肩が痛いのはインピンジメント症候群?原因や症状は?水泳や野球をやってる人はなりやすい?

2020年05月24日

 

肩の痛みにインピンジメント症候群というのがあります。

 

肩を動かすと痛い

というのは五十肩と同じ症状ですが、インピンジメント症候群と五十肩は違います。肩を動かすと痛みがでるのでもしかしたら五十肩かも?と思って来られる方もいてますが、

 

肩を挙げたり捻ったりしたときに引っかかり感や痛みがでたり、外転時の一定の角度で痛みが出るようでしたらもしかしたらインピンジメント症候群かも知れません。

インピンジメント症候群とは?

インピンジメントとは『衝突する』という意味です。

肩関節は非常に不安定な関節なので関節を安定させるために多くの筋肉や腱、靭帯があります。

特に回旋腱板と言われる筋肉が肩関節の周りを包み込むようにあります。さらに、肩関節には肩峰の下に肩峰下滑液包という袋があるのですが、この袋があることで腱板がスムーズに動くように衝撃を吸収してくれるのです。

 

インピンジメント症候群は肩をあげるときに腱板や滑液包がインピンジメント『衝突』することである角度で痛みがでてそれ以上動かすことができなくなります。

 

『ふと肩を動かしたときに痛みがでる』

『腕を動かす角度によって痛みがでる』

 

といった症状がでる場合は早めの対応が大事になってきます。

 

インピンジメント症候群のメカニズムについて

インピンジメント症候群では肩関節の運動障害が起こりますが、特に肩関節の挙上時に出てくることが多いです。

 

肩関節を挙上させたとき上腕骨頭では

上方回転と下方滑りの2つの運動がおこっているのですが、インピンジメント症候群では下方滑りの運動に対して上方回転の運動の割合の方が大きくなってしまいます。

 

そのため、肩関節を外転させていくにつれて、上腕骨頭が上方に変位してしまいます。

上腕骨頭の上方への変位が大きくなると、肩の挙上に伴って肩峰下のスペースに狭窄が起こることで痛みを生じます。

 

インピンジメント症候群の原因は?

インピンジメント症候群の原因のひとつは回旋腱板の機能低下です。

 

回旋腱板は棘上筋・棘下筋・小円筋・肩甲下筋の4つの筋肉がありこれらの筋肉が肩関節を安定させています。この回旋腱板の機能が低下することによって肩関節の安定性が悪くなりインピンジメントの症状を起こしてしまいます。

 

また野球の投球動作や水泳のクロールなど、肩を良く動かす動作をする人も肩関節や回旋腱板に負荷がかかりインピンジメント症候群になりやすくなります。

 

インピンジメント症候群の症状について

①肩の痛み

一番は肩の痛みです。特に肩の前側に出てくることが多いです。肩の前方部分には棘上筋腱や上腕二頭筋長頭腱・関節包・肩峰下包などがありますがインピンジメント症候群では特に棘上筋腱と上腕二頭筋長頭腱が好発部位と言われています。

 

②肩の可動域制限

肩の可動域制限は動作時痛によって起こります。特に肩関節の外転60度から120度の間に痛みが強く出るペインフルアークサイン(有痛弧)がでます。

 

施術の方法について

当院のインピンジメント症候群の施術方法としては

 

①脊椎・上腕骨頭へのアジャスト

インピンジメント症候群になる人は、回旋腱板の酷使の他にも姿勢が悪くて巻き肩の人や猫背の人が多く、それによって上腕骨頭も前方へ変位し肩関節の可動域の制限が起こります。また、姿勢が悪くなると胸椎の後弯も強くなってきてしまうので胸椎のアジャストメント・宍絵の改善も行っていきます。

 

②回旋腱板や軟部組織のアプローチ

回旋腱板や上腕二頭筋腱・烏口肩峰靭帯などの軟部組織に対してのアプローチを行います。痛みが出ると筋肉の緊張や炎症が起こります。肩関節周りの筋肉の柔軟性を取り戻していくことで肩関節の可動域を広げていきます。

 

インピンジメント症候群はそのままにしておくと、痛みが慢性化したり腱板損傷にもつながる場合がありますので早めの対応が大切になってきます。