膝のお皿が痛い原因は膝蓋下脂肪体?見落とされがちな痛みの正体を解説
2026年02月18日

茨木市のまつお鍼灸整骨院では、膝の痛みでお悩みの方へ向けて、役立つ情報を提供しています。患者さんからよくいただく質問や疑問に対する回答を、私自身が勉強してきたことや、実際の施術経験に基づいて、記事にまとめています。
「膝のお皿のあたりが痛い」
「曲げ伸ばしすると違和感がある」
それなのに、病院でレントゲンを撮っても「特に異常はありません」と言われた。こうした経験をしている方は、決して少なくありません。
膝の前側、とくにお皿の下あたりに出る痛みには、実はあまり知られていない原因があります。それが膝蓋下脂肪体と呼ばれる組織です。
この記事では、膝蓋下脂肪体とは何か、なぜ痛みの原因になりやすいのか、そして見落とされやすい理由について、分かりやすく解説します。
膝蓋下脂肪体とは何か
膝蓋下脂肪体とは、膝のお皿(膝蓋骨)のすぐ下にある、やわらかい脂肪組織です。「脂肪」と聞くと不要なもののように思われがちですが、この脂肪体は膝関節の動きをスムーズにするための重要なクッション役を担っています。
膝を曲げ伸ばしするたびに、膝蓋下脂肪体は形を変えながら、関節の前方スペースをやさしく満たし、骨と骨、あるいは骨と腱の間で衝突が起こらないように調整しています。
具体的には、
- 関節のすき間を埋める
- 衝撃を吸収する
- 関節の動きをなめらかにする
といった働きを担っています。
さらに、膝蓋下脂肪体は神経や血管が非常に豊富な組織でもあります。そのため、わずかな炎症や挟み込み(インピンジメント)が起きただけでも、強い痛みとして感じやすいのが特徴です。ジャンプやダッシュ、急な方向転換、長時間の正座やしゃがみ込みなどによって繰り返し圧迫されると、脂肪体が腫れたり硬くなったりし、膝のお皿の下に鋭い痛みを生じることがあります。
また、姿勢の乱れや大腿四頭筋の緊張、膝のアライメント異常(X脚・O脚など)があると、脂肪体にかかる圧力が偏り、慢性的な炎症へと進行するケースも少なくありません。
つまり、膝蓋下脂肪体は単なる“隙間を埋める脂肪”ではなく、膝関節の安定性と滑らかな動きを支える重要な組織であり、トラブルが起きると日常生活やスポーツ動作に大きな影響を及ぼす存在なのです。
膝のお皿が痛い人に多い症状の特徴

膝蓋下脂肪体が関係している場合、痛みにはいくつかの特徴があります。
- 膝のお皿のすぐ下が痛む
- 膝を伸ばしきると痛みが出る
- 立ち上がる瞬間にズキッとする
- 階段の下りで違和感が強い
- 押すとピンポイントで痛い場所がある
これらは、膝蓋下脂肪体に負担がかかっているときによく見られるサインです。
特に特徴的なのは、「完全に伸ばしたとき」に痛みが強くなる点です。膝を伸展しきる動作では、膝蓋下脂肪体が関節の前方で圧迫されやすくなります。そのため、立ったまま膝をピンと伸ばした姿勢や、長時間の立ち仕事のあとに痛みが増すことがあります。
また、階段の下りや坂道を下る動作では、膝にかかる前方への圧力が強まり、脂肪体が挟み込まれるような状態になりやすいのが特徴です。「上りは大丈夫だけど下りがつらい」という場合は、膝蓋下脂肪体の関与を疑う一つのヒントになります。
さらに、指で押したときに一点だけ鋭く痛む“圧痛点”があるのも典型的です。広い範囲がぼんやり痛むというより、「ここ」と指差せる明確な場所があるケースが多いのが特徴です。
これらの症状が当てはまる場合は、単なる膝の使いすぎではなく、膝蓋下脂肪体の炎症や挟み込みが背景にある可能性を考える必要があります。
レントゲンで異常が出にくい理由
膝蓋下脂肪体の問題が見落とされやすい最大の理由は、レントゲンでは写らないことが多い点にあります。レントゲンは骨の異常を確認する検査であり、脂肪体や軟部組織の状態までは分かりません。
そのため、「骨には異常なし」「加齢による変化はあるけど問題ない」と判断され、痛みの原因がはっきりしないままになることがあります。
膝蓋下脂肪体の痛みと他の膝痛との違い
膝のお皿周辺の痛みには、さまざまな原因があります。膝蓋下脂肪体の痛みは、次の点で他の膝痛と区別されることがあります。
- オスグッドのような骨の突出がない
- 変形性膝関節症ほどの動作制限がない
- 運動をやめても完全には楽にならない
特に、「安静にしているのに、膝を伸ばすと痛い」という場合は、脂肪体の関与が疑われます。
どんな人に起こりやすいのか

