股関節の詰まり感があるのはなぜ?放置するとどうなる?
2025年10月24日

茨木市のまつお鍼灸整骨院では、股関節の痛みでお悩みの方へ向けて、役立つ情報を提供しています。患者さんからよくいただく質問や疑問に対する回答を、私自身が勉強してきたことや、実際の施術経験に基づいて、記事にまとめています。
「歩くと股関節が引っかかるように感じる」「屈伸すると奥でゴリっと詰まる感覚がある」。こうした“股関節の詰まり感”は、多くの方が経験する不快な症状です。
単なる筋肉疲労や硬さと思って放置すると、やがて関節の摩耗や変形につながることもあります。
この記事では、股関節に詰まり感が出る主な原因と、放置した場合のリスク、そして改善・予防のポイントを詳しく解説します。
股関節の詰まり感が起こる主な原因
1. 関節唇損傷
股関節は球状の大腿骨頭と臼蓋(骨盤側)がかみ合う構造ですが、縁には「関節唇」という軟骨組織があります。繰り返しの動作や外傷によってこの部分が損傷すると、関節がスムーズに動かず“引っかかり”を感じることがあります。スポーツ選手やアクティブな方に多く見られる原因です。
2. 変形性股関節症
加齢や臼蓋形成不全などにより軟骨がすり減ると、骨同士の接触が強まり、関節の動きがスムーズでなくなります。その結果、股関節の奥でゴリゴリと詰まるような感覚や、動かしたときの痛みが現れやすくなります。進行すると歩行にも支障が出る代表的な疾患です。
3. 筋肉や靭帯の硬さ
股関節周囲を支える腸腰筋、大殿筋、内転筋、梨状筋などが硬くなると、骨盤や大腿骨の動きが制限されます。その結果、動かしたときに股関節がスムーズに動かず「詰まった感じ」が出るケースも多いです。デスクワークや運動不足、姿勢不良が背景にあります。
4. インピンジメント症候群
大腿骨頭と臼蓋の形状に異常があると、関節の動作時に骨同士がぶつかりやすくなります。これを「大腿骨寛骨臼インピンジメント(FAI)」と呼び、特に若いスポーツ選手に多いです。放置すると関節唇損傷や変形性股関節症へと進行するリスクがあります。
5. 骨盤や背骨の歪み
股関節は骨盤に支えられています。骨盤の傾きや腰椎の歪みがあると、片側の股関節に偏った負担がかかり、動作時に“詰まる”感覚が出やすくなります。足を組む習慣や猫背、反り腰といった姿勢も大きく影響します。
放置するとどうなる?
1. 症状の慢性化
最初は「違和感」程度でも、原因を放置すると炎症や軟骨の摩耗が進み、慢性的な痛みや動作制限につながります。特に変形性股関節症は放置すると進行性で、将来的に人工関節が必要になることもあります。
2. 可動域の制限
股関節が詰まった状態が続くと、筋肉や靭帯も硬くなり、股関節の可動域が狭まります。しゃがむ、正座する、足を大きく広げるといった動作ができなくなり、日常生活に大きな制約を与えます。
3. 二次的な障害
股関節の不調は骨盤・腰・膝へと連鎖していきます。股関節の詰まり感をかばって歩くことで、腰痛や膝痛、さらには足首や足裏のトラブルを引き起こすケースも少なくありません。
改善・予防のポイント
1. 姿勢を整える
デスクワーク時は骨盤を立てて座ることを意識し、スマホやパソコンの長時間使用では前かがみにならないよう注意しましょう。日常の姿勢改善だけでも股関節への負担は大きく減らせます。
2. ストレッチ習慣
股関節周囲の筋肉を柔軟に保つことは重要です。特に腸腰筋・内転筋・お尻の筋肉を伸ばすストレッチを取り入れると、関節の詰まり感が改善しやすくなります。毎日数分でも継続することが大切です。
3. 適度な運動
ウォーキングや水中運動は股関節にやさしい運動です。過度なランニングやジャンプ動作は避け、負担の少ない有酸素運動を心がけましょう。筋肉の柔軟性と血流を維持することで関節環境が改善します。
4. 体重管理
体重が増えると股関節への負担は数倍に跳ね上がります。適正体重を維持することで、軟骨や靭帯へのダメージを減らすことができます。特に中高年では、食生活の見直しと軽運動の組み合わせが効果的です。
5. 専門的な検査と施術
「ただの筋肉の硬さ」と思っても、実際には関節唇損傷やFAIが隠れている場合もあります。症状が続く場合は整形外科で画像診断を受け、必要に応じて専門施術機関で骨格や筋肉のバランスを整えることが重要です。
まとめ
股関節の詰まり感は、単なる疲労ではなく関節や骨格の不調を知らせるサインである可能性が高いです。
放置すると慢性化や変形を招き、日常生活に大きな支障をきたすこともあります。早めに原因を見極め、姿勢改善・ストレッチ・専門的なケアを組み合わせることで、多くの場合は改善が期待できます。
「そのうち治るだろう」と軽視せず、今日から股関節のケアを始めてみましょう。
投稿者:松尾洋信
資格:柔道整復師 鍼灸師 カイロプラクター
経歴:明治東洋医学院専門学校 行岡整復専門学校

茨木市出身。施術家歴25年。学生時代はずっと野球をやっていました。大学卒業後に治療家を目指し専門学校へ入学、柔道整復師・鍼灸師の国家資格を取得。
その後、整骨院や鍼灸院・整形外科・社会人野球のトレーナー活動などを経て2010年に開業。その後、多くのセミナーに参加してレントゲンに基づいた独自の骨格矯正で首の痛みや頭痛・ストレートネック・頚椎ヘルニアなどの施術を専門としています。
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