頚椎ヘルニアが頚椎5番6番の間に多い理由について詳しく解説

2024年08月20日

 

まつお鍼灸整骨院では、頚椎ヘルニアでお悩みの方々へ向けて、役立つ情報を提供しています。患者さんからよくいただく質問や疑問に対する回答を、私自身が勉強してきたことや、実際の施術経験に基づいて、記事にまとめています。

今回は頚椎ヘルニアについて。当院には頚椎ヘルニアでお悩みの方も多く来院されますが、頚椎ヘルニアの多くは5番6番の間で発症します。その理由について解説していきます。

頚椎ヘルニアについて

首の骨と骨の間には、椎間板と呼ばれるクッションのような構造が存在します。椎間板は、中心にゲル状の髄核という物質があり、その周囲を丈夫な繊維輪が取り囲んでいます。加齢や激しい運動が原因で、この繊維輪に亀裂が入ると、内部の髄核が外に飛び出し、神経を圧迫することで痛みが発生します。

ヘルニアとは『飛び出す』ということを意味します。

頚椎ヘルニアは腰椎椎間板ヘルニアと基本的には同じですが、頚椎はルシュカ関節という構造によって強固に支えられており、椎間板にかかる圧力が比較的少ないため、腰椎椎間板ヘルニアよりも発症年齢が高い傾向にあります。

ですが、首は腰に比べて神経との距離が近いため、椎間板がわずかに突出しただけでも、強い症状が現れることがあります。

頚椎ヘルニアの症状は、どの部位でヘルニアが発生するかによって異なります。

 

頚椎ヘルニアが5番6番に多い理由

頚椎ヘルニアは、比較的多くみられます。その中でも、特に頚椎の5番目と6番目の椎間板にヘルニアが発生することが多いです。

1. 頚椎の解剖学的構造

まず、頚椎の解剖学的構造について簡単に説明します。頚椎は7つの椎骨から構成されており、それぞれが椎間板によって分けられています。椎間板は、衝撃を吸収し、柔軟性を提供するためのクッションの役割を果たします。ですが、この椎間板は年齢や負荷によって劣化し、ヘルニアの原因となることがあります。

2. C5-C6領域の特性

動きの多さ

頚椎の中でも、5番目(C5)と6番目(C6)の椎骨は、非常に多くの動きを要求される部位です。首を前後に動かしたり、回転させたりする際に、C5-C6領域は特に多くのストレスを受けます。この頻繁な動きと負荷が、椎間板の劣化を促進し、ヘルニアのリスクを高める一因となります。

血流の制限

C5-C6領域は、他の頚椎に比べて血流が制限されやすい部位です。十分な血流がないと、椎間板が必要な栄養を受け取れず、回復力が低下します。これが、椎間板の劣化を加速させ、ヘルニアの発生を促進する要因となります。

3. 負荷の集中

頚椎全体の構造を考慮すると、C5-C6領域には特に多くの負荷が集中する部分でもあります。首の動きや姿勢の維持、頭の重さなどが、すべてこの部位に影響を及ぼします。このように負荷がかかることで、椎間板の摩耗や損傷を引き起こしやすくするのです。

4. 年齢と劣化

年齢を重ねると、椎間板は自然に劣化します。特に30代から40代にかけて、椎間板の水分含有量が減少し、弾力性が低下します。この自然な劣化過程が、C5-C6領域のヘルニアの発生を助長する一因となります。

頚椎5番6番(C5/C6)のヘルニアは、頚椎ヘルニアの中でも最も一般的な部位です。この部位でのヘルニアによって引き起こされる症状は、神経の圧迫の程度や場所によって異なりますが、主に以下のような症状が現れます。

 

主な症状

首や肩の痛み

C5/C6のヘルニアでは、首から肩にかけての痛みが特徴的です。この痛みは、肩甲骨の間や肩の上部に広がることがあります。

上腕のしびれや痛み

神経根が圧迫されると、上腕の外側から前腕の親指側にかけてしびれや痛みが生じます。

筋力低下

特に二頭筋や手首を反らす筋肉(橈側手根伸筋)の筋力が低下することがあります。これにより、腕を曲げる力や手首を上げる力が弱くなります。

感覚障害

親指や人差し指の感覚が鈍くなったり、異常な感覚(ピリピリ感など)を感じることがあります。

神経根症状

C5/C6のヘルニアが神経根を圧迫すると、以下のような症状が現れます:

・肘から先の腕の親指側のしびれや痛み

・親指や人差し指のしびれや痛み

・手首を手の甲の方向へ反らす筋力の低下

・症状が悪化すると、細かい作業(箸の使用、書字、ボタン掛けなど)が困難になる

 

その他の症状

頭痛やめまい

頚椎の問題が原因で、頭痛やめまいを感じることがあります。

巧緻運動障害

指先の細かい動きが難しくなり、ボタンを掛けたり、箸を使ったりすることが困難になる場合があります。

 

まとめ

頚椎ヘルニアはMRIを撮ることでわかりますが多くは5番・6番の間で発症することが多いです。主な症状は首の痛み・親指側のシビレなどの症状が出てきます。

しびれ頚椎ヘルニアを予防するためには、日常生活での姿勢にも気を付けることが大事です。デスクワークが多い人は定期的にストレッチや運動を行うことで、頚椎の柔軟性を維持し、ヘルニアのリスクを低減することができます。

頚椎ヘルニアが5番6番に多い理由には、動きの多さ、血流の制限、負荷の集中、年齢による劣化など、さまざまな要因が絡み合っています。

頚椎ヘルニアの症状の程度は個人差が大きく、画像上でヘルニアが確認されても無症状の場合もあります。逆に、軽度のヘルニアでも強い症状が出ることもあります。

 

どちらにしても早目の段階で施術を行うことが早期回復にもつながりますので頚椎ヘルニアでお悩みの方は一度ご相談ください。

 

 

投稿者:松尾洋信

資格:柔道整復師 鍼灸師 カイロプラクター

経歴:明治東洋医学院専門学校 行岡整復専門学校

茨木市出身。施術家歴25年。学生時代はずっと野球をやっていました。大学卒業後に治療家を目指し専門学校へ入学、柔道整復師・鍼灸師の国家資格を取得。

その後、整骨院や鍼灸院・整形外科・社会人野球のトレーナー活動などを経て2010年に開業。その後、多くのセミナーに参加してレントゲンに基づいた独自の骨格矯正で首の痛みや頭痛・ストレートネック・頚椎ヘルニアなどの施術を専門としています。

身体のことでお悩みのことがありましたらお気軽にご相談ください。

 

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参考文献