膝蓋下脂肪体のトラブルは、特定の年齢層だけの問題ではありません。
よく見られるのは、
- 立ち仕事や歩く時間が長い人
- スポーツで膝をよく使う人
- 産後や体重変動のあった人
- 膝をかばう動作が続いている人
膝の使い方のクセや、体のバランスの乱れが背景にあることも少なくありません。
なぜ痛みが長引きやすいのか
膝蓋下脂肪体の痛みは、「安静にしていれば治る」と思われがちですが、実際には長引くケースも多く見られます。その理由の一つが、日常動作の中で常に刺激を受けてしまう場所であることです。
歩く、立つ、座る、立ち上がる。こうした動作のたびに膝は動くため、知らないうちに脂肪体への刺激が続いてしまいます。
マッサージやストレッチだけでは改善しにくい理由
「膝が痛いから」と、太ももやふくらはぎをマッサージしたり、ストレッチをしても、あまり変化を感じない場合があります。それは、痛みの原因が筋肉ではなく、膝関節内部の脂肪体にある可能性があるためです。
筋肉をほぐしても、
- 膝の動きのクセ
- 体重のかかり方
- 姿勢や歩き方
が変わらなければ、脂肪体への負担は減りにくいのです。
膝蓋下脂肪体の痛みを悪化させやすい動作
無意識のうちに、膝蓋下脂肪体へ負担をかけている動作もあります。
- 膝を反らせた立ち姿勢
- 片足重心で立つクセ
- 勢いよく膝を伸ばす動作
- 深くしゃがむ動作の繰り返し
これらは、脂肪体が挟み込まれやすくなる要因です。
膝のお皿の痛みを感じたときに大切な視点
膝蓋下脂肪体の痛みで重要なのは、「どこが痛いか」だけでなく、「なぜそこに負担が集中しているのか」を考えることです。
膝だけを見るのではなく、
- 股関節の硬さ
- 足首の動き
- 姿勢や歩き方
といった全身のバランスが関係していることも多くあります。
こんな場合は注意が必要
次のような状態が続いている場合、単なる使いすぎではない可能性があります。
- 数週間たっても痛みが引かない
- 膝のお皿の下を押すと強く痛む
- 膝を伸ばす動作がつらい
- 運動をやめても違和感が残る
これらは、膝蓋下脂肪体が関与しているサインかもしれません。
まとめ
膝のお皿の痛みは、必ずしも骨や軟骨の問題とは限りません。見落とされがちな原因として、膝蓋下脂肪体が関係しているケースがあります。
レントゲンで異常がないのに痛みが続く場合、「原因が分からない」と諦めるのではなく、膝の使い方や体のバランスに目を向けることが大切です。
膝のお皿の痛みは、体からのサインでもあります。違和感を放置せず、一度立ち止まって体の状態を見直してみてください。
投稿者:松尾洋信
資格:柔道整復師 鍼灸師 カイロプラクター
経歴:明治東洋医学院専門学校 行岡整復専門学校

茨木市出身。施術家歴25年。学生時代はずっと野球をやっていました。大学卒業後に治療家を目指し専門学校へ入学、柔道整復師・鍼灸師の国家資格を取得。
その後、整骨院や鍼灸院・整形外科・社会人野球のトレーナー活動などを経て2010年に開業。その後、多くのセミナーに参加してレントゲンに基づいた独自の骨格矯正で首の痛みや頭痛・ストレートネック・頚椎ヘルニアなどの施術を専門としています。
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