股関節が階段の昇り降りで痛む理由について詳しく解説!!
2025年10月25日

茨木市のまつお鍼灸整骨院では、股関節の痛みでお悩みの方へ向けて、役立つ情報を提供しています。患者さんからよくいただく質問や疑問に対する回答を、私自身が勉強してきたことや、実際の施術経験に基づいて、記事にまとめています。
「普段の歩行では平気なのに、階段を昇り降りすると股関節がズキッと痛む…」
このようなことでお悩みではありませんか?
股関節は人体で最も大きな関節であり、日常生活に欠かせない動きを支えています。特に階段の昇降は、平地歩行よりも関節への負担が大きく、隠れたトラブルが顕在化しやすい動作です。
今回は、階段で股関節が痛む理由を詳しく解説し、改善のヒントをお伝えします。
階段昇降で股関節にかかる負担
階段を昇るとき、股関節は膝や足首と連動して体を持ち上げます。この動作では、平地を歩く時の2〜3倍の負荷が股関節に集中します。
特に踏み込むときには大腿四頭筋や腸腰筋が強く働き、関節内の軟骨や周囲の腱に圧力がかかります。
逆に階段を降りる際は、体重を支えながら重力に逆らう必要があるため、衝撃吸収機能がフルに働きます。これらの繰り返しが痛みを誘発する大きな要因です。
考えられる主な疾患
変形性股関節症
加齢や先天的な股関節の形態異常により軟骨がすり減る疾患です。階段昇降のように負荷が大きい動作で痛みが強く出やすく、進行すると歩行や立ち上がりにも影響します。
股関節唇損傷
股関節のクッション役である「関節唇」が損傷すると、足の曲げ伸ばしやひねりで鋭い痛みを感じます。スポーツや繰り返しの負荷が原因になることが多く、階段昇降は典型的な悪化動作の一つです。
大腿骨頭壊死
血流障害により大腿骨の骨頭が壊死する病気です。初期は動作時のみの痛みですが、階段昇降で強い痛みが出やすい特徴があります。進行すると安静時にも痛みが続くため注意が必要です。
筋肉・腱の炎症(腸腰筋炎・大腿直筋腱炎など)
股関節を動かす筋肉や腱に炎症が起きると、体重を支える動作で痛みが増します。階段を昇るときに股関節前面が痛む場合、この可能性が考えられます。
階段で痛みが出る理由
股関節の可動域制限:硬さや炎症で動きが悪くなると、正常な軌道で脚を動かせずに痛みを感じる。
筋力不足:お尻や太ももの筋肉が弱いと股関節だけで負担を受け止めることになり、痛みを悪化させる。
骨盤や背骨の歪み:姿勢の乱れから股関節に片側だけ負担が集中する。
軟骨の摩耗:加齢や繰り返しの負荷で軟骨がすり減り、骨同士の摩擦で痛みが出る。
放置するとどうなる?
階段での痛みを「年のせい」と放置すると、症状は徐々に進行します。最初は階段だけだった痛みが、やがて平地歩行や立ち上がり動作でも現れ、日常生活全般に支障をきたします。
進行した変形性股関節症では手術(人工関節置換術)が必要になるケースもあるため、早期の対策が非常に重要です。
改善・予防のためにできること
①筋力トレーニング
お尻の筋肉(大臀筋・中臀筋)や太ももの筋肉を鍛えると、股関節への負担を分散できます。スクワットやブリッジ運動がおすすめですが、痛みが強い場合は専門家の指導を受けましょう。
②ストレッチと柔軟性の確保
股関節周囲の筋肉(腸腰筋・内転筋・ハムストリングス)が硬いと、動きのたびに関節が引っ張られます。軽いストレッチを習慣にすることで痛みの軽減が期待できます。
③生活動作の工夫
階段を利用する際は手すりを必ず使い、体重を分散しましょう。無理に一段飛ばしをしたり、重い荷物を持ちながら昇降するのは避けてください。
④体重管理
体重が増えると股関節への負担は指数関数的に大きくなります。適正体重を維持することが、最もシンプルで効果的な予防策です。
⑤専門機関での診断
痛みが続く場合は、整形外科でレントゲンやMRIによる診断を受けましょう。早期発見・早期対応が、重要になります。
まとめ
階段の昇り降りで股関節が痛むのは、日常の動作の中でも負荷が大きく、関節や筋肉のトラブルを顕在化させやすいためです。
変形性股関節症、股関節唇損傷、筋肉・腱の炎症などが代表的な原因であり、放置すると進行して歩行困難に至る可能性もあります。
筋力強化や柔軟性の向上、生活動作の工夫、そして早めのケアをすることで、多くのケースは改善・予防が可能です。
「階段で痛むのは仕方ない」と思わず、今日からできるセルフケアと正しい知識で股関節の負担を軽減することができます。
投稿者:松尾洋信
資格:柔道整復師 鍼灸師 カイロプラクター
経歴:明治東洋医学院専門学校 行岡整復専門学校

茨木市出身。施術家歴25年。学生時代はずっと野球をやっていました。大学卒業後に治療家を目指し専門学校へ入学、柔道整復師・鍼灸師の国家資格を取得。
その後、整骨院や鍼灸院・整形外科・社会人野球のトレーナー活動などを経て2010年に開業。その後、多くのセミナーに参加してレントゲンに基づいた独自の骨格矯正で首の痛みや頭痛・ストレートネック・頚椎ヘルニアなどの施術を専門としています。
身体のことでお悩みのことがありましたらお気軽にご相談ください。







