなくなる「ロッキング現象」が起きることもあります。

前十字靭帯(ACL)・後十字靭帯(PCL)損傷

膝の安定を保つための重要な靭帯で、ジャンプの着地や急な方向転換時に損傷しやすい部位です。特に前十字靭帯はバスケ・サッカー・スキーなどで多発し、「ブチッ」と音がして膝が崩れるような感覚を伴います。

手術が必要になることも多く、予防には正しいフォームと下肢筋力の強化が不可欠です。

予防法:股関節と膝を守るために

1. 柔軟性を高めるストレッチ

・股関節の開脚ストレッチ

・ハムストリングス伸ばし

・お尻(梨状筋)のストレッチ

これらを練習前後に行うことで、関節の可動域を確保しケガを防げます。

2. 筋力バランスを整えるトレーニング

・体幹トレーニング(プランクなど)

・ハムストリングス強化(ブリッジ、レッグカール)

・臀筋強化(スクワット、ヒップリフト)

股関節と膝を安定させる筋力を均等に鍛えることが大切です。

3. 正しいフォーム習得

走る・跳ぶ・しゃがむといった動作を見直すことで関節への負担を減らすことができます。

4. 適切な休養

痛みがあるときに無理をして練習を続けると悪化します。週に1日は休養日を設け、体の回復を優先しましょう。

5. シューズ・環境の見直し

靴底の摩耗を確認し、競技に合ったシューズを使用することが必須です。また、硬い地面での連続練習は控えましょう。

まとめ

スポーツをしていて股関節や膝を痛めやすい人には、柔軟性不足・筋力バランスの乱れ・フォームのクセ・オーバーワークなどの共通点があります。予防には ストレッチ・筋力強化・正しいフォーム・適切な休養 が欠かせません。

「練習すれば強くなる」という考えだけでは、ケガを招いて逆にパフォーマンスを落とす可能性があります。

体を守ることは、競技力を伸ばすための第一歩。股関節と膝のケアを習慣化し、安心してスポーツを楽しみましょう。

 

投稿者:松尾洋信

資格:柔道整復師 鍼灸師 カイロプラクター

経歴:明治東洋医学院専門学校 行岡整復専門学校

茨木市出身。施術家歴25年。学生時代はずっと野球をやっていました。大学卒業後に治療家を目指し専門学校へ入学、柔道整復師・鍼灸師の国家資格を取得。

その後、整骨院や鍼灸院・整形外科・社会人野球のトレーナー活動などを経て2010年に開業。その後、多くのセミナーに参加してレントゲンに基づいた独自の骨格矯正で首の痛みや頭痛・ストレートネック・頚椎ヘルニアなどの施術を専門としています。

身体のことでお悩みのことがありましたらお気軽にご相談ください。

 

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参考文献
日本整形外科学会

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