夜間に股関節が痛むのはなぜ?考えられる疾患と対処法について
2025年10月16日

茨木市のまつお鍼灸整骨院では、股関節の痛みでお悩みの方へ向けて、役立つ情報を提供しています。患者さんからよくいただく質問や疑問に対する回答を、私自身が勉強してきたことや、実際の施術経験に基づいて、記事にまとめています。
夜の股関節痛は見逃せないサイン
「昼間はそこまで痛くないのに、夜寝ると股関節がズキズキする…」このような症状でお悩みではありませんか?
夜間の股関節痛は単なる疲労ではなく、股関節周囲の疾患や骨格・筋肉のトラブルが隠れている可能性があります。
放置してしまうと歩行障害や慢性痛に進行するケースも少なくありません。
本記事では、夜間に股関節が痛む主な原因と考えられる疾患、そして改善のためにできる対処法について詳しく解説します。
夜間に股関節が痛む主な原因
1. 股関節への圧迫や血流障害
長時間同じ姿勢で寝ていると、股関節周囲の筋肉や靭帯が持続的に圧迫されます。特に横向き寝の場合、下側の股関節に体重が集中し、血流やリンパの流れが滞ります。
その結果、関節内部に老廃物が溜まり、夜間に鈍い痛みやズキズキした不快感を感じやすくなります。
2. 関節内の炎症
変形性股関節症や滑膜炎などで関節内に炎症がある場合、安静時にも痛みが続きやすい傾向があります。
夜間は体温が低下し血流が緩やかになるため、炎症物質が排出されにくくなり、ズキズキとした痛みが強まることがあります。
放置すると炎症が慢性化し、可動域制限や変形につながることもあります。
3. 神経の刺激
股関節周囲を走る坐骨神経や大腿神経が圧迫されていると、寝姿勢によって神経への負担が増加します。
特に仰向けで腰が反る姿勢や、横向きで下肢がねじれる姿勢では神経が引き伸ばされやすく、夜間に痛みやしびれを感じるケースがあります。
神経由来の痛みは慢性化しやすく、早期のケアが必要です。
考えられる代表的な疾患
1. 変形性股関節症
加齢や先天的な股関節形成不全により、軟骨がすり減り炎症が起こります。進行すると夜間痛が強まり、歩行困難につながります。
2. 大腿骨頭壊死症
大腿骨頭の血流が阻害され、骨組織が壊死する疾患。夜間痛が特徴的で、安静時にも強い痛みを感じるケースがあります。
3. 関節リウマチ
免疫の異常により関節内に炎症が起き、夜間や朝方に強いこわばりや痛みが出やすい疾患です。
4. 臼蓋形成不全
股関節の受け皿である臼蓋が浅いために関節が不安定になり、骨や軟骨に負担がかかりやすく夜間痛を引き起こします。
5. 坐骨神経痛(梨状筋症候群)
お尻の筋肉(梨状筋)が硬くなることで神経を圧迫し、横になると股関節周辺に放散痛を感じることがあります。
放置するとどうなる?
夜間痛は「進行のサイン」であることが多く、放置すると以下のリスクが高まります。
・歩行距離が短くなる
・股関節可動域が制限される
・膝や腰にも痛みが波及する
・最悪の場合、人工関節置換術が必要になる
| 疾患名 | 主な原因 | 特徴的な夜間痛 | その他の症状・特徴 |
|---|---|---|---|
| 変形性股関節症 | 加齢、臼蓋形成不全、軟骨のすり減り | 関節内炎症により、安静時や就寝時にズキズキ痛む | 歩行時の痛み、関節のこわばり、進行で可動域制限 |
| 大腿骨頭壊死症 | 血流障害、ステロイド使用、アルコール多飲など | 骨壊死により夜間でも強い痛みが出やすい | 体重をかけると悪化、急激な症状進行もあり |
| 関節リウマチ | 自己免疫異常による炎症 | 夜間や早朝に強い痛みやこわばり | 手足など多関節に症状、左右対称に出やすい |
| 臼蓋形成不全 | 先天的に臼蓋が浅い構造 | 関節が不安定で負担がかかり夜間痛が強まる | 若年〜中年女性に多い、変形性股関節症に移行しやすい |
| 梨状筋症候群(坐骨神経痛) | 梨状筋が硬くなり坐骨神経を圧迫 | 横向き寝などで神経圧迫が増し痛み・しびれが悪化 | お尻〜太もも裏に放散痛、同じ姿勢で悪化 |
改善・予防のためのセルフケア
1. 姿勢と寝具の見直し
横向き寝の際は枕やクッションを膝の間に挟む
マットレスは硬すぎず、体圧分散できるものを選ぶ
2. 温熱療法
就寝前に股関節周囲を温めることで血流改善
湯船に浸かることでリラックス効果も期待できる
3. 軽いストレッチ
臀筋・太もも前後・股関節内外旋のストレッチ
無理のない範囲でゆっくり行う
4. 筋力強化
股関節を支える中殿筋・大腿四頭筋を鍛える
軽いスクワットやゴムバンドを使った運動が有効
まとめ
夜間の股関節痛は、筋肉や関節への一時的な負担だけでなく、血流や神経のトラブルが関係していることもあります。
特に変形性股関節症では、夜間に関節内圧が高まりやすく、痛みが強く出る傾向があります。また、冷えや寝具の影響で血流が滞ることも症状を悪化させる要因です。
温めて血行を促進する、寝具の硬さを見直すなどの工夫が有効ですが、数日経っても改善しない場合は、早めに原因を特定することが大切です。
投稿者:松尾洋信
資格:柔道整復師 鍼灸師 カイロプラクター
経歴:明治東洋医学院専門学校 行岡整復専門学校

茨木市出身。施術家歴25年。学生時代はずっと野球をやっていました。大学卒業後に治療家を目指し専門学校へ入学、柔道整復師・鍼灸師の国家資格を取得。
その後、整骨院や鍼灸院・整形外科・社会人野球のトレーナー活動などを経て2010年に開業。その後、多くのセミナーに参加してレントゲンに基づいた独自の骨格矯正で首の痛みや頭痛・ストレートネック・頚椎ヘルニアなどの施術を専門としています。
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