股関節の成長痛とは?子どもに起こる股関節のトラブルについて

2025年10月9日

茨木市のまつお鍼灸整骨院では、子供の股関節の痛みでお悩みの方へ向けて、役立つ情報を提供しています。患者さんからよくいただく質問や疑問に対する回答を、私自身が勉強してきたことや、実際の施術経験に基づいて、記事にまとめています。

「夜になると股関節が痛い」

「歩くと片方の脚をかばうように歩く」

成長期の子どもにこうした訴えがあると、多くの親は「成長痛かな?」と考えがちです。しかし、股関節の痛みは単なる成長過程によるものではなく、関節や骨、筋肉の異常が関係している場合もあります。

特に片側だけに痛みが出る、長引く、歩行に異常が見られるといったケースでは、早期の対応が重要です。股関節は体の中心であり、成長期に問題が生じると将来の姿勢や運動能力に影響することもあります。

この記事では、成長期に見られる股関節痛の原因と注意すべきポイントについて解説します。

子どもの成長痛とは?

成長痛とは、骨や筋肉の急激な成長に伴って起こる痛みのことを指します。多くは夕方や夜間に下肢に痛みが出て、翌朝には改善しているケースが一般的です。

特に股関節や膝、すねの骨の周辺で訴えが出やすい傾向があります。特徴的なのは「一過性」であること。日常生活や運動に大きな支障を残さない点が、病気による股関節痛との大きな違いです。

子どもの股関節に起こる代表的なトラブル

1. 一過性股関節炎

子どもに最も多い股関節痛の原因のひとつが「一過性股関節炎」です。風邪などのウイルス感染の後に発症することが多く、股関節に炎症が生じて痛みや歩行困難を引き起こします。

数日〜数週間で自然に改善するケースがほとんどですが、発熱を伴う場合や痛みが強い場合は医療機関での確認が必要です。

2. ペルテス病

大腿骨頭への血流障害によって骨が壊死する病気で、6〜10歳の男児に多く発症します。初期は軽い足の痛みやびっこ歩き程度ですが、進行すると関節の変形を残す可能性があります。

成長痛と見間違いやすいため、長引く股関節痛は要注意です。

3. 大腿骨頭すべり症

思春期に多い疾患で、大腿骨の骨端部分がずれてしまう疾患です。体重の増加や急激な成長が発症要因とされます。

歩きにくさや股関節の違和感を訴え、放置すると将来的に変形性股関節症につながることもあります。

4. オスグッド病や筋肉性の痛み

成長期には筋肉や腱が骨の成長に追いつかず、股関節周囲にも炎症や牽引痛が起こることがあります。

スポーツ活動が盛んな子どもに多く、ストレッチ不足やオーバーユース(使いすぎ)が背景にあるケースも目立ちます。

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成長痛と病気の股関節痛を見分けるポイント

・成長痛は夜間や夕方に多く、翌朝は軽快する

・病気による股関節痛は、歩行困難やびっこ歩き、持続的な痛みがある

・発熱や腫れを伴う場合は炎症性の疾患が疑われる

・痛みが数週間以上続く場合は専門医の診察が必要

「夜だけの痛み」であれば一時的な成長痛の可能性が高いですが、日常動作に影響する痛みは見逃さないことが重要です。

放置するとどうなる?

単なる成長痛であれば問題ありませんが、ペルテス病や大腿骨頭すべり症などの病気が隠れている場合、放置すると関節の変形や将来的な運動制限を招くリスクがあります。

股関節は全身の動きの土台であり、幼少期の障害は一生涯にわたる不調につながる可能性があるため、早期発見が何より大切です。

改善・予防のためにできること

1. 適度な運動とストレッチ

スポーツをする子どもは、特に股関節周囲の柔軟性を高めるストレッチを取り入れることが重要です。柔らかい股関節はケガ予防につながります。

2. 休養の確保

強い痛みを我慢して運動を続けることは悪化の原因となります。痛みが出たら休ませ、体を回復させることが必要です。

3. 栄養管理

カルシウム、ビタミンD、タンパク質など骨や筋肉の発育に必要な栄養素をバランスよく摂取させることも予防につながります。

4. 定期的なチェック

股関節の動きが硬い、びっこ歩きがある、痛みが長引くといったサインがあれば、早めに整形外科でチェックを受けましょう。

まとめ

子どもの股関節痛は「成長痛」と思い込みがちですが、実際には一過性股関節炎、ペルテス病、大腿骨頭すべり症など、注意すべき疾患が隠れている場合があります。

夜間だけの痛みは様子を見ても良いですが、日常生活に支障がある痛みや長引く痛みは要注意です。

股関節は全身を支える大切な部位だからこそ、早めの対応と正しいケアをすることが大事になってきます。

 

投稿者:松尾洋信

資格:柔道整復師 鍼灸師 カイロプラクター

経歴:明治東洋医学院専門学校 行岡整復専門学校

茨木市出身。施術家歴25年。学生時代はずっと野球をやっていました。大学卒業後に治療家を目指し専門学校へ入学、柔道整復師・鍼灸師の国家資格を取得。

その後、整骨院や鍼灸院・整形外科・社会人野球のトレーナー活動などを経て2010年に開業。その後、多くのセミナーに参加してレントゲンに基づいた独自の骨格矯正で首の痛みや頭痛・ストレートネック・頚椎ヘルニアなどの施術を専門としています。

身体のことでお悩みのことがありましたらお気軽にご相談ください。

 

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参考文献
日本整形外科学会

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